【であうゆめ】 はきもののかるさによってはさまよいをみちびいてゆく秋のようにきいろいはきものだこうかんできるおんなをもつひとはいないか庭のすみにそうねがいおんなとむかうとこうかんはあたまでなしくりかえしこそこころでなすとさぎりのようなも
【骨格】 にじんだおもざしよりもその骨格をきれいとおもえばうつくしくおもうはんいはとおく趾にまでおよんでなみのような存在学となるあらわれなど花瓶に似たものと挿すことばはかまえていたがひとみなそれぞれにあめあめにかたむく傘へつうじてひろげ
瀬崎祐さんが、ご自身のブログ「瀬崎祐の本棚」に、ぼくのオンデマンド新詩集『束』の感想をしるされた。もっとも信頼する詩書紹介ブログのひとつで、そこにとりあげられたことじたいが、まずうれしい。以下↓ http://blog.goo.ne.jp/tak4088 瀬崎さんの
【樹が吼える】 おがくずの蒸留によらず樹皮にきずをつけてあぶらのえられてゆくしたたりのしずかなきれいな樹はあるだろうかやにをながすよりしろいもくざいのとおい色身おんなのはだをうるおわせやさしい光沢をみちびくあのあぶらのあの樹はおもえばお
【スプーン】 とおざかれ像からというように手に凸面鏡に似たスプーンをもちなにかしらむこうへとふくらませてこの些事だか匙だかをふってみるもともとふるどうさがこぼれていてこぼれもまなざしをふえるだけでわたしは漏刻であるのをかわらないからだの
【初冠雪】 あけがた二時に天ぞくがとびかいいなづまでまどをふるえさせたじゅなんはひとをじゅごんにしてむしろなんようのにおいをたたせるけれどもはつゆきはひっそりとみちをしろくかえているのがすきじゅなんはひとをおんなにしてかけぶとんを中途に
【ラピュタのロボット】 こがれるほどすきになりこちらのまどからむこうにみえるまどへまなざしの井戸をふかくほりさげてゆくとやこぶのはしごといえる段階的なものがとおく水平へとのびてたてこみまで破壊したので紐に似たおそれをおぼえ右ひだりがきち
ぼくの新詩集『束』(思潮社オンデマンド)の、アマゾンでのオンデマンドサーヴィスがいよいよ始まった。亀岡さんからその連絡を受けて、さっきまでアマゾンの「ギフト」機能をつかい、パソコンでの献本作業に追われた。疲れた。 詩集が完成すると、いつも
【あさぎり】 列車のたびといってよいだろうそれぞれの車輛にひとりごともっともよきものがましてながれるけしきとわかれすぐのだそのうちのあわい影としてながれるすべてにおしだまるとみづいた稲穂がゆげをたてむねにひそかにあったみずもかなしい湯へ
【北のひらがな】 いつでも一音でひとしめしこのことがひらがなのさだめでかたちのくずされたそのモナドはくずれながれているぶんだけねいろをとおくまでてらしあうおどろいたらまどがあり「ふ」の字などかわいいのでふふふふとさざめきだしたおんがくの
【隻眼】 つむったせきがんのなかをむすめのようなものがみえてなすこととなることとがあいまいにからだをゆきかうひとばなれとよばれるほどひかりの秋でくだけちりおろかなみのりをゆれている
【ひるのうまい】 すう息だけのものになり天上のあかりをすってゆくとねむるためのからだの芯がわたしにきえてゆくのがわかるのべられるねどこもさいげんなく野辺へ野辺へとひろがりつくす
【ななかまど】 こころさかりゆく火曜の四講まなびやへはいるときみあげるななかまどがとてもきれいなのであかい葉からもえおちるそのあかい実がてのひらへおさまりゆらめいてすいぎんのころがりをするさまをしろいむすめにおもいえがいてみる無念ともい
【両岸】 ながく水のはられているかたわらはゆっくりとあゆむのがただしいながれることがとどまることにひかれうつるすがたがこまかくゆれるときほんとうの鏡のけんぞくになれるのだほとりあるそんな列なりを川とよぶのかいやそれはときのすぎる隣域では
【階段】 階段のかたちをきれいだとおもうのはおどりばをまがってゆくひとらの規則がそのままにかたちをなしていてしかも廊下がたかさとつうじてほそく木のにおいの段階をひろげているためだかぜのとおるおどりばを中途としめすべくちいさくときのまどが
【大根仁監督・脚本『バクマン。』】 大根仁は優秀だ。膂力と洞察力と執念、この三幅対状態が、日本の映像シーンのなかにあって抜群に優秀だ。敬意を表する以外に態度選択がみつからない。 個人的体験をしるせば、最初に卒倒したのがテレビ版『モテキ。』
【食ドラマ3本】 本日の北海道新聞夕刊にぼくの連載コラム「サブカルの海泳ぐ」が載ります。今回、串刺しにしたのは「食ドラマ」。王道にして先駆者の『孤独のグルメ』(シーズン5がはじまった)を皮切りに、BSプレミアムで放送再開の『本棚食堂』、
【たべるゆめ】 くちのみでくらうこまいぬのくらしに手もて糧をくちへはこぶすがたをたてるとたべものでも手でもなく星ぼしをたべてよるうすあかりしてゆくぜんしんがえられあれきさんどりあすら葡萄の名にかわるひとかみごとのかんたーたでくるめきなら
【表紙デザイン】 詩集の表紙デザインというのは、映画評論集ほどではないにしても、なかなか難しい。はじめにいってしまうと、映画評論集は何か代表的に扱っている作品が集のなかにあるとして、そのスチルなどを表紙にあしらってしまうと、おカネ(使用
【ぺきり】 ふるいいきものになればなるほどかたちとうごきがわけられなくなるしてみるとやまばといろの鳥がめのまえの枝をくちばしにくわえぺきりとむじひに折ってあしもとの枝のうえで折った枝をゆらし反るようにそびえてみせたのもうごきかかたちかが
【かさね】 すなのうえで保護色をえた貝が海中としてすぐれるようにあおじろくながいおおかみが月明そのものへ擬態してとおくおおきくはしるのをみた
【秒】 ときごとの秒とはからだへつきささるうつくしくひかる連穹の矢だがこのまどからとらえるすすきならくもまからの光束にかがやきながらしょうたいなくただゆれておりむこうにはこの世の秒もないだろうかずが異数とのみむすびつくみだれがひろがりや