\受験生の今、リアタイ調査2020/知れば発見!“9つの構え”で入試直前期のモヤッを解消!

受験勉強もいよいよ佳境に。

ここから何を頑張れば?どれくらい勉強すべき?併願校はこれでよいかな?など、つい考えてしまうことってあるよね。

まわりのみんながどうしているのか気になるけど、ちょっと聞きにくい…なんて、モヤッとした気持ちを抱えている人も多いのでは?

そこで、編集部では受験生221人に、今の勉強の進み具合や素直な気持ちについて、アンケート調査を実施!

さらに、今日から入試までの期間、どう過ごすのがよいのか“9つの構え”を紹介するよ。

アドバイスをくれるのは、カンザキメソッド代表の神﨑史彦先生。

スタディサプリで受験生と伴走している大学生コーチからのコメントも、ぜひ参考にしてみてね!
今回アドバイスをくれるのは
神﨑史彦先生

株式会社カンザキメソッド 代表取締役。

総合型・学校推薦型選抜専門塾・カンザキメソッドの運営をはじめ、私立高校内の推薦入試対策講座講師、大学・高校などでの小論文・キャリアデザインスキルについての講義・講演など、教育現場の第一線で活躍中。

『ゼロから1カ月で受かる 大学入試 小論文のルールブック』(KADOKAWA)、『小論文の完全ネタ本』(文英堂)など、これまで刊行した参考書は20冊。

指導した学生は10万人以上。

2020年からは、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科でも学んでいる。

勉強時間のホントのところ



これから入試まで、どれくらい勉強するといい?足りない時間はどう補えば?

みんなの声と、神﨑先生からのアドバイスを紹介するよ!
 

直前期の目標は「平日4時間以上」「休日8時間以上」が約7割

受験生221人に聞いた、入試直前期(12月〜2月)に目標とする1日の勉強時間。

平日で最も多かったのは「4時間以上6時間未満」で33%。

それ以上の時間を目標としている人と合わせると、79%が4時間以上を目標にしていたよ。

一方、休日で最も多かったのは、「10時間以上12時間未満」で27%。

約半数の48%が10時間以上を、68%の人が8時間以上を目標にしていたよ。

実際には何時間くらい必要なのか、神﨑先生のアドバイスを見てみよう!
「1日に何時間勉強すべきかは、やるべき勉強の量などによるのでいちがいには言えませんが、直前期は、学校の授業以外は入試対策に費やすくらいの意気込みをもてると良いですね。くらいの意気込みをもてると良いですね。

1日24時間のうち、睡眠、食事、入浴、トイレ、休息以外の時間はできる限り勉強にあてましょう。

とはいえ、長時間勉強を続けていると集中が切れたり、やる気が上下したりするもの。

例えば、集中できる朝に集中力が必要な問題演習に取り組み、集中が切れてくる夜はその日の振り返りや復習をするなど、脳の動きや一日の中で集中できる時間・できない時間を自覚してやるべきことを割り振るのがおすすめです」(神﨑先生)
入試までにやるべきことを洗い出したら、短時間の勉強では足りないことがわかりそう。

やるべきことを月単位、週単位、一日単位に落とし込んで、ほどよく休息を入れながら一日一日進めていくと良さそうだね!
 

時間が足りないときは「やるべきことを見直す」

十分な勉強時間を確保することが必要だとわかっていながらも、集中力が続かない、計画どおりにいかないなどの声が多いのも事実。

そんな人のために、集中力が続かなかったり、思うように時間がとれなかったりして十分な勉強ができないときの対処法を聞いてみたよ。

まずは、受験生のみんながしていることを紹介。
【REAL VOICE】

「今日必ず行わなければいけないことをリストアップし、優先順位をつけ、余裕をもった計画を立てる」(ちゃこ・国公立文系志望・福岡県)

「英単語や古文単語などはまとまった時間ではなく隙間時間にコツコツとやる」(董思成・私立文系志望・東京都)

「夜はだらだらしてしまうから、早く寝て早く起きて静かな時間に勉強する。
ごはんを食べながら解説動画を見たりする」(るん・私立理系志望・福岡県)

「家でできないなら図書館でする、図書館で周りの音が気になるなら教室でする、というように、集中できる場所をみつけて変えていく」(ミミ・国公立理系志望・福岡県)

「学習量を数日だけ減らしてみる。無理をして身体を壊してはいけないので」(yumi ・国公立理系志望・大阪府)

「スマホをどうしても触ってしまうので、勉強のアプリを入れてやるようにする。
どうしても眠いときは潔く寝る」(山根・国公立理系志望・愛知県)

「スマホを親に預ける」(ひーしゃん・私立文系志望・石川県)
時間をひねり出す、やるべきことを整理する、集中を妨げるものを遠ざけるなど、状況によって対処のしかたはさまざまなよう。

スタサプコーチが受験生のときは、どう対処していたかも聞いてみたから、参考にしてみて!
 
