NHK大河『光る君へ』の平安のモテ男役に33歳のLDH俳優が抜擢されたワケ。容姿だけではない資質とは
2024年の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合で毎週日曜日よる8時放送)が、久しぶりに平安時代ということでテンションが上がる。何せ町田啓太が平安を代表する名歌人を演じるのだか、なおさらのこと。
寺山修司らとともに前衛短歌の一時代を築いた塚本邦雄の著書『新撰 小倉百人一首』にこんな一説が。
「必ずしも歌人としての才能に、特に恵まれていたとは考えられない」
これが平安中期を代表する屈指の歌人・藤原公任に対する評価なのだから驚く。古文の授業では、百人一首の大納言公任はただただすごいと教わるばかりで、こんな視点全然なかったじゃない。
こういう視点って、例えば正岡子規が実は『古今和歌集』は「くだらぬ集」と一刀両断したように後世の偉大な文化人の力技なわけで。ドスが利いた塚本の鋭さに、ブスッと一突きされた感覚になる。
塚本によるこの評価に、公任好きの筆者はどうにか公任にかわって一矢報いたく……。なんてたって、今や公任様はぼくらにとってのアイドルなのだから。
『光る君へ』で公任を演じるのが、町田啓太である。関白の息子にして中宮(天皇の后)の弟。出世が約束されたエリート一族の超ボンボン。そんなきらきら平安貴族役ほど、町田に似合うものはない。
町田君が演じる公任は、SNS上ではすぐに評判になっていた。主人公・紫式部(吉高由里子)が、後に藤原道長の援助によって書き上げる大作『源氏物語』の光源氏は、町田啓太で決まりだという投稿を見た。
町田扮する藤原公任はさっそく評判のよう。藤原道長(柄本佑)らと構成するイケメン4人衆が話題を提供し続けているのだ。
「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、本作の町田啓太に導かれながら、“光る町田君”へと改題することをすすめる。