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日記一覧

昨日、秋葉原の書泉ブックセンターと初台のくまざわで求めたがなく、今日は11時の書店開店時刻に教文館、ブックファーストに電話で問い合わせて売り切れといわれ、三軒めの三省堂有楽町駅前店でようやく見つけた。彼女が研究者をこころざした日から理研をや

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戦前日本人とアジア
2016年01月29日11:14

戦前の日本には、海外領土ないしはそれに事実上類する土地に、いくつかの高等教育機関が設置された。一番早かったのは、日清戦争後に近衛篤麿の霞山会が上海に置いた東亜同文書院、台湾には台北帝大、日露戦争後のハルビンにはハルビン学院。朝鮮併合後の首都

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ケアのカリスマたち
2016年01月28日10:29

上野千鶴子は、きのう紹介した近刊の『おひとりさまの最期』のなかで、「いままでずっと医者という人種は、社会性のない高ビーで不愉快な連中と思っていたが、在宅ひとり死を研究する過程で真摯な在宅ケア医が地域にはたくさんいると知り、その認識が改まった

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上野千鶴子が07年に『おひとりさまの老後』をだしたとき、発刊のタイミングとネーミングのセンスが抜群だなと、思った。だが買って読もうとは、思わなかった。くだらないといと思ったからではない。何をいってるのか、大体予測がつくと思ったからだ。孤立で

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87年12月、同年6月の民主化宣言を受けておこなわれた盧泰愚、金大中、金泳三3名による歴史的で激しい大統領選挙真っ只中に、私は仕事でソウルに数日間行った。そのときJETROに世話して貰った年配の通訳の人が戦前の満州建国大出身者だった。物静かだが

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冒頭で、青年期を満州で過ごした高齢者を新潟の山あいに著者が訪ねる。その時期の生活をインタビューするうち、その人の二階の部屋に上がって堆く積み重ねられたNHKラジオのロシア語講座の数十年ぶんの録音テープの山を見て著者の三浦はたじろぐ。これは何の

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兵庫県たつの市にある神社から秀吉が武将に宛てた手紙が33通まとまって発見されたと、東大史料編纂所がきのう記者会見をおこなって発表した。昨夜のテレビでその手紙文面の実物も映していた。秀吉はこんな達筆だったのか!と驚いたが、部下に代筆させたもの

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20年以上もまえになるか、前夜のマティーニの飲みすぎの二日酔いを醒ますため、そういうときによく行っていた上野駅公園口傍のサウナの休憩室のソファに、ある日の午前、仕事をさぼって寝そべっていた。そこに、つけっぱなしになっていたテレビで、日本人の

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このTさんもそうなのだが、女性が職業を持って固定収入を持ち、人がらが明るくて魅力的だと、男の飲む友だちには不自由しない。いきおい、男性を見る目が肥えてくる。シングルが長くなると、確立したライフスタイルもそう簡単には手離したくなくなる。それら

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20年をかけられた恋
2016年01月19日14:21

の結果、ついに相手の片恋が実ったアラフォーの知人女性がいる。出発点は、そのTさんの大学4年のとき、ファストフードのバイトで知りあった他大学の女子から、同じ大学の男子を紹介され、しばらく3人でつきあった。そのうち女の子だけが来なくなった。そう

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高円寺ネルケンで
2016年01月18日08:55

高円寺の古い名曲喫茶のネルケンには、なぜかたまに、無性に行きたくなる。そこに、先週のある寒い日のひるまえ、行ってきた。そこは、こんな店だ。そこに、80代と思しい、非常に上品な女性がいつもひとりだけいる。http://junkissa.jp/blog-entry-148.html

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心、死後、多元宇宙 
2016年01月17日14:28

天外司朗・瀬名英明『心と脳の正体に迫る』は、おそろしく知的刺激に満ち満ちた本だ。発刊は10年前だが、まったく古びていない。それは、大学の電子工学をでてソニーで研究所長執行役員をつとめあのAIBOを開発したばりばりの大物理系ビジネスマンと、やはり