「自分も集中力が続くほうではなかったので、1時間に1回勉強する科目を変え、その都度時間を決めて休憩を取っていました。

環境を変えるのもおすすめです。 自分は自習室に行くことで、周りの受験生が頑張っている姿を励みにしていました。

自習室なら、自分に甘えて休憩を多く取ってしまうことも少なくなるはずです。」(うっくんコーチ)
集中力を継続させるためには、勉強に集中しやすい環境づくりも大切なようだね。

神﨑先生のアドバイスも見てみよう!
「対処法は、勉強時間が思うようにとれないと感じる要因ごとに考えましょう。

例えば、塾や予備校の課題が多い、学校の補習に時間を割かれるなど、やるべきことが多すぎる場合、合格に向けて本当に必要なものとそうでないものを整理し直して、優先順位の低いものはやらない判断をすることが必要です。

やる気が出ない場合は、『やる気が出ないからやらない』ではなく『やる気が出なくても始める』のがおすすめ。いわば、『即やる作戦』です。

なぜなら、やる気は、始めないと出てこないものだから。やる気が出ないと悩む前に始めましょう。

ポイントは、5〜10分程度で終わるものや、気楽に始められるものから手をつけること。

例えば、前日の復習や、日本史のマンガを読むことから始めて、そこからやる気が出てきたら、暗記や問題演習など、ちょっと重いものに着手するとよいでしょう。

ついスマホを見てしまうのをやめられない場合は、スマホからアプリを削除するなど、思い切ってSNS断ちをするしかありません」

受験勉強のホントのところ



これからの勉強はどんなふうに進めるといいんだろう?

みんなの科目別学習法や共通テスト対策、過去問演習の進め方と、神﨑先生からのアドバイスを紹介するよ!
 

文系志望は英語、理系志望は数学・理科を頑張る人が多い

文系志望者で最も多かったのは、「英語」で60%、次に、「歴史」(18%)、「国語」(13%)が続く結果に。

各科目、どんなふうに勉強を進めるか聞いてみたよ。
【REAL VOICE】英語

「長文読解を朝のルーティンにする」(みなみ・私立文系志望・茨城県)

「毎日10分くらいの英語を聞いて、リスニングに力を入れたい」(ちせ・国公立文系志望・岐阜県)

「単語力をつける。文を読んでいてわからない単語が出てくれば自家製の単語帳に書き、オレンジペンで意味をかく。
単語は、イメージや動作をつけて覚える。また、その単語を使って文章を作ってみる」(めえ・私立文系志望・千葉県)

「英語がとても苦手なので、いきなり勉強するのではなく、英文を読んだり聴いたりして頭の中の言語を英語にしてから勉強する」(はお・国公立文系志望・静岡県)
【REAL VOICE】地歴・公民

「基本的な知識を頭に入れるため、一問一答を何周かする。その後に、個別試験対策として論述問題を解く」(こっとん・国公立文系志望・神奈川県)

「今までは割と縦の歴史を重視していたので、横のつながりを意識する。また、年号の記憶があいまいなところを詰め直す。
さらに、過去問を解いて傾向を分析しつつ対策していく」(おもち・国公立文系志望・神奈川県)
【REAL VOICE】国語

「選択式の問題の正答率が悪いので、根拠をもって選択肢を消していけるようにする」(春秋・私立文系志望・神奈川県)

「記述式の問題から逃げずに1日1問は読解問題を解く」(みさ・国公立文系志望・岡山県)
理系志望者は「物理」「化学」「生物」を合わせた理科が最多で38%、次に、「数学Ⅰ・A」「数学Ⅱ・B」を合わせた数学が32%、英語が24%と続いた。

