既報の通り、レノボ・ジャパン(以下「レノボ」)とNTTコミュニケーションズは3月3日、文部科学省の「GIGAスクール構想」に合わせて、同構想に準拠するノートPCと教育プラットフォームなどをセット提供する「GIGAスクールパック」を発表し、予約の受け付けを開始した。
この記事では、同日に行われた発表会の様子をレポートする。
GIGAスクール構想では、小学校、中学校、高等学校やこれらに相当する学校において、「1人1台の学習用端末」と「高速大容量の通信」を一体的に整備することを目指している。学習用端末の整備では、1台当たり4万5000円の補助金が支給されることが決まっており、メーカー各社がそれに準拠したノートPCやタブレット端末を発表している。
GIGAスクールパックでは、GIGAスクール構想で定められた仕様を満たすレノボ製PCと、NTTコミュニケーションズのクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」、PCを管理するツールをパッケージとして提供することで、小学校や中学校における“1人1台”の実現を強力に支援することを目指している。
なお、GIGAスクールパックは、あくまでもGIGAスクール構想の対象となる小・中学校とそれに相当する教育機関を対象に販売される。塾や個人などには販売されない。
Lenovoは「Smarter technology for all students(全ての児童・生徒によりスマートなテクノロジーを)」を合言葉に、教育機関へのPCの普及に取り組んでおり、全世界での「K-12市場(小学校から高校までの市場)」における販売シェアは1位だという。レノボとしても2017年から学校向けの製品を販売している。
レノボの安田稔副社長は、「GIGAスクール構想を、我々のGIGAスクールパックで加速させたい。これにより、1人1台のPC、入学から卒業まで使用できる1人1つのID、そして、クラウドファーストによる現場負担がかからない、効率的な運用ができる仕組みを提供することにより、(学校現場でのPCの)利活用率の向上を目指していきたい」と語る。安田副社長の語る「利活用率向上」への取り組みとして、GIGAスクールパックでは、東京書籍とレノボが共同開発したプログラミング教材と、Adobeのクリエイティブツールも合わせて提供される(詳しくは後述)。
安田副社長は「レノボは今後も、『端末の低価格での提供』『クラウドを活用した教職員の負担軽減』『利活用率を向上させるための教育コンテンツを含めた提案』の3点にコミットする」と意気込みを示した。
レノボではGIGAスクールパックと同時に、GIGAスクール構想に準拠する新製品として「300e Windows 2nd Gen」「300e Chromebook 2nd Gen」「500e Chromebook 2nd Gen」「10e Chromebook Tablet」を発表している。これらは全て「MIL規格(MIL-STD-810)準拠の耐衝撃性能」「マルチモード2in1」「クラウドデプロイ(クラウドベースの初期設定)への最適化」といった特徴を備えている。
GIGAスクールパックでは、学習用端末として300e Chromebook 2nd Gen、またはWindows 10を搭載する「IdeaPad D330」(既存製品)を選択できる。教育ビジネス開発部の武者超マネージャーによると、GIGAスクールパックではクラウドサービスをフル活用して教職員の負担を軽減できるが、オプションとして運用支援サービスも提供するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.