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「信仰しないからガンになったのよ!」母が診断されてすぐ新興宗教信者の親戚がやってきた。一変した家族の生活とは

―連載「沼の話を聞いてみた」― 「母の場合は、宗教からはじまったんですよね」――橋本佳子さん(仮名/40代)は、実母のことをこう振り返る。 母ががんと診断されたと聞きつけてすぐ、橋本家に姿をあらわしたのが母の従妹だった。当時佳子さんは、12歳。33年前の話である。
がん母闘病沼202308

※写真はイメージです(以下同)

「信仰しないから、がんになったのよ!」「いつかこんなことになるって、ずっと思っていた」 大柄で、どこか得体の知れなさがある母の従妹(いとこ)が言い放つその姿は、「ドーン」と対象者にショックを与える喪黒福造(By笑ウせぇるすまん)のようだったという。

ほかの宗教を認めない親戚

母の従妹が言う「信仰」とは、超大手の新興宗教団体のことだ。 「母の従妹……私はおばさんと呼んでいました(以下、おばさん)。おばさんは熱心な信者で、私たち家族も昔から、そこそこ振り回されました。うちの父が交通安全のお守りを車に下げていたら、『私の前でこんなものぶらさげないで!』と引きちぎり、クリスマスを楽しんでいると『仏教徒のくせにキリストの生誕祭…?』と嫌味を連発」 がん母闘病沼202308「自分の目の届く範囲にある、他の宗教を認めないという姿勢が攻撃的ですごかった。選挙のたびに大騒ぎしていたのもすごくよく覚えていますね」

弱ったところにつけ込んでくる

「以前に小さな男の子が餓死させられた事件あったじゃないですか。あの報道でも、子どもが意識を失ったとき、母親は救急車を呼ばずに新興宗教のご本尊を拝んでたという。あれを知ったとき、真っ先におばさんを思い出しちゃって」 喪黒福造のような親戚。なかなかお近づきになりたくない存在であるが、「完全に、病気で母の気持ちが弱ったところに入り込んできた」と佳子さんはため息をつく。 そして佳子さんの母も、宗教団体に入信した。
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母の信仰で変わっていく家庭の様子
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