それぞれ、どんなふうに勉強を進めるか聞いてみたよ。
【REAL VOICE】理科

「まずは共通テストで点数を取れないと元も子もないので、センター物理の過去問を中心に毎日大問1問分は必ず問題演習をする」(ミミ・国公立理系志望・福岡県)

「物理は一つ一つの単元を詳しく見直してあらゆる考え方を身につける」(SUN・私立理系志望・大阪府)

「化学は、苦手分野対策に力を入れつつ、第一志望校の傾向を把握して対策を練って取り組む」(みみ・私立理系志望・兵庫県)

「化学の計算分野や有機は、一つひとつ解法を押さえ、覚えていく。無機などの暗記分野は少しずつ反復しながら押さえ、直前にスパートをかける」(ばし・国公立理系志望・長崎県)
【REAL VOICE】数学

「苦手な単元の問題を繰り返し解いて克服する」(ペンギン・国公立理系志望・兵庫県)

「今までやってきた模試のわからなかったところを復習して、チャート式などで演習をこなしていく」(り・私立理系志望・青森県)

「問題を解くときに、減点されないような書き方を意識する」(カカ・国公立理系志望・石川県)
【REAL VOICE】英語

「リスニング慣れとして英語教育のラジオを聞く」(琥珀酸・国公立理系志望・千葉県)

「文法のおさらい。単語の確認。長文は毎日1題解く」(ぱせり・国公立理系志望・東京都)
基礎や苦手分野を固めることを重視しつつ、共通テストや個別試験、一般選抜を見据えて実践的な問題にも取り組むという人が多いよう。

スタサプコーチにも、これからの学習法についてアドバイスをもらったよ。
 
「問題演習をするときは、時間を計ることをおすすめします。

入試は、時間制限があるもの。時間を区切らずにダラダラと解いていてばかりではなかなか対応できないので、徐々に時間を意識して演習を進めましょう」(うっくんコーチ)
時間制限を設けることで、本番での得点力を鍛える練習にもなりそうだね。

神﨑先生にも、これからの勉強法を教えてもらったよ。
「私の見解では、一般選抜での合格を目指す場合のひとつの目安は、総得点が総点のおおよそ7割を超えること、また、共通テストではそれ以上の得点が求められる大学があります。

従って、苦手科目を極端に苦手なままにしておくのは危険。底上げが必要です。

底上げのしかたは、自分の思考のクセが、『暗記が得意』『筋道を立てて考えたり説明したりするのが得意』のどちらにあてはまるかを考え、得意なほうから伸ばすことをおすすめします。

例えば、前者の場合、多肢選択問題や穴埋め問題、一問一答形式の問題などで得点することを目指して、暗記で対応できる知識、例えば英語なら、文法、構文、熟語の勉強に力を入れて、『英語は苦手だけど暗記系の問題は得点できる』という状態にします。

また、後者の場合、いかにして記述式の問題で得点するか戦略を練りましょう。

『苦手科目だけど記述問題は得点できる』という状態を目指すのです。

とはいえ、国公立志望で嫌でも個別試験で記述問題を解かないといけない人もいると思います。その場合、頑張って対策するほかありません。

記述式の問題集を1冊解いて問題に慣れたり、足りない知識を確認したりするだけでもだいぶ違うので、トライしてみてください」(神﨑先生)

共通テスト対策は、「予想問題集を解く」が1位

大学入学共通テスト対策としてやっていること・やろうとしていることは、69%が「予想問題集を解く」と回答。

「センター試験の過去問を解く」という人も62%に上った。

次に続いたのが、「試行調査を解く」(33%)、「英語のリスニング対策」(21%)、「読解力を鍛える」(10%)だったよ。

「英語のリスニング対策」「読解力を鍛える」を選んだ人には具体的な方法を教えてもらったので紹介するよ。
【REAL VOICE】英語リスニング対策

「何も見ずに音声を聞いたあと、スクリプトを見ながら音声を聞き、自分で読む練習もする」(ふゆくん・国公立大文系志望・東京都)

「リスニングアプリを聴いて耳を慣らす」(おん・私大文系志望・東京都)

「サイトトランスレーション(英文を意味のかたまりごとに区切り、前から訳していくトレーニング)をする」(yumi・私大文系志望・大阪府)
【REAL VOICE】読解力の鍛え方

「英語構文を確認する」(りんご・国公立大文系志望・兵庫県)

