疲れている時は思考力や判断力が低下しがち。ちょっとしたことでイライラしてしまい、普段ならあり得ないような振る舞いをしてしまうことがあります。

 そんな「疲れている時の感情」について、二児の母である「なりたりえ」さんが描いた漫画に、共感の声が多数寄せられています。

 X(ツイッター)に投稿された漫画は全3ページ。最初のページでは、明らかに疲れながらも食事の支度をするなりたさんと、当時7歳の長女さんのやり取りが描かれています。

■ 疲れている時の感情は難しい……漫画に共感

 「ママ何作ってるの?」と娘さんに尋ねられるも、なりたさんは「ん-と、サラダ……」とどこか気のない返事。元気のない様子を察してか、娘さんは「私も手伝うよー」と協力しようとしますが、「いや、今はいいよ……」と返します。

「疲れている時の感情って、難しいな」1P

 気持ちはありがたいのですが、7歳くらいのお子さんが手伝うとなると親もハラハラ。常時見守っていないといけないので、余計に気を遣って大変だったりするんですよね。

 それでも、普段から積極的にお手伝いをしていたこともあり、「えー手伝うよー」と協力したい様子の娘さん。耐えかねたなりたさんはついに「もー、今はいいってば!」と語気を強めます。これに対し、娘さんは「ママ……怒ってるの?」と、どこか申し訳なさげ。

「疲れている時の感情って、難しいな」2P

 ここでハッと我に返ったなりたさんは「ごめん!」と素直に謝ります。続けて「怒ってるんじゃなくて、すごーく疲れてただけなんだ……」「だから機嫌が悪くなっちゃっただけで……ほのか(娘さん)は悪くないよ!ごめんね!」と説明。

 それを聞いた娘さんは「そうなんだーよかったー」とホッとした表情。

 「『疲れる』と『怒る』は全く別の感情なのに、ごっちゃになっちゃうなんてよくないなぁ……」と、自身の振る舞いを反省したなりたさん。そこでなりたさんが取った行動は……。

 疲れた時にははっきり「疲れたー」と言葉と態度で申告すること。

「疲れている時の感情って、難しいな」3P

 最後のコマには「ママは疲れたよーん」「もーだめ~」「何もできなーい」とゴロゴロしながら子どもらに感情を伝えるなりたさんの姿が描かれています。

 あわせて「ぐーたらでもいい……怒っていると思わせるくらいなら……」というメッセージも。面白おかしく描かれていますが……こうして自己開示することは、育児においてとても大切なことですよね。

■ 育児において無理は絶対に禁物 手放せることは手放す

 この状況、2児の父である筆者にも覚えがあります。疲れているけど、やらなければならないことは山積み。周囲に手助けを求めたくても、それが叶わなかったり、親としてもっとしっかりしないといけない、といった思いにさいなまれ、無理をし過ぎてしまう……といったシチュエーションは、きっと誰にでもあるはず。

 そんな時は、一旦手放してもいいのです。余裕がなくて冷たく対応してしまったり、体調を崩してしまうよりは、一度手を止めてぐーたらしましょう。そうして元気を取り戻したら、また再開すればよいのです。心の平穏を保つことが何より優先。

 なりたさんもこれ以降は、疲れている時は無理して頑張らずに、横になったり休むようにしているそうです。子どもにもダイレクトに伝えることで「ママは疲れている」と理解してくれるようになり、怒ってると誤解されることもなくなったとのこと。

 無理をすることにより、苦しい思いをしたり、体を壊してしまっては元も子もありません。周囲に相談できる人が少なく、負の感情をため込みやすい現代だからこそ、こうした処世術が必要であると言えるのではないでしょうか。

 本作はおよそ1年前、2022年8月に描かれたもの。再掲した作品でありながらも、その内容はさまざまな世代のママパパの共感を呼び1万5千件もの「いいね」が寄せられる大反響となっています。

<記事化協力>
なりたりえさん(@rienarita

(山口弘剛)