mixiユーザー(id:13658569)

2019年07月31日02:05

120 view

冷静に傾聴すれば、実に重要かつ勇気ある論旨。

アニメの世界は全くの門外漢だし、現代の発展し広く浸透した産業と有り様全般が、
自分の文化的世界観というか、通念みたいなものとかなり距離感があるので・・
いや、遠いのかどうかさえわからないぐらい「霧がかってる」ので、
記事に関連することはおよそ言及出来ない、と思っていたのだが。

更に、この事件はなんたって容疑者が生死を彷徨っていて、殆ど満足な聴取さえ
出来ていない状態で、また僅かな断片情報だけで毎度の如く拙速的に
「感情論主体で」突っ走る、世間の浅ましさに辟易していることもあって、
今の段で物申すにはあまりに早計過ぎる、と思っていたわけで。

そんなさなか、遇に当記事に触れ、何の脈略なしに氏のブログとやらを読んでみた。
結論から言うと「産業の当事者〜クリエイタの立場でよくぞここまで言った」
というのが率直な感想なんだな。

反応の多くにある「お前が言うな」「亡くなった当事者や遺族の方々に対して不謹慎」
「意味がわからない」「悪いのは犯人で現場の人間じゃない」等など・・
これらを眺めていて「実に表面的で短絡的」、それがまさに氏が言う所の
「そのナイーヴ性ゆえがもたらした、“狂気”をも付け入る隙」なんだろうと思う次第。

そのことを、第三者や識者等によるものではなく、当事者側・その当人自身が
ここまで踏み込んだ、誤解や語弊を招く恐れに対する自重心を超えて発した勇気・・
これに、すこぶる感心したけども。

自らの領域や消費者を敵にしかねないこの視点・論旨は、一般的に考えても
“常識を超えている”かもしれない。が、逆を言えば、だからこそ、
当事者側だからこそ口に出さなきゃいけないことでもあって、
一番気が付きにくい当事者側だからこその「後悔の念」「警告」「テーゼ」として
寧ろ重たい説得力を生むと思うんだけどね。

どうしたってクリエイタ側の自己保全、擁護心、保守的感覚となるのが常だし、
それ自体はある種必然的でもある。がしかし・・

事ある毎に表出して来た「アニメ〜オタク文化の反動や、危険通念」みたいなもの・・
それに対する明確な、かつ効果的で強固な反論と、氏が言う“自衛手法”、
あるいは“社会的な防壁”については、およそ「消費者個人の良識」に委ねたままで、
産業全般やクリエイタ側自身が悩み、模索し構築して来なかった、
または全く十分じゃなかった・・

「表現の自由」にある大原則を超えかねない危険性に恐れるがあまり、
時に“消費者側と喧々諤々やってまで、本当の意味での“自由権”、
“良好な社会的コンセンサス”を充分得るまで至っていないのではないか・・
その危惧や疑念が、氏の言う論旨には強くしっかりと在る気がする。

正確な所は個人的にわからない。十分かどうかや、特異な世界観由来のものと
一般社会通念との距離数については・・
しかしその一方、アニメだけに限った話ではないが、創作物が影響する所による・・
とされる、これまで不定期に起こって来た各種の犯罪事案をつぶさに観た時・・。

最終的に殆どは「個人の資質問題」に集約され、作品自体や作者、文化芸術、
産業界が悪いわけじゃない・・とする普遍的な論理に、何処か安住や胡座をかいた所は
本当になかったのか・・他方の識者や分析する専門界隈は、腫れ物(表現の自由)に
触れることを避けられないがゆえに、突き詰めることを徐々にやめた、
尻込みをしてこなかったか・・

ここらを再度問うているのが、この山本氏の論旨なんじゃないのか。
そこに、自身の後悔や自責らをも多分に含めながら・・。

このことに、またしても完全に耳を塞ぎ、目を伏せ見えないようにし、
この容疑者個人の責任にして蓋を閉める限りは、氏の論旨から汲み取れない限りは、
いつかまた同じような事案は繰り返される余地を残したまま・・
となる恐れを感じるわけで。

言わずもがな、だから「アニメ産業の制約」や「表現の自由に対する制約」を
望むわけじゃ全く無い。庶民文化はあくまで庶民の中で研ぎ澄まされるもので、
貫徹されるものでなきゃいけない。

しかしその一方、庶民の文化が大衆の文化性〜日常規範を左右する側面があり、
振れ幅はいかようにも広がるがゆえ、制御、防壁、自警・・
これらは、公権力に委ねられないよう、介入されないようにするがために、
寧ろしっかり自己貫徹しなきゃならない話。
しかして、それが不十分だったのではないか、だから「あんな狂気」を
招き入れたのではないか・・その観点ベースが氏の論旨じゃないのか。

だとすれば、「クリエイタ当事者側、その本人だからこそ言うべき」と思うんだが。
それを、あろうことかユーザー〜消費者側が糾弾しているうちは、
残念ながら、氏が懸念する傾向や方向に突き進む歩みは止まらないし、
隙はなくならない・・そう思えてならないんだけどね。

立ち止まって顧みてみる・・
これが出来ない産業も分野も、望まれる発展はない。それが世の常・・。

■ヤマカンこと山本寛氏、京アニ放火事件に持論 「狂気との共犯関係」「今までやってきたことに対する代償」
(BIGLOBEニュース - 07月29日 19:24)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=258&from=diary&id=5727081
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する