「英語、国語の長文を毎日1回は読んで、速読力を身につける」(Rin・国公立大文系志望・北海道)
今年度が初めての実施となる共通テスト。

実際のところ、どのように対策するのがおすすめか、神﨑先生にアドバイスをもらったよ。
「そもそも過去問や予想問題集は、これまでの出題分野・単元、問題形式の傾向を把握し、『こういう傾向があるなら、次も出るだろう』という推測をするための素材。

問題演習のための教材というよりも、『何が出るかを把握して力をつけるためのもの』と考えましょう。

従って、初年度である共通テストの対策としては、まずは予想問題集を解き、共通テストから新たに取り入れられる『思考力・判断力・表現力を問う問題』がどのようなものか、予想される出題分野はどこかなどを把握しましょう。

そして、それらの特徴や出題分野に対して足りない知識や伸ばすべき力を分析し、必要な対策を進めることをおすすめします。

対策方法の一つとして、予想問題集で解けない単元や分野があったときに、センター過去問にも同様の単元や分野が出題されていれば学習成果の確認のために解いてみる、という形でセンター過去問を活用することもできると思います」(神﨑先生)

第一志望の過去問は5年分以上解く人が4割超

第一志望の過去問を何年分解くかという質問の答えで最も多かったのは「3〜4年分」で33%。

さらに、「5~6年分」「7〜8年分」「9〜10年分」を合わせると、5年分以上という人が43%に上ったよ。

一方、第二志望以下の過去問は、「1〜2年分」「3〜4年分」がぞれぞれ30%という結果に。

スタサプコーチにも、受験生時代に何年分解いたか聞いてみた。
「第一志望は15年分、第二志望は5年分ほど解きました。

時間を決めずにじっくり解くときと、時間を計ってスピードを意識して解くときに分けて練習しました」(うっくんコーチ)
ただ解くだけでなく、時間を意識して解くことも大事なんだね。

では、実際のところ、過去問は何年分解くのがおすすめなのか、過去問の活用法と合わせて神﨑先生に聞いてみたよ!
「過去問を解く目的は2つあります。

1つめは、出題傾向の把握。

過去10年分くらいの問題から、どのような分野・単元の問題が出るのか、また、よく出る分野・単元のうち、何が苦手・得意なのかを把握する
のです。

そのうえで、問題演習も含めた必要な対策をとっていきます。

したがって、この場合は必ずしも解く必要はなく、出題傾向の解説文があればそれを読んで把握するのでも構いません。

2つめは、問題の形式に慣れるため。

大きな傾向の変化がなければ、毎年似た形式の問題が出題されるので、その形式に慣れるために解く、という使い方です。

この場合、直近の年度から『問題形式に慣れるまで』さかのぼって解いていくとよいでしょう。

解くときは、正答率や得点に一喜一憂して終わっていては力がつきません。

答え合わせをしたあとに、どの問題や分野、単元が苦手なのか、得点できない要因は何かを分析し、普段使っている参考書や問題集に戻り、基礎が定着しているか、応用問題がちゃんと解けるようになっているかを確認するまでが1セットです。

この点で、過去問をたくさん解けば、知識や応用力のつき具合を確認する機会をたくさんとれるので力になりやすいとは思います」(神﨑先生)

志望校選びのホントのところ


併願校の選び方や、模試の判定状況・結果の受け止め方は、みんなどうしているんだろう?

神﨑先生からのアドバイスと合わせて紹介するよ!
 

国公立志望者の半数が1~2校、私立志望者の半数が1~3校を併願予定


国公立志望者で最も多かったのは「2校」で27%、次に「1校」(21%)が続き、半数近い48%が1校ないし2校を併願予定だったよ。

私立志望者も、最も多かったのは「2校」で24%、次に「1校」(15%)、「3校」(14%)が続き、3校以内を併願する人が53%と約半数を占めた。

なお、「併願校は受けない」と回答した人の中には、指定校推薦受験予定の人や内部進学予定の人が含まれている。

併願校をどのようにして決めたのか、みんなの声を紹介するよ。
【REAL VOICE】

「第一志望校で学びたいと思ったことに近いことが学べる学校を選んだ」(ばし・国公立理系志望・長崎県・併願校2校受験予定)

