総合型選抜に落ちる人の特徴とは?~不合格から合格までの道のり~

2020年度から、総合型選抜へと名称が変更されたAO入試。

大学入学共通テストや一般選抜とは異なり、高校での成績や面接、小論文などによって合否を決める受験方法で、早い学校では8月ごろから選考が行われることも。

一見、一般入試よりハードルが低いように見えがちだけど、はっきりとした傾向がつかめないぶん、対策を練るのに苦労している人もいるのでは?

そこで、実際にAO入試(現:総合型選抜)を受けて失敗した先輩たちに、「いつから準備をしたのか?」「失敗の原因はどこだったのか?」「失敗から立ち直る方法」など、AO入試(現:総合型選抜)の失敗談を赤裸々告白してもらうことに!

先輩から学ぶ、AO入試(現:総合型選抜)に落ちる人の特徴とは?

※記事中の先輩たちが受験したのは「AO入試」も含まれますが、本文ではすべて「総合型選抜」と表記しています。「AO入試」と「総合型選抜」の違いはこちらの記事をチェック

目次

【ケース1】緊張しすぎて頭が真っ白に…



AO入試(現:総合型選抜試験)に落ちる人の特徴とは?

※絶対にこの大学に入りたいという気持ちが強すぎて緊張がMAXに

総合型選抜を受験した学部・学科

文芸学部・劇芸術学科

総合型選抜を受験しようと思ったきっかけは?

私はもともと舞台やミュージカルを観るのが好きで、そのことについて深く勉強できる学科を探していたときに、志望校の大学をみつけました。それと、私が今まで通ってきた学校はずっと男女共学だったのですが、将来は女性が活躍する場所で働きたいという気持ちが強かったので、女性がたくさんいて、いろんな考え方が学べる女子大に行きたいという希望もあって。

その両方に当てはまるのが総合型選抜を受験した大学しかなかったので、「この大学に絶対、受かりたい」という気持ちが本当に強かったんです。

それで、「受けられるものはすべて受けよう」と思って、一般入試より早く実施される総合型選抜に挑戦することを決めました。

総合型選抜対策は、いつごろからどんなことをした?

高3の4月には総合型選抜を受けることを決めていたので、塾の先生と総合型選抜対策を始めました。

私の受けた学校は、「好きな芸術をひとつあげて1000文字以内で自由に書いてください」という作文の事前提出と面接だったので、作文の添削を塾の先生にしてもらったり、志望動機や大学に入ってやりたいことなどを聞かれた時にどう答えるかといった面接の練習をしました。
AO入試(現:総合型選抜試験)に落ちる人の特徴とは?

※まる暗記したことで頭が真っ白に!

当日の雰囲気は?

面接は、面接官が3人いて、1人が質問をしてあとの2人は聞いているという感じでした。

当日は、「この学校にどうしても入りたい」という気持ちが強すぎて、学校に入った瞬間からものすごく緊張してしまって…。

質問されたのは、志望動機や大学に入って何を学びたいかといった想定内のものばかりだったと思うのですが、緊張で頭が真っ白になってしまって、うまく言葉が出てきませんでした。

試験前までは、総合型選抜で受かる自信があったのですが、面接後は「もうダメだ」とあきらめていました。その1週間後くらいに、不合格の通知が届きました。

失敗した原因と事前に対策しておけばとよかったことは?

とにかく緊張しすぎてしまったことが失敗の原因でした。

面接の練習では、いつも同じ先生に質問をしてもらっていたので、人を変えて面接の練習をしたり、複数の先生対自分という形で練習をしておけば、少しは当日の緊張感に慣れることができたのかなと思います。

それと、志望動機などを塾の先生と一緒に考えて、ほぼ丸暗記をしていったのですが、自分の言葉ではない表現があったことで、緊張して頭が真っ白になった時に言葉が出てこなくなってしまったのかなと思います。

不合格後、どのように気持ちを切り替えて今の大学に合格したの?

