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2018年07月28日22:25

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私家版・中編名作選補遺(1)

(1)林 雄一
フォト
(近代将棋 平成3年3月号、第77期塚田賞中編賞)

49金、同と、68銀、69玉、57銀、イ59玉、A37角、ロ同桂成、
68銀、69玉、77銀、59玉、58金、同玉、57馬、59玉、68銀、
69玉、79銀、59玉、69飛、同玉、68馬迄23手詰。

イ79玉は97角、88飛成、同角、同玉、87龍(!)以下。
A26角は58玉、68飛、47玉以下逃れ。
ロ58玉は68飛、47玉、48銀以下。

 推敲を尽くしたことがはっきり見て取れる、美しい初形の佇まいにまず目を奪われるが、手順の方もまた見事なものだ。
 銀を据える序は妥当なところ。ここから銀の空き王手で局面を展開しているのだが、最初の空き王手は57銀。ここは88への遁走経路が見えているだけに77に行きたくなるところだ。59玉に対して更に桂の利きへの限定打が好手。これで桂の57への利きを外し、今度は銀を77に移動して57馬型にし、最後は79銀と開いて幕となる。(この収束は、作者お気に入りのもののようだ)
 銀を三方向へ開いて局面を展開していくという知恵の輪風味の作を、これだけの配置で完璧に纏め上げた作者の力量には驚く他ない。
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