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私はその名が何ものなのかは知らなかったが、相当の有名人だったというデヴィッド・ボウイがむかし日本にやってきて浅草の仲見世を真っ赤に染めた髪で歩いても、誰も振り向かなかったという。浅草という土地にロック通は、多くなかったのだろう。それに似て、

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92歳。子どものころ、両親につれられて観にいった『菩提樹』や『朝な夕なに』はいい映画だったな。後者のなかの主題曲の「真夜中のトランペット」は、いまでもその旋律を口ずさめる。『菩提樹』はあのトラップ大佐と子どもたち、その一家にやってくる家庭教

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大晦日の恒例となった上野文化会館小ホールでのベートーヴェン弦楽四重奏の中期以降最晩年までの主要9曲の連続演奏会は、昨年でもう10回めなのだという。早いものだ。私は一、二度行かなかった年があるだけ。2時から9時半まで7時間半のこの演奏会に、ほ

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母親・主婦の気持ち
2016年01月12日11:13

90年代の終わりごろ、大型で薄型のテレビが登場し、その魅力に消費者たちがとらえられたことがある。その時期は、さらに11年に地上波アナログ停波も控え、それやこれやのさまざまなものの転換期だった。それにあわせ、液晶やプラズマ、あるいはリビングル

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銀座二丁目の山形県プラザの二階の奥田シェフの「ヤマガタ・サンダンデロ」を再訪した。いや、正確にいえば四度目だが。むろん、カミさんといっしょだ。原則として海のものも山のものも酒も山形県産だけでつくるこの店のことを語るには、あるいは知ってもらう

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『源氏物語』ですぐに心にしみてくるのは? こう問われたら、季節の移り変わりとおなじ時鐘の刻みかたで、おもむろにうつっていく物語の速さをいうべきか。この場合、物語の速さといういいかたは、まだ言葉に外在している。ほんとは、登場人物たちの心音の速

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大岡昇平『花影』
2016年01月08日08:39

80年代終わりに50歳台という若さで他界した文芸評論家の磯田光一が、それより前の私の学生時代に、こんなことを書いていた。私の大学をはじめ全国の多くの大学がバリケード封鎖で覆われていたその70年前後の時期に、磯田はある大学のそのバリケード内自

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バー友だちとの遭遇
2016年01月07日08:35

昨日、汐留の高層オフィスビルでの顧客企業との打ち合わせを終え、地階での出口に向かった。そのとき、オー!とかヨー!とかイヤー!とかいう声が聞こえた。旧財閥系大企業に似つかわしくないその野蛮な大声から、これはこの企業の人間ではないなと判断し、そ

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本田靖春例外ももちろんいるが、日経の「私の履歴書」などを典型に、自分の履歴を紹介する文章を依頼されたとき、まあ社会の上層部に現在いる人に目立つのだが、長々と家系自慢をするやからの何と多いことか。そんなものは読む人が不快になるだけだという想像

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金本和憲朝日での元日の巨人・阪神両球団新監督へのインタビュー。金本は、「ジャイアンツの高橋由伸新監督を、どう思っていますか」と問われたとき、笑顔で次のようにいった。「顔と人間性では負けています。だから、野球で勝つっきゃないでしょ」このユーモ

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源氏物語 九つの変奏
2016年01月04日11:20

昨日のレスの1つに、現在刊行中の河出書房の日本文学全集の源氏物語の現代語訳をあの角田光代が担当すると書いた。それは上・中・下と3巻に分け、本17年5月に上巻、10月に中巻、来18年春に下巻との順に、刊行されるそうだ。作家その他による現代語訳

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大晦日と元日の丸二日かけ、全三巻のこの長編小説を読んだ。これは不思議な小説だ。話は、関西の芦屋の富裕な邸宅に住む一家、その主婦である幸子とその妹の雪子と妙子の2人の独身女性、なかんずく雪子の合計四回の縁談の前後の経緯を巡る物語だ。不思議とい

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