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「純すみ系」カップ麺NO.1はどれ? 札幌味噌の名店、マニアが選んだおすすめは...

オサーン

オサーン

2020.04.12 12:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第二十七回 札幌味噌「純すみ系」のカップ麺食べ比べ 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第二十七回目。テレビ番組でご当地麺のナンバーワンにあげられた札幌味噌ラーメンの中でも、特に有名な「純すみ系」の味を再現したカップ麺を食べ比べていきます。

「純すみ系」のカップ麺、左から「彩未」、「すみれ」、「純連」
「純すみ系」のカップ麺、左から「彩未」、「すみれ」、「純連」

純すみ系はカップ麺でも人気

純すみ系とは、「さっぽろ純連」や「すみれ」と、そこから派生した店によるラーメンの総称です。

大量にラードを浮かせた豚骨ベースの濃厚味噌味スープに、生姜や山椒でアクセントをつけ、炒めた野菜の風味が効かせているのが特徴。札幌ラーメンと言えば真っ先に思い浮かぶ味であり、札幌ラーメンの代名詞と言って過言ではありません。

純すみ系はカップ麺としても人気で、2000年にセブンイレブンから登場した「すみれ 札幌濃厚味噌」を皮切りに、多くのカップ麺でその味が再現されてきました。今回はその中でも、現在も発売中の以下の3商品を食べ比べていきます。

・セブンプレミアム 「日清名店仕込み すみれ 札幌濃厚味噌」定価税別278円
・東洋水産 「麺屋彩未 札幌味噌らーめん」定価税別240円
・サンヨー食品 「名店の味 純連 札幌濃厚みそ」定価税別220円

「純すみ系」の名前の元になっている「さっぽろ純連」と「すみれ」に加え、すみれから初めて暖簾分けされた「麺屋彩未」のカップ麺を食べていきます。すみれや純連は札幌でも老舗、彩未は札幌で人気ナンバーワンの呼び声高く、いずれも名店の名に相応しいお店です。

3商品には価格差があるので品質にも違いはありますが、いずれもどんぶり型でノンフライ麺使用の本格カップ麺という共通点があります。

別添袋が多いのはなぜ?

左から、彩未、すみれ、純連の内容物
左から、彩未、すみれ、純連の内容物

札幌ラーメンと言えば黄色い麺が特徴的ですが、今回の3品で最も黄色いのはすみれ、ついで純連、彩未の順。彩未の麺も十分に黄色いのですが、比べてしまうと白っぽく見えます。

別添の袋は、すみれが3つ、彩未と純連は4つ入っていて、重厚なスープや手厚い具が推測できます。札幌味噌ラーメンの場合、味噌やラードが入るため液体スープが必須であり、さらに豚骨のベースに粉末スープも使われます。そのため、どうしても別添袋の数が多くなる傾向があります。

左から彩未、すみれ、純連 姿は三者三様
左から彩未、すみれ、純連 姿は三者三様

三者三様のスープ

純すみ系のスープの特徴は、豚骨ベースの濃厚な味噌味で、スープ表面にラードを浮かせるともに、山椒や生姜でアクセントをつけています。もやしなど炒め野菜の香ばしさもあります。

実際のお店で食べたあくまで個人的なイメージですが、味噌味の濃厚さでは、

純連>すみれ>彩未

ラードの多さでは、

すみれ>純連>彩未

山椒や生姜の華やかさでは、

彩未>>すみれ>純連

というイメージをもっています。端的に言えば、すみれと純連はハード系、彩未はマイルド系です。

左から、彩未、すみれ、純連のスープ
左から、彩未、すみれ、純連のスープ

今回の3商品のスープの中では、すみれが最も濃い色をしています。味もすみれが最も濃厚で、ベースのとんこつがかなり重厚、味噌味が濃く、油の量も多め。3品で最も定価が高いだけあって、厚みのあるスープです。

純連は、赤味噌の濃い味と、もやしなど炒め野菜の風味がついた大量の油脂が特徴。香ばしさに重点が置かれています。すみれと比べると重厚さでは見劣りしますが、油のこってり感と香ばしさで純連らしさを演出できています。

一方で彩未は、味噌の濃厚さや油量に迫力はありませんが、白味噌主体のまろやかな味で、生姜が強く香ります。やや軽すぎの感はあるものの、今回の3品の中ではお店の雰囲気を最も強く感じられました。

お店の麺の再現性は?

札幌ラーメンの麺といえば、黄色くて縮れの強い多加水麺が特徴です。太さは中太から太麺。多加水麺らしい弾力と、熟成することによるしっとり感が特徴です。

以前は3店とも「森住製麺」というメーカーの麺を使用していましたが、現在は純連と彩未が森住製麺製、すみれが西山製麺製の麺を使用しています。どちらも札幌ラーメンの特徴を踏まえていますが、森住製麺製の方が弾力が強いです。

左から、彩未、すみれ、純連の麺
左から、彩未、すみれ、純連の麺

最も太いのはすみれの麺ですが、やや幅広形状で、お店の丸麺とはだいぶ食感が違います。麺量が最も多いのですが、麺量の割にスープが少なく、やや麺が目立ち過ぎな感がありました。

純連の麺は、弾力強めの多加水麺食感をよく再現できていますが、お店より弾力が強調されすぎている印象。対して彩未は、中細麺で細すぎで弾力が足りませんが、熟成麺らしいしっとり感は良く再現できていました。

純連と彩未の麺を合わせると、札幌ラーメンのイメージに近くなるのではないかと思います。

麺も三種三用で、実際のお店以上に明白な違いが見られました。彩未と純連はそれなりにお店の雰囲気を再現できていました。

具はどれも同じような構成だが...

純すみ系ラーメンには、チャーシューやねぎ、メンマなどの他に、挽肉をもやしや玉ねぎと一緒に炒められたものが入っていることが多く、これが良い風味に繋がっています。

上がすみれ、左下が彩未、右下が純連
上がすみれ、左下が彩未、右下が純連

今回の3品を見ると、いずれももやしは入っておらず、玉ねぎが入っているのはすみれのみ。すみれは挽肉やメンマ、ねぎも量が多いのが特徴です。

彩未は、1枚チャーシューと挽肉の両方の肉が入っていて、お店の形に近いのが特徴。全体的なボリュームではすみれに劣るものの、価格差を考えるとかなりよく頑張っている印象です。

純連の具は残念ながら3品でいちばん物足りないですが、最も安価で買える商品と考えると悪くはありません。もやしや玉ねぎは入っていませんが、スープに炒め野菜の風味をつけることで補っていました。

価格とのバランスを考えると彩未が素晴らしい

重厚なスープの味わいや具の充実度で考えれば、すみれがカップ麺として最も完成度が高いですが、他の2品より高価格設定なのと、お店の再現性はそれほど高くないところが気になります。

彩未はスープや麺でお店の再現性が高く、具もそれなりに充実。すみれと価格差が40円近くあることを考えると、今回で最もおすすめしたい商品でした。純連は最も安価ですが、スープの炒め風味の香ばしさや多加水麺の食感には目を見張るものがあり、実力差は価格差ほど大きくありません。

ひとえに札幌ラーメン、純すみ系ラーメンと言っても、カップ麺の味は千差万別。今回の3商品含め、いろいろ食べ比べてみると面白いのではないでしょうか。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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