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2020年12月23日04:32

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クラシックギターの音量が大きい構造的理由

ローカルテレビのゆうがたGETという番組にまたまたクラシックギター販売・買取専門店|株式会社フォルティアの経営者でギタリスト、小音楽堂「夢奏庵」というプライベートホールでコンサート主催の音楽仲間が出演します。

前回は6万円と450万円のギターの音違いを聞き分けられるか?でしたが、今回は同じ楽器を用いて、どちらがプロ演奏家でアマチュアかわかるか?という企画だそうです。

以下はあくまで高級ギター販売専門店のオーナーの解説を理解した上での伝聞です。間違えがあればご了承ください。
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フォークギターや安いクラシックギターと高級ギターの違いはまずはトップと呼ばれる表板の材質と厚みが違うことです。

高級ギターは木目がキレイに密に揃って詰まったスプルースもので、とても薄いです。響きの良い木を薄くして、弦に共鳴しやすい表板となっています。

逆にバックという裏板、サイドと呼ぶ横板は高級ギターは厚いです。

つまりサイドやバックは共鳴しないどころかハカランダなどの黒っぽい硬い木で音を反射させています。

表板の共鳴振動だけにして、前に前に音を飛ばそうという、生ギターの音だけで大ホールに音を響かせるための工夫の一つです。


ドンシャリギター
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スペインの1966年製イグナシオ フレタです。
ドンシャリとは、ハイ、ミッド、ローが同じフラットとは逆の、ハイとローをミッドより増やした音とされます。
オーディオではナチュラルではない誇張された音質として悪い表現に使われますが、クラシックギターの音色表現としては、メリハリある音、派手目の音と表現した方が適切でしょう。

このギターの表面の上部分の裏2ヶ所にはあえて別の円盤状の板が貼り付けられていて鳴りにくくしています。
オーディオ用語でいうダンプですね。

その代わり、サウンドホールという表面の丸い穴から下部分は通常のクラシックギターよりも薄く作られています。

そうなると強度が保てないので、通常のギターなら放射線状に6本接着される響棒と呼ばれる補強棒?補強板が9本に強化されています。

表板を徹底的に鳴らしてそういう音作りになっています。
薄くして、全体的に低音域を太く大きく、響棒を増やして響棒間の間隔を狭くして、より高音域も共鳴しやすくした工夫と見ました。

超一流ギター職人は、どんな音を出したいか明確なイメージがあって、それに沿ってギター造りに工夫を与えていることがよくわかりました。

オーディオでも、オーナーがどんな再生表現をしたいかで、チョイス、セッティング、ルーム及びルームチューンをしていく過程に似ています。
ここもマイクとグラフではまったく無理な調整と思っています。
あくまでオーナーの音感覚、音センス、音経験ですね。

一言でいえば、一流クラシックギター職人には「ぶれないサウンドイメージ」があるから、まさに現代でも貴重な音質として高値で取引される。
オーディオも機器をどう選んで、どう使うか、「ぶれないサウンドイメージ」を目指したいと思いました。
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