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日記一覧

千年の愉楽
2018年09月30日00:13

『千年の愉楽』 まあだだよもぬるい水も遺作の覚悟があるかのような描き方であったけれど、いつのまにか亡くなっている主人公の安らかな死に顔をみるとワカマツもこれが遺作となると覚悟があったのではないか、と見紛うばかりである。旦那に話していく男たち

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水のないプール
2018年09月28日22:09

『水のないプール』電車の音、切符切りのパンチの音、と都市のサウンドだけではなく、インダストリアル サウンドには雨の音、風の音もまた街にある音としてある。現代のネイチャーは、自然音として都会を包み込む。かつて観たときは死姦のようなことをしてな

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赤い橋の下のぬるい水
2018年09月28日22:09

『赤い橋の下のぬるい水』クロサワのまあだだよにもラスト、虹が表されていたと思うけれど、イマヘイのこの遺作にもまた虹がドリーミーに表される。映画というハレの時空間、私たちは非日常を知る。非常民である私たちは壺に入った宝物を、主人公とともに追い

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全身小説家
2018年09月27日23:42

『全身小説家』全身全霊にフィクション、それがアーティストのリアルである。事実ではなく真実、それが生きる姿に課せられるものである。原一男という第三者に客観的考察を委ねることにより、フィクションというリアルのパースペクティヴをはっきりと現わさん

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野良犬
2018年09月26日22:52

『野良犬』『酔いどれ天使』あまりにも極論的にワルを切り取るな、と思っていたら、木村功に同情するミフネを志村僑がたしなめるところがあり、やはりそうなのかとなる。アムビギュイティが表されながらも、やはりワルはワルだと言い切ってしまうところはクロ

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酔いどれ天使
2018年09月25日23:02

『酔いどれ天使』ミフネの名を挙げた作品であるが、ツキに見放された男の孤独感という印象が強く、運命の翻弄され的なものも誰かによって恣意的にされた観もなく彼の悲劇性にあまり同一化できずとなる。また、のちに出てくる任侠ものや実録ものその他もろもろ

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情炎
2018年09月24日22:39

『情炎』 コンポジションなど絵的にはみづうみよりも面白かったが、ハナシ的には愛のなんとか劇場みたいな、昭和の4、50年代に放送されていたような昼メロなものでちょいと陳腐。オカマリは、さっぱり系ではなくメンド臭い女、でもそれがオンナという焔なの

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人間
2018年09月23日23:42

『人間』 乙羽信子の野性的且つ胎児的プリミティフのエロスだけではなく、船員全員に、新藤兼人が当時に掲げる開放的な性の姿が表されている。殿山泰司の家長ぶり、ミラクルを信じる。『三文役者』で彼が言う佐藤ケーと山本ケー、そのふたりもまたギラギラし

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ローガン・ラッキー
2018年09月22日10:45

『ローガン・ラッキー』なによりも、出演していることを知らなかったので、ケイティ・ホームズ久しぶりに見て驚いた。ミシェル・ウィリアムズはこれまで時折いろんな作品で見かけるから、その変化に気付かずにいるが、久しぶりに会うからかケイティ、とても変

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『恐怖女子高校 女暴力教室』まさに恐怖であった。教師を油断させて闇討ちのシーン、すごかった。演出的に鈴木則文、まさにカッコよいと思えるのである。ハナシ的ストラクチャーは任侠ものによくある感じの、主人公が宿命のライバルと宿命的に出会い、謎のそ

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女のみづうみ
2018年09月18日10:31

『女のみづうみ』イメージというものが浮かび上がる。劇中に表される太陽族映画は、それを深める。そしてエンディングも。おだまりっ!オカマリよっ、おほほほほほほ。綺麗と言わしめられる岡田茉莉子、彼女のスティルを見ても、なぜか今までエロティックなも

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彼女と彼
2018年09月17日21:31

『彼女と彼』ボンソワール、ムッシューとマドモアゼル。、、、さっそく覚えたてのフランス語を使ってみました。『嵐を呼ぶ十八人』は喜重なのに、お仏蘭西ってより、エリアカザンを思い出させる雰囲気だったけれど、『彼女と彼』もまた、武満徹のここでの音楽

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整理していたら突然ロブグリエが出てきたのでビックリ。買っていたのか、、。万引きした記憶はない。放置プレイ状態だったので、これらにも気にかけなければ、となる。明日から、常盤貴子目的で録画していた旅するフランス語、不埒な気持ちを捨て勉学のため真

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日本脱出
2018年09月15日23:04

『日本脱出』 物欲、怒り、焦燥、性欲動、数多なコンシャスネスが交錯しながらも、クールな感覚で整理されスタイリッシュする。裏切りとファムファタール、拳銃とサスペンスといったフィルムノワールのフォルムに、我々が身近に持ち合わせているネイチャーが

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狂走情死考
2018年09月15日23:03

『狂走情死考』時間がなく夜にしか見れないということもあり、事前に早回ししながら、お茶の間で家族とともに見れるのかをチェックする。オオシマぐらいのヌードならば家族もオッケーだろうと思っていたら、やはりリヴィングルームではN Gの様子を早回しに感

