「サッポロ一番」最大の謎が解明? メーカー側もよくわかってない「切り胡麻フォント」のレイアウトに関わったとする投稿に注目集まる(1/3 ページ)

「切り胡麻」だけなぜか筆文字。

» 2024年03月21日 19時30分 公開
[ねとらぼ]

 あるX(Twitter)投稿者による「サッポロ一番」最大の謎とされる「切り胡麻」フォント誕生秘話が注目を集めています。

サッポロ一番 「サッポロ一番 塩らーめん」のパッケージにある「切り胡麻」の文字、お気づきだろうか?

 サンヨー食品により袋麺タイプのインスタントラーメンとして発売された「サッポロ一番」はその後、商品名を「サッポロ一番 しょうゆ味」とあらためられ、1968年には「サッポロ一番 みそラーメン」が、1971年には「サッポロ一番 塩らーめん」が発売されシリーズ化、さまざまな種類が開発され定番のロングセラー商品へと成長していきました。その「サッポロ一番 塩らーめん」の袋麺のパッケージ裏面にはある謎が隠されています。調理工程のある部分、仕上げのトッピングに使う「切り胡麻」の文字だけ、なぜか筆文字のフォントになっているのです。気が付きましたか?

サッポロ一番 袋麺タイプ裏面の説明に急にあらわれる「切り胡麻」フォント

 ねとらぼ編集部がサンヨー食品に問い合わせると、「発売当初(1971年)のパッケージから使用を確認」しているとのことですが、「申し訳ございませんが、当時の担当者がおらず、理由はわかりません」との回答が。当時を知るものがなく、メーカー側もわからないまま今に至っているそうです。現在まで使われ続けている理由については、「商品に対するこだわりが感じられるため、大切に継承しています」とのこと。一方で、ほとんどパッケージのデザイン変更をしてこなかったことにも原因はあるんだとか。

サッポロ一番 謎は謎のままに……? 

 このまま「切り胡麻」フォントの謎は謎のままかと思った矢先、冒頭の投稿者が現れました。かつてパッケージのレイアウトを担当したという投稿者のお父様によると「わかりやすいだろその方が」「というか普通の書体にするという考えがなかった」という“直感的どストレート”な理由だったそうです。

 投稿したのはmuscadetH(@muscadeth)さん。ねとらぼ編集部が話を聞くと、投稿者のお父様が大手印刷会社の包装企画部に在籍していた当時、サンヨー食品とともにパッケージの監修の仕事をしていたというのです。オモテのデザインはデザイン事務所が作成し、ウラ面は印刷会社でレイアウトするという流れの中で、お父様がウラ面のレイアウトを担当。オモテ面にあった「切り胡麻」をコピーして、ウラ面の調理工程の場所に貼り付けたそうです。

 投稿者のお父様によると、あの「切り胡麻」は「ロゴ」として作られており、「すり」胡麻ではなく「切り」胡麻なのもサンヨー食品のこだわりの部分だと理解していたといいます。「ひとつの製品並にスタンスが確立されている『切り胡麻』として受け取り、パッケージ制作当時あのようにロゴ化していても当事者達は何の疑問もなかった」とのことでした。期せずしてサンヨー食品の「商品に対するこだわりが感じられる」という部分に符合するものがあります。

 お父様は現在、82歳。サンヨー食品との仕事は20代半ば〜30歳ごろとのことで、昔を懐かしみながら親子の会話で盛り上がったそうです。

 ちなみに投稿者によると、「サッポロ一番 ごま味ラーメン」の「ごま」の文字は今は亡きお母様による筆字なんだとか。ほかにも「えぞ味」「きつねうどん」なども夫婦合作だったそうです。

サッポロ一番 「ごま」がお母様の手によるものなんだとか(画像協力:muscadetHさん)

 お父様は30歳頃に印刷会社を退職し、お母様と結婚、出版社を立ち上げつつ、そのまま印刷会社の嘱託としてサンヨー食品との仕事を続けたと振り返ってくれました。今でもサンヨー食品リスペクトなお父様から、お母様もデザインに関わっていたことを知った投稿者は、仏壇に「サッポロ一番 ごま味ラーメン」を供えたそうです。

 なお、当該の投稿についてはサンヨー食品も把握しているそうですが、前述したとおり「当時の事を知っている者がおらず、(サンヨー食品としては)真相がわからない状態」としています。

サッポロ一番 編集部の取材に、「『サッポロ一番』の魅力はそのまま調理・喫食いただいても、十分に楽しめる個性ある味わいでありながら、ちょい足しや食材を加えて調理する人の好みを受け止めるアレンジ性(味の懐の広さ)が魅力だと考えております」とサンヨー食品さんからオススメされました。食べます!
サッポロ一番 ちなみに5袋入りのオモテ面には「切り胡麻」フォントはない
サッポロ一番 ウラ面には「切り胡麻」フォントがある! あってよかった「切り胡麻」フォント
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/19/news005.jpg 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  2. /nl/articles/2405/19/news036.jpg 「ウンコ食い」という毒魚に刺され“骨に激痛”→その40時間後…… ゾッとする経過報告に「えげつない」「何かの病気になりそう」
  3. /nl/articles/2405/20/news009.jpg ドクダミを除草剤を使わず防ぐ方法3選 生態と対策がよく分かる解説に「待ってましたよ!」 「これは嬉しい!」と大反響
  4. /nl/articles/2405/20/news035.jpg 夫が男子トイレで発見した“幸運の虫”を妻に見せると…… 感動を呼ぶその正体に「蝶より綺麗」「素敵な旦那さんだ」
  5. /nl/articles/2405/17/news147.jpg 丸刈り男性が“1年間”髪を伸ばし続けたら…… 55週間の“大変身”の記録に「これはすごい!」「クールだね」
  6. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  7. /nl/articles/2405/19/news034.jpg 父が答えた「人生最後の日に食べたい物」に衝撃走る 思わず涙こぼれる回答に「泣かせないでください」「心に沁みた」
  8. /nl/articles/2405/20/news034.jpg 生後6カ月の赤ちゃん、ママと目が合ってニコッ!からの…… 無敵のかわいさに「撃ち抜かれた……」「癒しをありがとう」
  9. /nl/articles/2405/20/news068.jpg カスハラなど客の迷惑行為で「もう限界」 老舗銭湯が閉店を決意した理由に「一番心折れるパターン」「見ていてつらい」
  10. /nl/articles/2403/13/news017.jpg 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評