秋暑し道半ばにてわれ老いし 藤木洋良
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葡萄食い吐き出す種に死の香り 藤木洋良
梨供え饅頭食べる老夫婦 藤木洋良
梨供え饅頭食す老夫婦 藤木洋良
秋の川流れ流れて逆らわず 藤木洋良
秋風や黙したままの庭の石 藤木洋良
星流る愚直のままに老いにけり 藤木洋良
虫の声ただ聞かせたく電話する 藤木洋良
ぼくとつと真実語る秋の宵 藤木洋良
掛軸の無が無に見える秋の昼 藤木洋良
わが道に秋の色あり生きて立つ 藤木洋良
死に場所はどこにもあらず秋の蝶 藤木洋良
稲の香にむせぶ越後の石地蔵 藤木洋良
虚空をば自在に遊ぶとんぼかな 藤木洋良
秋の浜淋しいだけの波のあと 藤木洋良
秋空や淋しきものは雲の影 藤木洋良
人生の今なんどき秋の雲 藤木洋良
太陽を凝視せよ八月十五日 藤木洋良
風吹けば風に恋する稲の花 藤木洋良
墓参りすませて風の便り聞く 藤木洋良
間違いは正して生きよ秋の朝 藤木洋良
朝顔や短きいのち美しき 藤木洋良
切り売りの西瓜買うなり老夫婦 藤木洋良
新涼や老妻の手の白かりき 藤木洋良
大の字で目を開けている残暑かな 藤木洋良
青空の淋しき色や秋立ちぬ 藤木洋良
命日や息子の墓に蚊が一つ 藤木洋良
夏深し入れ歯がゆるむ昼下がり 藤木洋良
わがゆくて白く照らすや夏の月 藤木洋良
夕焼けて別れの淋しさ風が知る 藤木洋良
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