新年度初日、いきなり空振り２つ

　4月1日水曜日、終日雨。
　午前11時に家を出て、横須賀線にて横浜へ向かう。本日の朝10時から「戦争展」の会場設営が予定されていて、私は午後の部から最後まで手伝うということになっていた。
　横浜駅に着き、会場に近い北口改札に向かっていると、メンバーの一人が電車待ちをしていた。声を掛けてみたら、「朝10時、みんなで話し合って急遽展覧会を中止することになった」と。市民運動家のゆるいグループゆえ、政治信条は極左から穏健派まで幅広く、「政府の外出禁止令でも発動されない限り、開催する」という強硬論を唱える人に引きずられたかっこうで今日を迎えたのだった。私は開催派でも中止派でもなくて、要は持論ならぬ自論がないのだった。ただ一点、狭い会議室のような密閉空間でミニ講演会が予定されているので、懸念は抱いていた。
　ともかく、これで今日の労働奉仕はなくなったわけで、そのまま下り電車に乗ってうちに戻った。ちなみに、乗客が極端に減ったという印象は本日もなかった。展覧会場には今日を含めて3日間、詰める予定だったので、精神的にはラクになった。
　毎月朔日はお寺の例祭がある。今日は出られないと思っていたのだが、出席できそうだ。うちに戻ってパンとコーヒーというくらいの時間もある。
　午後2時ちょっと前、お堂に行ってみると……、えっ？　中止なのだろうか。お坊さんが2名、既に読経を始められているのだが、堂内に信者さんがいない。
　5分ほどの読経が終わったところで、「ご覧のように、本日は取りやめになりました」と告げられた。登壇する際は名前を書いてお布施をお渡しするのが決まり事なのだが、用意していたお布施はそのまま持ち帰った（苦笑）。
　なんだか自分が思っている以上に世の中は深刻だ、とこれまでの考えを改め直す。
　帰宅してiPhoneを開くと、友人からメールが入っていて、「（犬の）混合ワクチンにはコロナウイルスワクチンが入っているはず」とあった。彼はドッグトレーナーの学校に行ったほどに犬を愛する早期退職仲間で、昨日、ラズリにワクチン接種させたことを横須賀線で報告していたのだった。
　犬のワクチンでコロナ対策がなされているのならば、新型コロナだって来年にはワクチンを作ることができそうだ、と一瞬、明るい気持になった。

　ストーブの前で朝刊を読んでいると、湘南版で面白い記事が載っていた。
「集団訴訟　受験生の親が荏柄天神を告訴」という見出しで、以下のような内容だ。

　荏柄天神は菅原道真公を祀る県内唯一の天満宮で、鎌倉市のみならず県内から多くの受験生とその親が合格祈願で参詣する由緒ある寺で知られている。訴えを起こしたのは神奈川県藤沢市に住む受験生の親4名。訴状によると今年1月に高校3年生の男子学生4名が揃って荏柄天神を訪ね、絵馬札に願いを書いて社殿に掲げたところ、4名が4名とも第一志望校は不合格となったという。4名の親は、「荏柄天神が合格祈願の看板を掲げているのは不当表示で、景品表示法にも抵触しているのではないか」（48歳男性、藤沢市在住）、と集団訴訟に踏み切った。各生徒が支払った絵馬代金2千円の他、大学受験料2万5千円と慰謝料100万円の返済を求めた内容だ。
　訴えられた側の荏柄天神社・宮司は「困ったときの神頼みについて否定はしないものの、入学試験は実力に負うところが大です。本宮である太宰府天満宮とも相談の上、対応していきたい」と、憤りを顕わにした。

　新聞の地方版は、こういう記事がたまに載っている。