偽善者

敢えて「偽善者」と刺激的な言葉を使ってみた。
昨日渋谷で「LGBT」と方々のパレードがあった。偶然ではあったがこのパレードに出会う事が出来た。パレードに参加している人達の顏が輝いていた。そしてその輝きが周囲へも波紋を広げているのを肌で感じる事を体現しました。今までは関心が無かった若者の言葉「パレードが終わった後、一人になったらどんな気持ちだろう」「何時も、あの様に輝いて居られるのだろうか？」
　高齢のご夫婦が「皆が集まっているから明るく過ごせるけど、きっと日頃は大変なのだろうね」「どんな仕事をしているのか？」「親は判ってあげているのかな？」等々、皆好意的な言葉に私の心が少し和みました。
　過激な「権利主張」はあまり好きではありませんが、LGBTの方々に接した事がどれだけの方が居るのか？と少し疑問に感じました。今日のニュースでパレードのニュースがアップされましたが、差別の嵐。中には自分でコメントしないで、日頃は「良い人」を演じている人が非難のコメントに「イイネ」をしている。
　好き嫌いは別として「LGBT」の方と実際に触れあった人が何人いるのかな？
　彼ら、彼女らの苦悩を知っている人が一体どれくらい居るのかな？等々疑問がふつふつ吹き上がって来ました。
　カルーセル麻紀さんと出会ったのは２０年位前だった。彼女から当時色々な話を聞いて彼女らの苦悩を肌で感じました。
　彼女はある意味特別な人です。それでも周囲に理解されるまでには何回も自殺未遂や精神科治療に費やす日々を過ごして居ました。性転換手術でタイに行った時には「日本の地は二度と踏めないかも」と言う決意でタイへ渡った話。実際に手術で出血で命も危うかったという事です。でも、それまでの覚悟を決めての「性転換手術」なのです。
　帰国後も周囲に理解されない時期が続き精神科治療を続けていました。
又別のLGBTの女性は実母に打ち明けたら中学生の時に「精神病院」に強制的に入院させられたという話です。そんな彼女と出会ったのは私がハロワの相談員をしている時でした。髪の毛を流く伸ばし口数が少ない人。希望する職種は「大型運転手」彼女曰く「お酒が飲める人はその類の店で働く事が出きるけど、お酒が飲めない私は自力で生きて行くしかないので資格を沢山取って生きて来た」と…。何人かの相談員を回って「話が通じる人が居ない」と怒り始めていた時にその相談員から依頼されて私が担当する事になった。
　話を普通に聞いていれば納得する話ばかりです。見た目は女性・戸籍上は男性。だから男性並みの仕事が出来るのに見た目で差別されて来た苦悩を延々と話してくれた。そして幾つかの求人票を探して応募しようと…。彼女は苦しんで来た分情報も沢山持っていた。結果的に「中国系」の方の方が受け入れてくれやすいと言う話だ。中国の方の経営する運送会社に応募する事に決めた電話した。私が会社に伝えた内容は「沢山の免許を持ち、経験も豊な方です。唯、髪を長くしております。是非一度面接の機会を頂けませんか？」だけです。会社の社長は「通勤時間が長いけど、それでよいなら会ってみよう」と…。面接で就職が一発で決まったと後でわざわざハロワに挨拶に来て下さった。彼女曰く「色々なハロワに通ったけど、普通に接して貰ったのは貴女が初めて」「給料を貰ったら是非食事をご馳走したい」と…
　職業柄お断りしましたが、この一連の流れで彼女がどれだけ苦労して来たかが垣間見られました。　
　ある「おかまバー」に勤める女性の手首には傷跡を隠す包帯が巻かれていた。実際に自死する人も多い「LGBT」の方々です。
「LGBT」である前に「一人の人間」として扱われない苦悩を私達がどれだけ知っているのか？
　貴女達の生活の邪魔になる行為や無理な権利を主張しない限り排除する権利は貴女達にあるのでしょうか？と問いかけてみたいです。人のお世話をなさって日頃「聖人君子」的な発言をなさっている貴女！あなたですよ。人を差別する人に子供の面倒を見る資格はあるのでしょうか？人を差別する人が他人のお子さんを育てる事ができるのでしょうか？

　もう一度「一人の人間」として考えて欲しいと願っています。
　別に迎合しろとは言いません。同意しろととも言いません。
　せめて「人」として排除する前に彼女。彼らの苦悩の欠片でも良いので心の声を聴いて下さい。
　実際に会った事も無い人達が、自分に関わりのない人がSNS上で「排除」「差別」する「偽善者」の方がタチが悪いと感じた今日でした。

　まずは「人」として理解しようよ！！