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「月収100万円超の同僚も多い」32歳タクシー運転手は半年足らずで月給60万円に。家賃21万円の4LDKに引っ越し予定

日経平均が一時4万円の大台を突破し、世間は色めきたっているが、賃上げは一部の大企業に限られ、いまだ道半ばだ。ただ思いもよらない理由で、すでに好景気に沸いている業界もある。どんな仕事の給料が爆上げしているのか? 働く人々の暮らしぶりに迫った!

タクシー運転手の月給はアプリを追い風に倍増

賃上げバブル職業案内

勤務中の石崎真さん(仮名・32歳)。都心3区には外国人観光客が多く、当日も東京駅―成田空港間を走らせたばかりだった

日本版ライドシェア解禁を4月に控え、タクシー業界に空前のバブルが到来している。 「入社間もないですが、100万円超の月収を手にする同僚も多く、驚きました」 こう語るのは、昨年10月に東京のタクシー会社へ転職した石崎真さん(仮名・32歳)。 「前職の保険営業では、完全歩合制で月給は16万円ほど。3人目の子どもを授かり、さすがに将来不安を感じて、知人の勧めでタクシー運転手を始めました。未経験で心配でしたが、いざ仕事をすると昼は外国人観光客、夜は終電を逃した酔客で常に忙しい。配車アプリの予約がひっきりなしに鳴るので、一日の売り上げが10万円を超える日も珍しくない。今は60万円前後の月給を安定的に得ています」 実は、石崎さんの転職は好機を捉えたものだったという。 「2、3歳上の先輩からは、『コロナの収束の兆しがようやく見え始めた1年前は、月に35万円稼げたら御の字だったのに、お前は本当にいいタイミングで入ってきたな』とボヤかれます(笑)」

1年前平均月給の2倍

石崎さんの月給額は、1年前平均月給の2倍近い。それだけではない。高齢化とコロナ禍で大量に引退したドライバーの穴を埋めるべく、タクシー会社は大盤振る舞いで人材確保にシノギを削っている。 「完全未経験者にも優しく、二種免許を取得するまで日収1万円を保証してくれる上、15万~30万円の入社祝い金を出す会社も少なくない」 懐の潤いを真っ先に還元したいのは、何より家族という。 「長女がもう小学生になるので、4LDKで家賃21万円の広い賃貸に引っ越す予定です。週休が4日もあるので、幼い子どもの面倒も見られる。今までギリギリの生活を強いてきた妻に、少しでもラクさせてあげたいですね」 賃上げで家族も円満だ。

石崎真さん(仮名)のBEFORE⇒AFTER

●月給32万円 ※1年前はコロナ禍で売り上げが激減し、運転手の収入も低迷していた ↓ ●月給60万1000円(88%UP!) 基本給完全歩合制 職能給ナシ 残業手当ナシ 出勤日数12日
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運転手の時間外労働制限が賃上げを呼ぶ
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