人間関係

「食マナー」にキレる人々…ケーキのイチゴだけ食べる娘にイラッ!「味変」好きの息子にモヤッ!

昔から「食べ物を粗末にするな」とは言われているが、「粗末にする」定義とは何だろう。「食べ方」についての考え方を聞いてみると、人それぞれにこだわりがあるようで……

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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7月17日に放送された『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で、おかずクラブのオカリナさんが、シフォンケーキをつぶして食べたことが波紋を呼んでいる。

彼女の意図はわからないが、購入したものをどうやって食べようがその人の自由だという意見もあれば、作った人の気持ちを考えろという声もある。

昔から「食べ物を粗末にするな」とは言われているが、わざと落としたり他人の顔にぶつけたり、と明らかに粗末にするのは別として、「粗末にする」定義とはいったい何なのだろう。
 

食べ物はきれいにいただくべき

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「どんな食べ物も残さず、しかもきれいに食べる。それが当然だと思う。だからシフォンケーキをつぶして食べるなんて論外。うちの子がそんなことしたら激怒しますよ、私は」

そういうのはワカコさん(42歳)だ。10歳と7歳の子がいるが、厳しくしつけているのは「食べ方」だという。あるとき、上の子がイチゴのショートケーキのイチゴだけを先に食べた。中に入っているイチゴまでほじくりだしていたので、ワカコさんは「もう食べなくていい」と取り上げた。

「上の子が6歳くらいのときでした。いつも端からきれいに食べなさいと言っているのに、彼女はイチゴが大好きだから、ついほじってしまうんですね。それは許せなかった。そんなことをしていたら、将来笑われると言ったんです。すると黙ってみていた夫が『食べたいように食べさせてやれよ。大人になったら、外でそういう食べ方はしないよ。今からそんな押しつけるような言い方はしないほうがいい』って。それにも腹が立ちましたね。出てきたものを、出てきたままできれいに食べるのが当然でしょ、と」

焼き魚の食べ方もうるさく言ったとワカコさん。夫はそれにも気乗りがしない様子で、子どもたちに魚をほぐしてやっていた。子どもなのだから、骨をのどにひっかけたら大変だと。大人になったら覚えればいいというのが夫の常だったが、彼女はまったく同意できない。今も食事のマナーについては、夫との間で争いが絶えない。

「子どもならではの食べ方もあるんだから、よく見てやれよ、かわいいよと夫は言うんですよね。たとえばシュークリームなんて、上と下に分けてクリームだけなめたりするのが私は耐えられないんだけど、夫はかわいい、と。大人になったって、家でならそういう食べ方をしたってかまわないじゃないか、どうしてそんなに厳しく言うんだ、と」

ワカコさんは自身が厳しいしつけのもとで育った。それが社会に出てから役に立ったと思っている。だからこそ、自分も厳しくしているのだという。

「だけど私と子どもとは違う人間。まだ小さいのだから厳しすぎるのはよくないというのが夫の考え。最近は私も少し我慢して見ていますが、本当は矯正したい」

ワカコさんはまじめな表情でそういった。
 

すぐに手で食べる夫が許せない

夫の食事マナーが許せないというのは、マキさん(44歳)だ。結婚して13年、12歳になる一人息子がいる。

「うちの夫は、何かあるとすぐ手で食べるんですよ。『親からもらった五本箸~』とか言って。私はそんな言葉を知りませんでしたけど、夫の実家ではよくみんなそう言っていたそうです。たとえばカニを食べるときも、カニをもつ手はしかたがないとしても、利き手ではやはりカニフォークを使うべきだと思うんですよね。だけど夫は右手で身をほじくりだす。手を洗ってあるんだからいいだろうというけど、マナー違反だと思う。何より息子がまねするから困るんです」

たとえばケーキにミントの葉などが乗っている場合。夫はさらりと手でそれをとり、口の中へ放り込む。その後、ケーキを食べるときはフォークを使うが、彼女は気になってならないそうだ。マキさん自身はフォークで葉をとって脇へ置く。ああいうものは食べないのだそう。まして手で食べるなんてもってのほか。

以前、結婚記念日に夫が連れていってくれたイタリアンレストランでは、店側が羊のローストを「面倒だったら手で食べちゃってください」と言ったことがある。

「夫は『ほらみろ』と言わんばかりでした。レストランだってそういっているのだから、かまわないだろって。マナーの悪いことがまかり通るのはよろしくないと私は今でも思いますけどね」

息子が「味変」をしたがるのも、マキさんとしては認められないという。

「せっかく作ってくれた人に申し訳ないでしょと禁止しています。でも息子は私がちょっと席を立ったときに、夫とこそこそ話して、たとえばカレーに醤油を追加してみたり、チーズを入れてみたりしているようです。私は見て見ぬふりをすることもあるけど、本当は作った私に敬意を払っていないことになるよと言いたいところですね」

彼女は料理学校に長年通った経験があるので、自分の味には自信がある。それを味変するのは「私を馬鹿にしている」と思うことがあるそうだ。

食べ方もマナーも、その人の自由だと言ってしまえばそれまでだが、やはり身近な人は気にすることもある。むずかしい問題だ。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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