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「いい子症候群」の若者たち。人前で褒められるのも嫌がる新人とどう付き合うか

ただの若さゆえの過ち、ではない――。今、周囲の大人から困惑や反感を招く、老害ならぬ[若害]が増えている。現代社会に生まれた新たな害悪の正体、そんな迷惑人材の対処法に迫った!

いい子症候群の若者たち

増殖![若害]の実態『静かに退職する若者たち』などの著書を持つ金沢大学教授の金間大介氏によれば、若者たちは「自分の成長」を求める一方で、周囲から突出することを忌避するのだという。 「ゆとり教育を受けてきたので、横並びが当たり前。一見コミュニケーション力が高く、協調性のあるいい子たちですが、突出した成果を望まず、平均点で落ち着きがちです。結果、常にルールを守る表面上のいい子を演じる『いい子症候群』に陥る若手が増えています。 彼らは、精神的にも安定した世界を愛するので、そのバランスに揺らぎをもたらす存在を嫌います。人前で叱るのはもちろん、褒められるのも『圧』認定です。また、昔は面接でひとつの話題を掘り下げるのが当たり前でしたが、今は3回掘ったら『あの会社めっちゃ圧だった』と評価されてしまう。彼らにとっては『圧=ハラスメント』になるので、上の世代は迂闊な言動を取ることができない。 若者から発せられる“圧害”とでも言えるかもしれません」 あらゆる角度から大切にされてきたがゆえに、一筋縄ではいかない若害化する若者たち。彼らと対峙する上で、必要な心構えはあるのだろうか。 「新規事業立ち上げなど創造からは程遠い存在ですが、平均点を目指すことには貪欲だし、マニュアルがあれば活躍できる。過度な励ましや褒め言葉よりも、自身の行動の結果への因果関係をきちんとフィードバックすることが肝心です」(金間氏) 「若害はダメ」と思考停止に陥るのではなく、自らの行動でその牙城を崩していこう。

親が若害を生み出している?