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2020年01月11日00:56

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滅入ったときの企画、その1

 気なんかいつだって滅入っていた。どんなに頑張っても成果は出ない。それは何もサロンの問題だけではない。自分自身も、成長の速度を老いの速度が追い越して行くのだから、これで楽しいはずもない。起きている時間の大半は落ち込んでいる。ふさいでいる。起きている時間が普通の人より長いだけで、精神的疲労度は半端なものではない。睡眠サイクルは壊れ、最近は一時間で起きてしまう。二時間を連続で眠ることが出来ないというのは、これは、けっこう辛い。肉体的に辛いのだ。そして、その睡眠によって体力を回復出来ないことが、より、精神を落ち込ませる。
 各種請求書の容赦ない攻撃にも耐え、誰もいないサロンの寒さにも耐え、これだけ気力がなくなれば、もう、何も書くこともないという状態にも耐え。そうして、まだ、書き続けようとしているのだ。
 若い頃に信じていた火は、次々と消えて行く。若い頃に見えたと思っていた光が錯覚だったことに気づきはじめる。
 それでも書くのだ。くすぶっている火がそこにあるなら絶やしてはいけない、そう言われて来たからだ。言われたことはやり続けるのだ。病んでなお止めないことが筆者の唯一の特技なのだから。
 さて、そんなどん底の気分の中では、希望など見いだせるはずもなく、思考は暗く、そして、もともとのネガティブに拍車をかけるが、それなら、そうした企画について考えてみるというのも面白いかもしれない。
 たとえば「あの夜、一人で」と、そんなタイトルで、エロ業界にいた間の孤独について書いて行くというのはどうだろうか。どうして一人だったのか、その理由にエロ業界の悲しみのようなものが見えて来たら面白いことになるかもしれない。
 そういえば筆者は、子供の頃から一人にされることが多くあった。ようするに嫌われ者だから仲間はずれにされたのだろうが、同じようなことがエロ業界にいてもあった。それでも、エロを止めることをしなかった。その理由を筆者は、しばしば、無人島から流す瓶詰の手紙に喩える。筆者は無人島に漂着した。たった一人でそこにいる。そこにはたくさんの瓶と紙とペンがある。そうなれば、当然のように、手紙を書いて瓶に詰めて海に流すだろう。どこかで誰かが拾い、島に来るかもしれないのだから。拾った誰かが同じ瓶に自分の手紙を詰めて流し返すかもしれないのだから。
 そう思って、紙がなくなるまで、インクがなくなるまで、瓶がなくなるまで、筆者は手紙を流し続けるのだ。それが筆者がエロ業界にいる、たった一つの理由だった。「あの夜、一人で」は、それを象徴するような企画になるのではないだろうか。
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