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2016年10月11日20:39

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ペガッサ市の重力について・補足(円板の重力)

 前回計算を省略したのが気になったので、勉強がてら円板の重力の計算を示しておくことにした。実は計算したのは去年だが、そのとき目標だった楕円体の重力の計算は未だにできていない_| ̄|○

 計算の手続きとしては、まず円輪からの重力を求め、その重力を半径方向に積分して円板の重力を求める順序になる。以下の計算で重力が求まるのは円板中心の真上だけだが、それ以外の場所での重力は計算方法が分からないので今のところ考えない(注)
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 円板の中心から距離xにある点Pに働く重力を考える。
円板の半径をR、厚みをdx、単位面積あたりの密度をρとする。
まず半径r、幅drの円環を考え、円環の質量をdmとする。円環の幅drを微小な長さとすれば、円周を直線と同じに考えることができるので、
dm=2πrρdrdx
となる。
そこで点Pがこの円環から受ける重力を求める。円環上の1点から点Pまでの距離は、図から
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となるので、この距離に沿った重力は、
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において、rに(r^2+x^2)、Mにdmを代入して、
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となる。(本当は加速度だが、細かいことは気にしない)
このとき円環から受ける重力にはx方向とr方向の成分があるが、円環全体の重力を考えると、r方向成分は軸対称なので相殺されてx方向成分だけが残る。この成分は、
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なので、
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円板全体からの重力を求めるには、円輪の幅drを0(中心)からR(円板の半径)までrで積分して、
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を計算すればいい。この積分は高校レベルの置換積分で解ける。
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とおき、
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としてrからuに変数を変換すると、
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となるので、
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積分範囲は、
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となるので、
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これで置換できたので、あとは普通に積分して、
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元の式に戻すと、
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となり、求める式が得られた。

(書いてみて、前回、式にdxをつけるのを忘れていたことに気づいた。数値を入れた計算では円板の厚みを掛けたので結果は間違っていないが、やっぱり不注意だったなあ)
________________________________________
(注)
 いろんなテキストを見てもこの場合しか出ていないのは、この問題が球体の重力を導くための準備としか考えられていないからだろう。しかし本当ならもっといろんな条件で重力を求めたいところである。円板の表面全体の重力場の分布とか、円板の縁ではどうなるかとか、そういうテキストはないものかしらん。
 計算方法が分からないので思いつきでしかないが、直感的には、縁の上では重力が円板の面に平行に中心を向くと考えられる。とすると、中心から円板の周辺に向かうにつれて重力の向きがだんだん斜めになっていくはずである。
 つまり円板の住民にとっては、平面ではなくサラダボウルのように窪んだ曲面に住む感じになるだろう(球体の表面に住むと球面をあたかも平面であるかのように感じるのと、ちょうど逆の事情になるわけだ)。中心から縁まで重力を同じにするには、円板の密度を縁に近づくほど大きくなるようにすれば良さそうな気がするが、しかしとにかく計算できないので本当にそれでいいかどうか全く自信ないのだった。

(さらに注)
 この問題を発展させると円柱の重力を求めることができる。その計算は今示した式をx方向に積分するだけでいいのだが、計算の帰結として奇妙な現象が起こる。この件を説明するとまた長くなるので他日を期したいが、そこから注意しなければならない事が出てきた。つまり、円板の式でみだりに円板の厚みを増すと、正しい結果が出ないかもしれないという問題だ。
 よって今回の式をそのまま使い、円板の厚みdxをただ大きくしただけで円板の重力を計算するのは問題がある。だから円板の式を使って具体的な例を計算するには、円板の厚みが半径に比べて十分小さいという条件をつけておくのが無難ということだ。実は前回、円板の半径を厚みの100倍としたのはあてずっぽうだが、このくらいの比率にとどめておくのが安全だろうという判断なのだった。
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