「第一希望校の受験日や合格発表日に被らず、かつ、自分の夢をかなえるために必要なシステムや授業がある大学」(ちー・私立文系志望・東京都・併願校2校受験予定)

「第一志望の国公立は前期試験しかないので、第二志望として後期試験のある国公立を選んだ。
第三志望以降の私大は、共通テスト利用で受けられて、かつ、第一志望と学力が近いところを選んだ」(S・国公立文系志望・東京都・併願校3校受験予定)

「なるべく評価が分かれるように、興味のあるさまざまな偏差値の大学を模試で書いて、その判定を見て決めた」(おもち・国公立文系志望・神奈川県・併願校3校受験予定)

「第一志望校と同じくらいの偏差値の大学、少し下の偏差値の大学、今の時点でも絶対に合格できる大学と分けて、それぞれ一校ずつくらい考えている」(あお・国公立文系志望・新潟県・併願校4校受験予定)
学びたいこと、偏差値、日程、科目など、考慮したい要素の中から何を優先するか、それぞれの考えが見えるね。

神﨑先生にもアドバイスをもらったよ。
「私がすすめているのは、『自分の偏差値を基準に、ひし形の形で受験校を決める』という方法です。

どういうことかというと、例えば自分の偏差値が55なら、偏差値55の大学・学部を実力相応校として2校、+5の偏差値60の大学・学部をチャレンジ校として1校、−5の偏差値50の大学を安全校として1校、計4校を受験校とするわけです。

偏差値順に上からチャレンジ校、実力相応校、安全校を並べて、線で結ぶとひし形になりますよね。

このバランスを変えずに、必要に応じて受験校数を増減させると、どの大学にも受からないということは避けられると思います。

例えば、あと3校受ける余裕があるなら、偏差値55の大学・学部を3校、偏差値60の大学・学部を2校(または、偏差値60と65の大学・学部を1校ずつ)、偏差値50の大学・学部を2校(または、偏差値50と45の大学・学部を1校ずつ)とするなど。

ただし、いずれの場合も、合否は偏差値だけで決まるのではなく、受験倍率や問題との相性なども影響するので、候補になりうる大学・学部の過去問や過去の受験倍率なども調べておきましょう」(神﨑先生)

第一志望校の9月時点での模試の判定は、C判定以上が47%、D・E判定が42%

9月調査時点での、最近の第一志望の模試の判定を尋ねたところ、最も多かったのは「E判定」で25%、次に、「C判定」(19%)、「D判定」(17%)、「B判定」(16%)が続いた。

D判定とE判定の人を合わせると42%。これからの追い込みに期待したい結果だ。
 

第一志望校に受かる自信は「50%以下」が7割

9月調査時点での、第一志望校に受かる自信をパーセンテージで尋ねたところ、最も多かったのは「50%程度 自信と不安が半々」で36%。

次に、「40〜20%程度 あまり自信がない」(29%)などが続いた。

50%以下という人が71%と、こちらもこれからの追い込みに期待したい。

ここでは、自信の度合いについて、みんなに理由を聞いてみたので紹介するよ。
【REAL VOICE】90%以上/80%〜60%程度

「模試はE判定だったものの、最近の個別試験演習やセンター演習で結果を出せているから」(ゆりぽん・国公立理系志望・山形県)

「まだ勉強に割ける時間はたくさんあるし、教科書の全範囲の履修も終わっていないので伸び代はあると思うから」(ミミ・国公立理系志望・福岡県)

「この大学に行きたいと思う気持ちが強いから」(あい・私立文系志望・神奈川県)
【REAL VOICE】50%程度

「もし共通テストで失敗したとしても、もしかしたら個別試験で挽回できるかもしれないから」(はお・国公立文系志望・静岡県)

「判定が良くないのと、問題によってできる・できないの差が激しく、安定していないから」(みなみ・私立文系志望・茨城県)

「勉強すれば受かるとは思っているけれど、同じ志望の人はもっとたくさん勉強しているのだろうなと考えると、かなわないかもしれないと思ってしまう」(S・国公立文系志望・東京都)
【REAL VOICE】40〜20%程度/10%以下

「共通テストでは得意科目であっても、志望校の入試では主に記述が要されて思うように得点できていないから」(おもち・国公立文系志望・神奈川県)

「偏差値を残り3カ月で15上げる必要があるため」(にぼし・国公立文系志望・鹿児島県)

