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献身的な支えを”人殺し”と一喝した67歳俳優の死に際にゾクゾク。存在感を示したニューヒロインから目が離せない|NHK大河「光る君へ」第14回 

NHK大河ドラマ『光る君へ』第14回

NHK大河ドラマ『光る君へ』第14回(以下、同じ)

違う道を歩み始めたまひろと道長だが、どうしても引き寄せられてしまうのは運命……と思ってしまいたくもなる。 が、その運命に逆らわなければならないのがまひろと道長でもある。 ふたりはそれぞれ、迷いの中にいた。 【写真で振り返る『光る君へ』第14回】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

やっぱり好きなのはまひろ……

久しぶりの再会を果たしたまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)。 ばったりと出くわし、見つめ合う2人……これってどんなラブストーリー?というところで前回は終わっていたわけだが、再会を喜んだりもできないし、言葉を交わすこともない。 まひろは倫子(黒木華)の友人で、道長は倫子の夫。ふたりに接点はない、ということになっているのだ。ただすれ違うだけしかできない。 まひろは明らかに動揺しているし、道長も心ここにあらず。倫子に話しかけられても上の空。久しぶりに会えた喜びがあるのか、それともまひろがまだ誰とも結婚していないことに安心したのか……どちらにせよ、道長の表情が豊かになるのはいつだってまひろ絡みなのだ。結局、まひろが一番だと万が一、倫子にバレたらどうなるのだろう……。

さらば、兼家

NHK大河ドラマ『光る君へ』第14回兼家(段田安則)の体は弱っていた。老いがヒタヒタと近づいてきているのが、回を追うごとにその様子がはっきりと現れている。 死期を悟った兼家は道隆(井浦新)、道兼(玉置玲央)、道長を呼び、出家をする、と告げた。そして、自分の跡を道隆に継ぐように、とも。 これに納得できないのは道兼だ。兼家のためにこれまで汚れ仕事をしてきた。今の父があるのは自分のおかげだ、と訴える。が、異議を申し立てる道兼を兼家は一喝。 「人殺しに一族の長が務まると思うのか」 それは、まひろの母を殺めた罪。ここまでは、道兼をなだめるような言葉もたびたびあったが、もはや兼家は何も隠さない。お前の役目は一生汚れ仕事をすることだと吐き捨てる。 振り返ってみると「穢れ」というものを重く見ているのが分かる。一度汚れた手はもう綺麗にはならない、と言われているかのようだ。まひろの母を殺めたあの日に、運命は決まっていたのか。 NHK大河ドラマ『光る君へ』第14回一方で、道長も死に触れることが多い。それも、大事な人の死に。直秀の死から、ひとつの価値観が彼の中で変わったことは間違いない。「穢れ」よりも重視していることがあるのが感じられる。 そして、自分の手は汚さずとも数々の企みによって今の地位に上り詰めた兼家が穏やかな死に際であるはずがない。月を眺める兼家の表情のグラデーションが、彼の人生を辿っているようでゾクゾクとした。
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ググッと存在感を示したのは…
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