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話題のドラマが描く“男の生きづらさ”にハッとした。バカのフリから抜けられず、“素”を出したら「終わる」

 ここ最近、女性の生きづらさを描いたドラマが目立つ。そんな流れの中、10月から放送しているドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系、日曜よる10時30分~)は、女性だけではなく男性の生きづらさにも踏み込んでおり、様々な葛藤に触れることができる。
『セクシー田中さん』

画像:日本テレビ『セクシー田中さん』公式サイトより

 昼間は経理部のOLとして働き、夜はSali(サリ)という名前でベリーダンサーとしてステージに立っている、根暗で友達も恋人もいないアラフォー女性・田中京子(木南晴夏)が主人公の本作。京子の人柄やダンスによって周囲の人達の心境が徐々に変わっていき、京子も自身の弱さや悩みと向き合いながら成長していくラブコメドラマである。

“愛され系のモテOL”が漏らす本音の重み

 京子の同僚であり、京子のダンスに魅了されて自身もベリーダンスを始めた“愛され系の派遣OL”倉橋朱里(生見愛瑠)の言葉には、とにかく重みがある。  第2話で朱里は京子に対して「男の人が私をチヤホヤするのは、私が若くて適度にバカそうで、ちょっと頑張ればすぐに手に入りそうな、ちょうどいい存在だから」と自虐。そして7話では「私、甘い言葉なんかいらないんです。いや、全くいらないって言ったら嘘になるけど」「適当なスキンシップとか駆け引きとか、そういう表面的なもの、いらない」「もっとこう、それ以前に人として……」と京子に泣きながら話していた。

若くて軽そうだから言い寄られる

 朱里は見た目が良く、23歳と若いため、男性から言い寄られることが多い。ただ、それは“若い”や“軽そう”という表面的な要因を見ているだけで、“朱里”という人間をしっかり見てくれる人がほぼ現れなかったことを意味する。
 とはいえ多くの男性に言い寄られたりチヤホヤされたりすることは、周囲から見れば羨ましいだけであり、誰かに愚痴っても“不幸自慢”と捉えられかねない。男性に軽く扱われることに加えて、この葛藤を吐き出せずに胸に秘めていたことにひどく苦しんでいた印象。  若くて、可愛くて、“バカそう”に振る舞う人は、それだけで「悩みがなさそう」とレッテルを貼られやすい。ただ、それは偏見でしかなく、表面的な要素からその人の心情を勝手に察しないように気を付けたいと思わされる。
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女性の扱いに慣れた“チャラ男”が抱える悩み
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