私は結局、総合型選抜で失敗した大学に一般選抜で合格することができました。

総合型選抜の結果が出る前から「ダメだろう」と思っていたので、すぐに気持ちを切り替えて一般入試の勉強を始めました。

ただ、総合型選抜が終わる10月まで、ほとんど一般選抜に向けた受験勉強をしてこなかったので、焦りはすごくありました。

受験に必要な科目が、国語と英語と世界史だったので、この3教科をひたすら頭に詰め込んで過去問を解いて、1日12時間くらい勉強をしたのですが、12月の最後の模擬では第一志望はD判定で…。

ただ、私の高校の友達はほとんどが一般入試で頑張る子だったので、周りの子にも助けられながら、冬休み中はかなり頑張りました。

その結果、当日の試験ではかなり手ごたえがあり、無事に第一志望に合格することができました。

高校生へのメッセージ

総合型選抜は不合格でしたが、一度試験を受けに行ったことで一般入試の雰囲気がなんとなくわかったり、「この大学にまた来たい」と思えてモチベーションが上がったりしたので、場慣れするという意味でも総合型選抜を受けてよかったと思っています。

私は、10月まで一般選抜の勉強をしていなくて苦労したので、総合型選抜は「受かったらラッキー」くらいに考えて、しっかり勉強をしておいた方がよかったです。

それに、大学では基礎ができていないと授業についていけないので、結果的に、一般入試を受けることで勉強する機会ができてよかったなと思っています。

総合型選抜に失敗する人の特徴①

・志望動機などを丸暗記する
・面接の回答を自分の言葉で用意していない
・常に同じ先生と面接の練習をする

【ケース2】総合型選抜で受かると信じてセンター試験を申し込んでいなかった


AO入試(現:総合型選抜試験)に落ちる人の特徴とは?

※自分でわかっている弱点がカバーできずに総合型選抜試験へ

総合型選抜を受験した学部・学科

国際教養学部・国際教養学科

総合型選抜を受験しようと思ったきっかけは?

僕は、小学校3年から中学卒業までの7年間、中国に住んでいて、インターナショナルスクールに通っていました。

高校は、日本の学校に通っていたのですが、中学で日本史や古文、漢文の授業を受けてこなかったので、基礎ができていなくて一般入試が難しいと感じていて。それならば、得意の英語が生かせる学部を選んで、総合型選抜を受けようと思いました。

それと、高校ではラグビー部に所属していたのですが、勝ち進むと部活の引退が1月ごろになってしまうので、総合型選抜で早く進路を決めて部活に専念したいという気持ちもありました。

総合型選抜対策は、いつごろからどんなことをした?

僕が希望していた英語を生かせる学部は、英検何級以上、もしくはTOEFL(R)何点以上という英語資格が必要だったので、それを取得するために高1から塾に通いました。あとは、学校の成績や課外活動も加味されるので、早いうちから準備が必要でした。

課外活動は、志望する学部で学ぶことと直結していることが重要になります。僕の場合は、「LGBTQの方たちが暮らしやすい社会にしたい」ということを受験の際の志望理由にしていたので、学校内にある「多様性のある生徒や障害者の方が過ごしやすい学校にするにはどうしたらいいか」ということを考える団体に入りました。

それから、僕が受験した国際教養学部は、試験当日に英語の長文を読んで、A3のエッセイシートに英語で自分の意見を書くというものがあったので、過去問を見たり、ライティングの練習をしたりもしました。

当日の雰囲気は?

面接は、英語で質問されて英語で回答するというものだったのですが、面接官は日本人の先生が3名ほどだったと思います。

想像よりもフランクな雰囲気で、ピリピリとした緊張感があったわけではないのですが、やっぱり緊張しました。

質問内容は、それほど複雑なものではなかったのですが、志望理由を聞かれて「日本には趣という言葉があるけれど、英語にするとなんとも形容しがたい。そういった日本の文化を英語でどう表現し、伝えていくかを学びたい」というようなことを英語で伝えたのですが、面接官から「趣ってなに?」と聞かれてとっさに答えられなくて…。

1つ答えにつまると、その先も焦ってしまってなかなか英語が出てこなくて、あまりうまくできませんでした。


AO入試(現:総合型選抜試験)に落ちる人の特徴とは?

※直前の予習ができなかったことで焦ってしまった

失敗した原因と事前に対策しておけばとよかったことは?

僕の面接の順番が最後で、2時間くらい待ち時間があったのですが、その間、志望理由などを書いた、いわゆる“カンペ”を見ておさらいができると思っていたんです。

でも、実際はかばんの中から水を出すにも手を上げて許可を取らなければいけなくて、2時間何もできませんでした。そこで、焦りが出てしまったり、集中力が切れてしまったというのはあったと思います。

あとは、志望理由や大学で学びたいことが、自分の中でしっかり英語で落とし込めていなかったのかなと思います。

不合格後、どのように気持ちを切り替えて今の大学に合格したの?