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嵐を呼ぶ十八人
2018年09月15日23:00

『嵐を呼ぶ十八人』 日活のあの作品のタイトルを拝借し客寄せパンダにしているのかのようにも思えたが、観ていくと、本家と違い現実はカッコよくもオシャレでもなんでもないのだ、というリアルを叩きつけることワザと意図してタイトル使ったのかと思わせてく

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うなぎ
2018年09月15日06:20

『うなぎ』 好感がもてる純愛物語系ハナシであり、終盤の警察署から出てきた役所広司と清水美沙が並んで歩くところ好い。けれど、やはりイマヘイらしいドロ〜ンとしたとこが満載である。オトコは、イマヘイがいつも表すように、ネットリしていても無駄口を語

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ろくでなし
2018年09月15日06:19

『ろくでなし』日活モダンとも石井輝男モダンとも違うもの、なんだかコリオグラフィな動き、面白かった。 まつりごと、自由主義、資本主義、民主主義 飼い慣らされた世界、その現象でのエロスというもの、キジュ―は理屈っぽくならずに理屈を積み上げる。生

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三文役者
2018年09月14日12:30

『三文役者』 ユーチューブで観た「素晴らしき仲間」では、神戸出身の江戸っ子らしく、もっと速いテンポで話をしていた殿山泰司である。しかし、映画のなかにおける彼はゆっくりとした話し方であり、竹中直人が体現化するのは、殿山泰司という“イメージ”で

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金環蝕
2018年09月14日12:30

『金環蝕』 総理のデシャバリ夫人、京マチ子がアッキーエを想起させる。イシューは違っても、現在という時代においてもチラつく問題である。政治は民のためではなく、富のために稼働する。政界と財界の癒着は自由主義の支柱を支える。 外側は金色でも中身は

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大脱獄
2018年09月13日23:11

『大脱獄』 10年ほど前から観たかった石井輝男作品であるが、そのときはソフト化されてなく観れず仕舞いであった作品である。網走番外地の再現的なとこもあっても、高倉健ヴァーサス菅原文太以外はあまり目立った評価がない作品だけれど、観ていくと、出会っ

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天命反転意味のメカニック。バランスは己で意外を知るもの。世界は変わる。インテリであれパワフルであれ、マスムラであれイマヘイであれ、ヤミ市的エナジェティック生き様が表される。野村芳太郎(b19)、岡本喜八(b24)、増村保造(b 24)、石井輝男(

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浪人街
2018年09月11日22:32

『浪人街』マキノ版に比し、よりルンペンプロレタリアート的になってるのは黒木的な現代性か。上層に対して不満を抱え燻ぶり遂には爆発する傾向映画的リベラル大衆性ではなく、かつては運動に身を捧げながらもなにも実現せず燻ぶり続ける怒りが、したいことし

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テロルの季節
2018年09月10日23:28

『現代好色伝 テロルの季節』漏れる声、そして大石内蔵助の如きに目くらまし、或いは只のダラシネな生活。声は漏れる。団地という空間にハーレム、愛という背徳は無為に育まれる。無垢に研ぎ澄まされる。テロルはエロスに置き換えられ、その背中が姿に浮かべ

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八月の狂詩曲
2018年09月08日22:03

『八月の狂詩曲』リチャードギアが日本語喋ると、なぜか両手広げて笑顔で呼びかける「ハッチ―」に聞こえてしまう。『八月の狂詩曲』よかった。冒頭の方、オルガンを弾く青年と子供たちのコンチェアトー、どこかで黒澤は大林宜彦作品を気に入ってると言ってい

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 イマヘイは70年代はテレビドキュメンタリー、『未帰還兵を追って〜第一部マレー篇』(71)や『無法松故郷に帰る』(73)や『からゆきさん』(73;後年『女衒』をつくるにあたりこのリサーチは影響を与えてるはず)などのあと、79年に『復讐するは我にあり』

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女衒
2018年09月06日17:29

『女衒』 シリアスな緒形拳もいいが、拳はそもそもその人間味あるキャラが太閤記の頃からも滲み出ているのであり、冷酷なことをしでかすことのギャップが『鬼畜』以降からの魅力として発揮されていたのである。だからして、やはり太閤記に表されるようなサル

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天使の恍惚
2018年09月05日23:47

『天使の恍惚』 普遍性を有する。その時代だけのものとはならないのは、転覆させる対象である”目的”が常にイデオロギーであり、それが何かであるかは時代ごとに形を変えながら存在し続けられているからである。だからこそ、彼女が先に向かうところにエクス

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復讐鬼
2018年09月05日23:46

『復讐鬼』 ノムラの八つ墓村だけでなく、イマムラのええじゃないかの源泉もこの作品にあるのかと思わせる。もっとも、この作品の源泉は豚と軍艦にあるように思えるのではあるが。68年以降においてさらに、アメリカでも日本でも、臭いものにも蓋をせず見えて

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拝啓総理大臣様
2018年09月03日16:09

『拝啓総理大臣様』 拝啓天皇陛下様をレンタルしたつもりで観ていて、現代のシーンから過去へと展開されるのかな、と思っていたら途中、違う作品だと気づく。けっこうおもしろかった。アメリカ批判というより、アメリカにけん引されてしまった日本を批判した

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