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2017年01月26日22:12

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ジャンボ鶴田怪物伝説(315)

83年4月20日はこの年初となる都内1万人収容規模の会場となる東京体育館大会が行われました。

前82年はスタン・ハンセンの全日本移籍というエポックメイキングな出来事があり、2月4日、4月22日と東京体育館、6月8日、蔵前国技館と上半期に3回都内ビッグマッチを開催した全日本でしたが後半はトーンダウンした感はありました。

この年は4月20日(水)に全日本が東京体育館、21日(木)が新日本プロレスが蔵前国技館大会を開催し、前82年に続いて「山の手下町興行戦争」と呼ばれています。

82年は先攻の新日本が4月21日(水)に蔵前国技館で特別興行「難民義援金募集チャリティー興行」を開催、左膝半月板損傷の猪木が初来日のジェシー・ベンチュラを相手に復帰戦を行い、トップロープからのダイビング延髄斬り、胸板へのハイキックで勝利。

藤波はアブドーラ・ザ・ブッチャーと飛龍十番勝負第3戦を行い負け、タイガーマスクは初登場となるブラック・タイガー(ローラーボール・マーク・ロコ)に大苦戦し両者リングアウトで辛うじてWWFジュニア・ヘビー級王座を守りました。

新日本はこの月の1日に蔵前で第5回MSGシリーズの優勝決定戦を開催した(観衆11500人発表満員)ばかりでカードが弱く苦戦が予想され9000人発表と満員には成らず。

翌22日(木)の全日本の東京体育館は馬場vs ハンセンのPWFヘビー級選手権試合の再戦、ザ・ファンクスvs ブルーザー・ブロディ、ジミー・スヌーカ組の81年世界最強タッグ決定リーグ戦の再戦、鶴田vs ハーリー・レイスのUNヘビー級選手権試合の豪華ラインナップで新日本に対抗。

馬場vs ハンセンは初戦のインパクトは上回ることは出来ませんでしたが、ブロディとスヌーカの仲間割れもあり内容は上々。10200人発表(超満員)を動員して新日本に勝ちました。

それから1年、81年5月のブッチャー新日本移籍に端を発した全日本と新日本の引き抜き抗争は同年12月に新日本の強さの象徴だったハンセンが全日本へ移籍し事実上は全日本の勝利。

新日本は日本人対外国人のマッチメークから日本人同士の軍団抗争にシフトチェンジ。猪木vs 国際軍団、メキシコから帰国した長州が藤波に反逆、タイガーマスクにも虎ハンター、小林邦昭という宿命のライバルが現れ、特にタイガーマスクが少年ファンを中心に社会現象的なブームとなり、旗揚げ11年にして最大のピークに到達していました。

さて、全日本の東京体育館のメインイベントは世界最強タッグリマッチ公式戦、ファンクスvs ハンセン、ブロディ組の一戦。

ブロディがドリーを羽交い絞め、そこへハンセンがウエスタン・ラリアット狙い。しかしリング下にいたテリーがハンセンの足を引っ張って阻止、そのまま4者場外乱闘になりました。

試合の権利のあるブロディがリングに上がり13分55秒、リングアウト勝ち。ハンセン。ブロディ組は公式戦初戦を白星で飾り2点。ファンクスは1点。

タブルメインイベント第1試合は馬場が前王者レイスのリターンマッチを受けてPWFヘビー級王座の防衛戦、場外乱闘の末、11分24秒、両者リングアウトの引き分けで初防衛に成功しています。

大仁田はヘクター・ゲレロを9分45秒、ジャーマンで降しNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座6度目の防衛を果たしていますが、試合後、大仁田がリングを降りようとしたところ「ドスーン!」という大きな音がしました。

私は会場で観戦していましたが一何が起きたか状況が理解出来ませんでした。大仁田はリングを降りる際、目測を誤って左膝をフロアーに強打、膝骸骨骨折の重傷を負ってしまいました。

この日鶴田は天龍とエキシビション30分で対戦。鶴田のジャンピングニー、延髄斬りの応酬、天龍のトペ攻撃、卍固めと双方見せ場は作りました。

エキシビションとは最初から「無勝負」であり時間切れとなりました。カードからあぶれたのでエキシビションで、という発想かと思いますが、この対戦をエキシビションでやってしまうのは勿体なく感じました。

この時点で鶴田と天龍には何の遺恨も因縁もなかったのですが、最初から勝負なしの30分では観る側の興味は削がれてしまいます。

02年5月2日、新日本プロレスの東京ドームで行われた蝶野正洋vs 三沢光晴のように30分と試合時間が発表された途端、時間切れが想像つく試合というのは度々ありますが、この時60分あるいは無制限にして完全決着をつけろ、という声はほとんど聞かなかったです。

主催者側が最初から無勝負を観客に謳ってしまったのはやはり駄目でこの辺りが全日本のセンスを欠くところでした。

この日の大会は11000人発表(超満員)の観客を集めましたが、翌21日の新日本蔵前国技館大会は長州vs 藤波のWWFインターナショナル・ヘビー級選手権試合、猪木vs マサ齋藤、タイガーマスクvs ダイナマイト・キッドNWA世界ジュニア・ヘビー級王座決定戦、前田日明(明表記)凱旋試合vs ポール・オーンドーフの4大スペシャルマッチで12000人(超満員)を動員。

4月3日にも同所で12000人発表を集めた新日本が中17日の開催でまたも超満員にして見せ、ブームを証明。この時の山の手下町興行戦争は新日本に軍配が上がっています。
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