10月に総合型選抜の試験を受けて、11月に不合格の結果が届き、そこから一般選抜に切り替えました。その時点で、すでに受験日までは65日しかなくて…。しかも、僕は総合型選抜で絶対に受かる気がしてしまっていたので、センター試験を申し込んでいなかったんです。だから、センター試験は当日の新聞を見ながら解きました(笑)。

本当に崖っぷちだったのですが、総合型選抜を受けた学部にどうしても入りたかったので、ダメもとで一般入試に挑戦することにしました。

受験科目は、日本史、現代文・古文、英語だったので、英語はひとまず置いておいて、苦手な日本史と古文をひたすら勉強しました。赤本を見てみると、日本史は現代史が多めに出る傾向だったので、そこを中心にやりました。1日6~8時間は机に向かって勉強して、お風呂や寝る前は日本史のラジオを聞いて、とにかく頑張りました。自分でもよくやったなと思います(笑)。

総合型選抜の失敗から気持ちが切り替えられたのは、塾の先輩で総合型選抜はダメだったけど一般に切り替えて受かった人がいたことで「自分もいけるんじゃないか」と思えたことと、「総合型選抜で失敗しちゃったんだから浪人してもしょうがない。当たって砕けろの精神で思いっきりやろう」と開き直れたことがよかったんだと思います。

結果的に、第一志望に合格できたので本当によかったです。

高校生へのメッセージ

総合型選抜を受けると決めている人も、学校の授業はしっかり聞いて1、2年で基礎を固めておくことが本当に大切です。

総合型選抜は、基準が曖昧な分「絶対に大丈夫だろう」という人が落ちることがあります。その時に焦らないように、総合型選抜と一般、両方の壁をしっかり固めておくことが大事だと思います。

それから、もし総合型選抜で失敗しても「なんで落ちたんだろう」「どこが悪かったんだろう」と考えても答えはわかりません。それよりも、早く気持ちを切り替えて一般に臨んだ方がいいです!

総合型選抜に失敗する人の特徴②

・総合型選抜で絶対に受かると思い込んでしまう
・志望理由などに自分自身が深く理解できていない部分がある
・一度言葉につまると、その後にも影響が出てしまう

【ケース3】教授たちの談笑に入れず置いてけぼりに…


AO入試(現:総合型選抜試験)に落ちる人の特徴とは?

※総合型選抜へ向けて勉強はしたものの腹落ちしないままに本番へ

総合型選抜を受験した学部・学科

政治経済学部・地域行政学科

総合型選抜を受験しようと思ったきっかけは?

現役時代は国立を目指していたのですが、失敗してしまって浪人を決めました。予備校に通いながら一般選抜に向けて勉強をしていたのですが、総合型選抜試験専門の塾に通っている人と知り合っていろいろ聞くうちに、「総合型選抜も受けてみよう」と思うようになりました。

総合型選抜対策は、いつごろからどんなことをした?

4月の後半には総合型選抜も視野に入れて対策を始めました。まずは、志望校のパンフレットを見ながら志望動機を考えました。

僕は、もともとシンガポールに住んでいたのですが、シンガポールは中国文化に影響を受けている部分が大きいので、中国が世界に与えている影響について興味があって。

それを志望理由の柱として、世界の地域を学べる「地域行政学科」で勉強したいということを文章に書いてまとめました。あとは、自分が学びたいことを教えている教授を探して、具体的に名前を出して「このゼミで学びたい」ということも書きました。

あとは、予備校の先生と面接の練習もしました。僕の志望大学は、面接には特徴的な傾向がなかったので、志望理由などの基礎的な質問と、姿勢や目線といったことを指摘してもらいながら練習をしました。小論文は、予備校の先生に添削をしてもらいながら練習したのですが、コツがつかめないまま当日を迎えてしまった気がします。


AO入試(現:総合型選抜試験)に落ちる人の特徴とは?

※予想外の面接で困惑!

当日の雰囲気は?

