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高額バイトとして人気の「治験」定年後に参加する人が増加。50泊で“謝礼金100万円超”の案件も

 以前から副業として若者から中年層に人気のあった治験。「負担軽減費」と呼ばれる謝礼金が高額であることが多いからだ。コロナ禍を経て、高齢者向けの案件は徐々に増えており、副収入を得たいシニアの間でも注目を集めている。
シニア 治験

写真はイメージです(以下同じ)

副作用のリスクは自分で避けられる

 すでに年金受給中の辻本清志さん(仮名・67歳)は、60歳の頃にとある治験募集サイトに登録。仕事を辞めた現在は、貴重な収入源のひとつになっているという。 「私が登録しているサイトには、高齢者向きの認知症や骨粗しょう症、高血圧関連の治験が数多くあります。ほかにも老化に伴う疾患の治療薬や予防薬、サプリのモニターも比較的多く、思っていた以上に我々世代の人間が受けられる治験やモニターが多いとの印象を受けました」  なかでも積極的に応募するのは、高血圧や糖尿病、脂質異常症、生活習慣病の疾患の治療薬や予防薬の治験だとか。 「“治験”と言われて気になるのは副作用のリスクですが、応募者に情報は開示されており、確認したうえで判断できるので、リスクが比較的高いとされるワクチンなどは個人的には避けています。報酬が30~40万円など高額なものが多いため、金額を見た時は一瞬悩みますけどね(笑)」

トクホモニターで10~15万円も

 ただし、仮に応募しても必ず治験を受けられるとは限らない。参加基準を満たしていなければならず、「スクリーニング」と呼ばれる調査にパスする必要があるからだ。 「経験上、申し込み時のアンケート調査で弾かれなければ、実際に指定された医療機関で検査を受けます。当然、ここで落とされることも多いのですが、無報酬ってことはありません。案件によって金額は異なりますが、交通費として3000~1万円ほど貰えます」  また、高齢者でも受けられるモニターの中には特定保健用食品も多いらしく、辻本さんも飲料系を中心にこれまで4回受けたことがあるとのこと。期間は2~3か月程度で、報酬はそれぞれ10~15万円だったとか。 「商品が箱入りで自宅に届き、期間中は決められた時間に決められた量だけ飲みます。そして、定期的にクリニックを訪れ、血液検査などを行います。治験というよりはモニターに近いですけど、市販前の商品を飲めるのは楽しかったですし、飲料が美味しくて体重が減ったりすると得した気分になれました。」
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過去には50泊で100万円超えの治験も
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