第1回遺産20億円はどこへ 「おひとり様」大地主、未完の遺言とその末路

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藤田知也
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 盛岡市の中心部に多くの土地を保有する大地主の大平吉郎さんが9年前、92歳でその生涯を閉じた。一人暮らしで身内はなく、死後に判明した財産は20億円超。承継を求める業者や近隣住民が現れ、裁判所は意外な判断を下す。多額の現金や不動産の行方を追った。

 吉郎さんが息を引き取ったのは、2014年3月17日深夜。市内に住む当時70代の不動産業者が葬儀を取り仕切り、寺に永代供養を申し込んだ。吉郎さんから預かったという2千万円を寺に払い込み、多額の現金や貴金属が残る自宅に泊まり込んでいた。

 業者の娘が、自作の「遺言書」を有効と認めるよう盛岡家裁に申し立てた。亡くなる約7時間前、業者を遺言執行者として財団法人を設け、財産は親類に譲らないなどと述べたとする内容だ。

 だが、立会人とされた医師や…

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