「今の時点でC判定にも届いていないし、これ以上どうやって勉強すればよいのかわからないから」(あおい・国公立文系志望・長野県)
模試の結果や問題を解いて得られる手応えによっては、不安にかられてしまうのは当然のこと。

でも、まだまだ伸びる時間はあるので、あきらめずに勉強を続けよう。

スタサプコーチには、模試の判定が良くなかったときにどんなふうにして気持ちを切り替えたか聞いてみたよ。
 
「模試の順位や判定は、所詮本番とは問題形式が異なるなかでのもの。

過去問をやり込んで志望校の入試問題のスペシャリストになることのほうが大事だと自分に言い聞かせていました。

今でもその考え方は間違っていなかったと思います」(うっくんコーチ)
判定よりも、できていないところの対策を進めることが大事なんだね。

模試の結果をどのように受け止めるといいのか、神﨑先生からもアドバイスをもらったよ。
模試の判定は、入試本番の結果を正確に予測したものであるとは限りません。

なぜなら、未履修範囲の問題が出題されれば判定と実力には乖離が生じますし、予備校主催の模試の場合、その予備校のカリキュラムに沿った問題が作られるため外部の生徒に不利になる場合もあります。

また、模試によって受験者の学力分布が異なる場合もあるので、判定=正確な合格可能性とは限らないのです。

従って、『判定が低いから自分はダメだ』と思う必要はないのです。

重要なのは、単元や分野、領域ごとの得点率を確認して、できていないところを伸ばしていくこと。

判定に左右されず、できている単元・分野とできていない単元・分野を分析し、対策を続けることで、D判定やE判定でも挽回できる可能性は高まります」(神﨑先生)

今の気持ちのホントのところ


新型コロナウイルス感染症の流行などにより、先の見えない不安を覚えた人もいたと思う。

感染症流行の影響や、今の気持ち、モチベーション維持法などについて、みんなの声と神﨑先生からのアドバイスを聞いたよ!
 

約半数が、新型コロナウイルス感染症の影響を「受けた」

新型コロナウイルス感染症の流行が志望校選択や受験勉強、メンタル面に影響を与えたかどうかを尋ねたところ、52%が「はい」と、48%が「いいえ」と回答していた。

どんなふうに影響を受けたのか、あるいは、受けなかったのかみんなに聞いてみた。
【REAL VOICE】影響を受けた

「自粛中どうしても思いどおりに勉強できない日があった」(るん・私立理系志望・神奈川県)

「オープンキャンパスを通して併願校を決定するつもりだったができなかった」(Y・私立文系志望・埼玉県)

「留学するつもりで第一志望校を決めていたが、新型コロナウイルスの影響で留学できなくなったため、現在の第一志望校に変更した」(ねね・私立文系志望・愛知県)

「高3になった自覚のないままいつの間にか夏になっていて、気持ちの切り替えのタイミングにするつもりだった部活引退や学校祭もなあなあになり、切り替えができなかった」(りりり・国公立文系志望・北海道)
【REAL VOICE】影響を受けていない

「コロナによって長めの春休みのようになり、思う存分勉強できた気がするから」(おもち・国公立文系志望・神奈川県)

「全員が同じ状況であるため、焦りすぎても意味がないと考えている」(吹っ切れたなすび・国公立理系志望・和歌山県)

「コロナが流行しようが、ただ、淡々と自分のできることをこなすだけだから」(FランF判太郎・国公立理系志望・東京都)

45%が不安・ストレスを感じている

元気度や心の健康度を尋ねたところ、「とても元気」「まあまあ元気」という人は40%、「普通くらい」は15%、「時々不安やストレスを感じる」「常に不安やストレスを感じる」という人は45%という結果に。

なぜそう感じたのか、理由を聞いたよ。
【REAL VOICE】不安やストレスを感じる

「周りがどんどん伸びているのに対して、自分はそこまで伸びていないし、周りよりも受験する科目が圧倒的に多いので心配」(みみみ・国公立文系志望・千葉県)

「周りの人は指定校推薦でほぼ進学先が決まっていて、クラスで大学が決まっていない人が少ないから。
クラスの雰囲気が受験モードでなく、それに流される不安もある」(ぬん・私立文系志望・大阪府)

