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伝説の“レディース総長”が振り返る「大きくは道を踏み外さなかった」意外なワケ

 1989年に創刊され、90年代には社会現象を巻き起こした伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』で、カリスマ的な人気を博した女性がいる。栃木県のレディース暴走族「北関東硬派連盟貴族院・女族」元2代目総長のかおりさん。
女族・かおり

「北関東硬派連盟貴族院・女族」2代目総長だった頃のかおりさん(左下)※提供写真

 あれから30年の時を経て、その壮絶な人生を綴った自叙伝『「いつ死んでもいい」本気で思ってた…』(大洋図書)を7月13日に上梓する。台湾人として生まれ、喧嘩に明け暮れた少女時代から、レディース引退後はどのような人生を歩んだのか……。今回は詳しい話をうかがった。(記事は全2回の1回目)

令和の時代になぜか平成のヤンキー話がウケた

女族・かおりの現在

現在のかおりさんの姿(撮影/藤井厚年)

——さっそくですが、まずは自伝の執筆背景から教えてください。 かおり:『ティーンズロード』元編集長(倉科典仁さん)からオファーを受けたのが直接のきっかけなんですけど、その前にYouTubeチャンネル「ナックルズTV」で私がインタビューを受ける動画がけっこうバズったんですよね。 YouTubeは同世代の視聴者も多いからまだわかるんですけど、TikTokでも400万回再生とか記録したらしくて。令和の時代に、なぜか平成のヤンキー話がウケたみたいです。 ——SNS総再生回数1700万回超えとのことなのですが、「自伝を書いてください」と言われて率直にどんな気持ちでしたか? かおり:ティーンズロードに出ていたのが17歳の頃だったので、この年齢になって当時のことをフックに本を書くってすごい話だなと(笑)。でも、すぐ飛びつきましたよ。間髪入れずに「やる」って言いました。

“元レディース総長の今”も「自分は自分なので」

——とはいえ、かおりさんにも当然いまの生活があるわけですよね。昔の“黒歴史”を掘り返されたくないという逡巡もあったのでは? かおり:黒だろうが白だろうが自分の歴史ですからねぇ。もう自己否定はやめるようにしたんです。「ナックルズTV」の前にも“元レディース総長の今”みたいな企画でテレビに出演することも、ちょこちょこあったんですよね。まあ、自分は自分なので。 昨年、再婚を機に上京して、都内のパソコン教室でインストラクターとして働いているから、そこで生徒にバレる心配はあったんですけど「まあ、いいか」って(笑)。 ——元レディース総長が今はパソコンの先生って、意外ですよね(笑)。若者の間では『東京リベンジャーズ』『クローズZERO』『今日から俺は!!』などの作品(フィクション)が人気ですが、かおりさんの場合はすべて実話(ノンフィクション)。どんな反応があるのか楽しみですね。 かおり:かつての『ティーンズロード』読者はもちろん、同世代の人にはあの時代を懐かしく振り返ってくれたら面白いと思いますし、むしろ今の若い子たちに読んでもらいたいとも思っています。コロナ禍とかもあって人間関係が希薄になりつつもありますが、何か悩んでいる人たちに少しでも響くものがあるといいですね。
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「いつ死んでもいい」本気で思ってた…

伝説のレディース雑誌「ティーンズロード」でカリスマ的存在だった平成の女暴走族「貴族院女族」元2代目総長「かおり」の誰にも話さなかった壮絶な人生の実話を30年を経た今、暴露する!
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