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2020年02月22日13:13

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舞踏会の手帖

『舞踏会の手帖(Un carnet de bal)』フランス1937年公開、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督、マリー・ベル、ら。
未亡人になりイタリアの美しき湖畔豪邸に住むクリスティーヌ(マリー・ベル)が、若き日に初参加した舞踏会の手帖を頼りに、昔の踊り相手を訪ねて回ります。が、自殺していた男友達の母親が気がふれていたり、文学少年が弁護士を経てキャバレー主として警察に引っ張って行かれたり、作曲家志望少年が神父になっていたり、詩人気取り少年がアルプスガイドとして山奥に住み込んでいたり、政治家志望少年が田舎町の町長ながら極道な養子に手を焼いていたり、サイゴン駐在医者を経て精神病みながら違法堕胎で稼ぐ男の同居女に追い出されたり、生まれ故郷で美容師を営む男のしつこい手品自慢に幻滅したり、、、一人旅から帰ったマリー・ベルは地元に昔恋した男の住みかを知り訪ねたものの、直前に世を去っており、遺された豪邸が人手に渡ると嘆く息子を引き取って優しく舞踏会参加の手解きをします。「少し緊張するでしょう。初めての煙草の時くらいに。」という声掛けが素敵でした。当然ながら人それぞれの人生があり、再会を喜ぶ以上にがっかりさせられたりする事もあるのは誰しもが経験する事です。それも贅沢な話で、生活に余裕あるからこそ昔を振り返りたい、昔の友人知人を訪ね歩きたい、となるのかもしれません。昔の思い出、自分が覚えておきたい思い出については、果てしなく懐かしく美しく恋い焦がれるものです。人生は儚いですが、居場所を見付けた人間は再び生きる活力を得る、というお話でした。「過去は未来を約束してくれない」という台詞が印象的です。
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