正直、あまり緊張していませんでした。試験は9月の後半ごろだったのですが、それまでに夏期講習でかなりの勉強量をやってきていたので、「一般選抜でも頑張れるぞ」という自信があって。それが、気持ちの余裕につながったんだと思います。 

ただ、小論文の問題が「コロナから考えるグローバル化のいいところと悪いところ」といった内容だったのですが、一応、自分の意見は書けたものの「これでいいのかな」「どういう審査基準なんだろう」というモヤモヤした気持ちがあって、手ごえはあまり感じられませんでした。

そのあと、面接があったのですが、僕の場合はかなり予想外で…。

会場は、コロナの影響で個室ではなく、広いスペースにパーテーションで区切られた面接ブースがいくつも並んでいて、隣りの声は筒抜け状態でした。

それも驚いたのですが、面接が始まると、面接官の2人が話し込んで盛り上がって自分一人が取り残される、という場面が何度もあったんです。フレンドリーな雰囲気で、緊張はまったくしなかったのですが、どう対応すればいいのかまったくわかりませんでした。教授同士の会話に割って入るのも違う気がするし、「これは何を求められているんだろう」と悩んでしまって。

隣りの人はどうなんだろう? と思って聞き耳を立ててみると、そっちはすごい圧迫面接で、まったく違う雰囲気でした。

結局、教授たちの雑談に相槌を打つ時間が大半で、用意してきたことは話せず、完全燃焼した感じはまったくありませんでした。

失敗した原因と事前に対策しておけばとよかったことは?

正直、落ちた原因は本当にわからなかったです。

ただ、総合型選抜にかけている現役生たちは、もっと頑張って準備をしていたのかもしれないなとは思います。

僕が志望した大学の総合型選抜の定員は5人だったんですけど、結局、合格者は3人しかいませんでした。だから、本当に教授とマッチする人しか受からない狭き門なんだなと思いました。

不合格後、どのように気持ちを切り替えて今の大学に合格したの?

もともと一般入試に向けた勉強もしていたので、総合型選抜が終わって大学の門を出た瞬間から「自分は一般受験生なんだ」と気持ちを切り替えていました。とはいっても、合否が出るまでの1カ月半くらいは、模試の結果も悪くて集中できませんでした。

不合格だとわかってからは、「総合型選抜を受けたことで大学のことを深く知れてよかった」と前向きに考えて、受験勉強を続けて、一般入試で第一志望の大学に合格することができました。

高校生へのメッセージ

僕は浪人生だったこともありますが、総合型選抜対策と並行して一般入試の勉強をしていたことが大きな自信になりました。総合型選抜の枠は広がりつつあると思いますが、定員以下しかとらないということもあるので、一般入試の勉強はやっておいたほうが絶対にいいと思います。

一般入試当日は、前日から吐き気が止まらなくなってしまって、試験中にトイレに立つこともあったのですが、無事に合格することができました。体調不良でベストは出せませんでしたが、今まで繰り返しやってきたことは頭に定着してるんだなと、本当に実感しました。人生で一番大変な時期だと思いますが、この緊張感と圧迫感を楽しんで、ポジティブに受験に挑んでほしいです!

総合型選抜に失敗する人の特徴③

・小論文のコツがつかめないまま試験当日を迎えてしまった
・想定外の雰囲気に対応できなかった

総合型選抜に失敗する人の特徴まとめ

・志望動機などを丸暗記する
・面接の回答を自分の言葉で用意していない
・常に同じ先生と面接の練習をする
・総合型選抜で絶対に受かると思い込んでしまう
・志望理由などに自分自身が深く理解できていない部分がある
・一度言葉につまると、その後にも影響が出てしまう
・小論文のコツがつかめないまま試験当日を迎えてしまった
・想定外の雰囲気に対応できなかった

総合型選抜だけにかけていると失敗する可能性大!

総合型選抜に向けて対策を練るのは大切だけど、「総合型選抜で絶対に受かるはずだから、一般入試の勉強はしない」という根拠のない自信はとても危険!

総合型選抜は、合格基準が学校によってさまざまであいまいなだけに、突破するのはとても難しいもの。それに、「ここで失敗したら終わりだ」と思いつめていると、当日の筆記や面接で想像以上に緊張してしまい、実力が発揮できないことも…。

面接では、事前に準備した原稿を丸暗記して挑むと、言葉につまってしまう原因に。暗記したことを思い出しながら答えるのではなく、目の前の面接官に「この大学でこれを学びたい!」という思いが届くように精一杯話すほうが、たとえ失敗したとしても「ベストはつくせた」と納得できるはず。

先輩たちが教えてくれた「総合型選抜に失敗する人の特徴」はさまざまだったけど、共通して言えるのは、一般入試の勉強はしておくべき!ということ。晴れて総合型選抜で合格しても、大学に入ってから授業についていけないのでは意味がない。

高校までに学んだことは、たとえ総合型選抜しか受けなかったとしても、しっかり身につけておくことが楽しい大学生活を送るためにも必須なのかもね。

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