年末年始は、家でゆっくり映画鑑賞をする人は多いでしょう。でもいざ時間ができると、何を見れば良いのか分からない人もいるかもしれません。
そんな人のために、Amazonプライム・ビデオで配信されている作品の中から、おすすめのアニメ映画3作品をピックアップしました。シリーズ化された作品ではなく、1作品で完結しているのでより見やすいでしょう。気になる人はチェックしてみてください。
エンタメ全般が好きなライターです。ドラマや映画、アニメなど日本の作品が得意ですが、色々な国の作品も観ます。特に演技に注目して作品を観たり、記事を書いたりしています。
また、目標にしていた海外での生活も実現中。数年間は日本と海外での生活を楽しみつつ、現地のエンタメに触れるのが目標です。
『犬王』は『夜は短し歩けよ乙女』(2017)や『夜明け告げるルーのうた』(2017)、『きみと、波にのれたら』(2019)などの監督を務めた湯浅政明監督の作品です。
今作は世界最古の舞台芸術といわれる能楽を用いて、室町時代に実在した能楽師「犬王」を主人公に、その生き方や芸術スタイルを描きます。
室町時代の京の都で生まれた犬王は、異形の子としてその顔をひょうたんのお面で隠して生活していました。ある日、盲目の琵琶法師の少年・友魚と出会います。2人は名前を交わすよりも先に、互いのパフォーマンスに共鳴したのでした。
犬王と友魚が時代のトップスターに駆け上がる話であり、2人の深い友情の物語でもあります。
犬王をバンド「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんが、友魚を森山未來さんが演じています。この2人だからこその歌唱と表現も見どころです。
アニメーションとはいえ、実際の能楽を観ているような感覚に陥ることができる唯一無二の作品です。最初はストーリーを存分に楽しんで、2度目3度目と鑑賞を重ねて、音楽やパフォーマンスを楽しむのもよいでしょう。
『HELLO WORLD ハロー・ワールド』は、京都を舞台に繰り広げられる青春SFラブストーリーです。2027年、男子高校生として生活する直実のもとに突然現れたのは、10年後の未来から来たという”ナオミ”でした。10年後の未来の自分と会った直実は、同級生の瑠璃との今後について聞かされることになります。
密かに思いを寄せていた瑠璃と結ばれるハッピーエンドかと思いきや、瑠璃は事故で命を落としてしまうというのです。直美は、10年後の”ナオミ”のことを先生と呼び、2人は協力して瑠璃を助ける決意をします。
異世界要素を含みながら、直美の一途な思いを描いたラブストーリーの面も存分に楽しめます。3DCGを利用した独特の作画が異世界感をより増幅させていて、この細やかなアニメーションは劇場で見たかった! と思わせるほど引き込まれます。
京都の観光名所であるさまざまな場所がアニメーションによって形を変え、姿を変える様子を見るのは面白いですよ。
『鹿の王 ユナと約束の旅』は、上橋菜穂子さんのファンタジー小説『鹿の王』を原作にアニメーション化した作品。2015年の本屋大賞を受賞した話題作でありながら、物語のスケールの大きさから映像化は難しいとされていた本作が、アニメ映画として実現しました。
舞台は、圧倒的な力で他国への侵攻も進めているツオル帝国。山犬の襲撃から生き延びることができたヴァンと、血の繋がりはないものの、娘のように接している少女・ユナが旅に出る物語です。
しかし、突如発生した謎の病・黒狼熱(ミッツァル)によってツオル帝国の力が衰退してしまいます。ヴァンの血液が病気への抗体を持つかもしれないと言われ、医者がヴァンを探し回るのですが……。
感染症の流行により、劇場公開を延期した作品の1つでもあります。ストーリーと現実の社会で重なる部分があり、当時、身につまされる思いで見た人もいるでしょう。ファンタジーでありながら、決してそうとは言い切れない部分に思いをはせる人も多いはずです。
しかし物語は影の側面だけではありません。ユナの無垢なかわいらしさと、ユナを思うヴァンの気持ちに心が温まります。
3作品とも2020年前後の作品なので、感染症の影響で映画館で見ることができなかった人もいるかもしれません。もちろん映画館での映画体験は貴重なものですが、ここで紹介した作品は、家のテレビやデバイスで存分に堪能できるでしょう。
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