メキシコ国立人類学歴史研究所が、首都メキシコシティー北方のトゥルテペックでこのほど大昔に絶滅したマンモスの頭蓋や顎骨など約820点の骨を発掘した。
◎クロヴィス狩猟民の狩り
人類が狩猟用の罠として造った穴の中で見つかり、少なくとも14個体分にのぼるという。頭蓋などの保存は良い(写真)。
同研究所は、狩猟用の穴の中で見つかったマンモスの骨としては最大規模だとし「非常に重要な発見だ」と言っている。
報道では詳しくは分からないが、年代は較正放射性炭素年代で1万5000年前頃らしい。クロヴィス尖頭器が見つかっているか不明だが、マンモスハンターであるクロヴィス期の狩猟民の狩ったものだろう。
◎穴に追い込んで死ぬのを待ったか
穴は、埋め立て工事の現場で見つかったもので2基あり、長さは約25メートル、深さ約1.7メートルだ。周辺には他にも複数の狩猟用の穴があった可能性があり、同研究所は解明に意欲を示した。
穴の規模から、30人前後の狩猟民バンドが、松明やクロヴィス尖頭器を装着した槍でマンモスの群れを穴に追い込み、巨体のマンモスが這い上がれないまま死ぬのを待つという狩猟法だったと思われる。
◎アリゾナ州ナコでマンモスの骨のクロヴィス尖頭器8点が
これで思い出すのは、トゥルテペックのはるか北のアメリカ・アリゾナ州ナコで発掘された1頭のコロンビアマンモスの骨である。
1952年4月に考古学者のエミール・ハーリーは、巨大なマンモスの脊椎骨や肋骨の間に8点ものクロヴィス尖頭器が突き刺さった例を発掘した(下の写真の上:巨大なマンモスの椎骨や肋骨の間で見つかったクロヴィス尖頭器の位置、同中央:発掘されたクロヴィス尖頭器、同下2枚:1952年の発掘調査時)。
ナコでは、1頭のマンモスをハンターたちが集団で追い詰め、クロヴィス尖頭器を装着した槍を四方から投げつけ、狩猟したと思われる。
仕留めたマンモスは、そこで肉を切り分け、分担してキャンプに持ち帰ったのだろう。
クロヴィス狩猟民は、カナダ南部から大平原に進出すると、瞬く間にマンモスを狩り尽くし、はるか南米パタゴニア南端のフェルス洞窟まで拡散していったのである。
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