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朝ドラ『虎に翼』伊藤沙莉はヒロインらしくない?“不満顔”が人を惹きつけまくる理由

4月1日から伊藤沙莉主演のNHK連続テレビ小説『虎に翼』の放送がスタート。第1週目「女賢しくて牛売り損なう?」から話題を集めています。
『連続テレビ小説 虎に翼 Part1 (1) (NHKドラマ・ガイド) 』

『連続テレビ小説 虎に翼 Part1 (1) (NHKドラマ・ガイド) 』NHK出版

本作は、日本初の女性弁護士である三淵嘉子氏をモデルにした主人公・猪爪寅子(いのつめともこ)、通称トラコの物語。36年に一度の周期で訪れる1914年「五黄(ごおう)の寅年」に生まれ、自らの道を切り拓くために法律を学び、激動の昭和を生き抜くヒロインを、伊藤が演じています。

朝ドラには珍しい展開とヒロイン像

第1話の冒頭には昭和21年に公布された日本国憲法の第14条「すべて国民は、法の下に平等であって(以下略)」が読み上げられ、そこには強く確固たる意志を瞳に宿したヒロイン・伊藤の姿がありました。その後、朝ドラの定石ともいえる子役時代はなく、伊藤が演じる女学生時代からスタート。 「女の人の幸せは結婚って決めつけられるのが、どうしても納得できない」と語り、当時はそうあることが女の幸せと信じられていた常識に「はて?」と疑問をもつ。第1週の昭和6年時点においても、朝ドラにおいても、週タイトル「女賢しくて牛売り損なう?」にもある通り、少し珍しいヒロイン像です。

ヒロインらしくないのに、好感度が高すぎる伊藤沙莉

誤解を恐れずにいうと、伊藤は決して“華”のある役者ではありません。しかし、私たちは伊藤から目を離すことができないのです。その理由は伊藤がもつ圧倒的な“好感度”にあると思います。ヒロインを務めるほどの女優には、多少なりとも“アンチ”がいるものです。しかし、彼女を嫌いという人に筆者は会ったことがありません。 子役時代から、実に幅広い役柄を演じてきた伊藤ですが、どんなに憎たらしい役であっても観る者に嫌悪感を抱かせない。妙妙たる匙加減で、一つひとつの役柄を魅力的なキャラクターに昇華させています。第1週目の寅子では不服そうな表情が多く見られましたが、その彼女の不満顔には“共感”しかないのです
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「分かるわぁ~」共感されるリアリティが伊藤の武器
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