「周りの人と自分とをどうしても比較してしまい、自分の無力さを感じる。
第一志望に絶対受かる!という目標を掲げてなんとかモチベーションを維持しようとしているが、やはり不安」(とうふ・国公立文系志望・千葉県)
【REAL VOICE】普通くらい

「焦りは少ないけれど、やる気が出ない」(あおい・私立文系志望・広島県)

「判定は良くないけどやることはわかっているので、最後まであきらめずに勉強しようという気持ち」(なお・私立文系志望・栃木県)
【REAL VOICE】とても元気、まあまあ元気

「不安と焦りがあるが、それはどの高3生も感じていることだし、気にしすぎるとかえって不安をあおることになるのであまり気にしないようにしている。
また、模試の結果で一喜一憂しないようにもしているため、あまり精神的ダメージは少ない。とにかく第一志望に受かりたいという気持ちだけで頑張っている」(はお・国公立文系志望・静岡県)

「心配したり焦ったりしても良い方向には行かないと気づき、今は目の前の勉強をコツコツこなすことが一番大切だと考えているから」(みなみ・私立文系志望・茨城県)

「いちいち不安になっていたってしかたがないし、別に受験に失敗したから死ぬというわけでもないので、そんなに悲観的に考えていない」(しのはーらー・私立文系志望・愛知県)
周りと比べてしまって不安に駆られる、という人が多い様子。

一方で、不安や焦りを感じつつ、自分なりに気持ちを切り替えている人もいるようだ。

不安や焦りにどう向き合えばいいものか、神﨑先生にアドバイスをもらったよ。
「大学受験という初めての経験において、大なり小なり不安やストレスを感じるのは当然のことです。

大事なのは、どのようにしてストレスや不安を軽減するかということで、私から提案できることは3つです。

1つめは、十分な睡眠時間を取ること。

受験期は緊張状態にあるので、『寝ちゃダメだ』と思いがちですが、気持ちの安定は十分な睡眠によってもたらされる面があります。

軽い運動をして体を疲れさせると、よく眠れて、気持ちもすっきりできるかもしれません。

2つめは、孤独に学ばないこと。

人によって合う・合わないがある方法ではありますが、一人で闘うよりも、多くの仲間と闘う環境に入り、一緒に頑張ることで気持ちを上げていくという方法。

オンラインツールを活用するのもおすすめです。

3つめは、クリニックやカウンセリング施設などの専門機関に相談すること。

もう耐えられない!となる前に、診察やカウンセリングを受けましょう。」(神﨑先生)

適度な息抜きでモチベーションを維持


ストレスや不安とうまく付き合いながら、前向きに勉強を進めていくにはどうすればいいんだろう?

みんなのモチベーション維持法を聞いてみたよ。
【REAL VOICE】好きなことをやって切り替える

「好きな本を読む。好きなドラマを見る。好きなタレント、アーティストのMVや写真集、パンフレットを見る。好きな曲を聴く」(Hura・国公立文系志望・東京都)

「遊びに行って、服や化粧品など欲しいものを買う」(ねね・私立文系志望・愛知県)
【REAL VOICE】いったん休憩して切り替える

「寝ます。結局睡眠が一番なんじゃないかと思います。
自分は起きたときのメンタルからその日のうちに復活することなどないので、運が悪かったと思ってさっさと寝たほうが余計なことを考えなくて済むし精神的には良いと思っています」(ポペトチッスプ・国公立理系志望・大阪府)

「甘いものを食べるなど切り替えのスイッチを作る」(りん・私立理系志望・大分県)

「リフレッシュに筋トレやストレッチをする」(るん・私立理系志望・福岡県)
【REAL VOICE】誰かと話して/会って切り替える

「小学生や中学校のころの友達に会う。地元の友達は高校の友達よりも気楽に話せるので」(ぱせり・国公立理系志望・東京都)

「塾の先生に相談に乗ってもらう」(aiu・私立文系志望・愛知県)

「恋人にひと目合うだけものすごく元気がもらえるので、一緒に外を歩きながら話したり、ビデオ通話をしたりしています」(みら・私立理系志望・愛知県)
【REAL VOICE】合格後をイメージする

「受験が終わったあとにやりたいことや遊びに行く計画を立てているので、それを思い出して気持ちを入れ替えている」(ゆめ・私立文系志望・東京都)

「志望校のパンフレットを見たり、Webサイトや合格体験記を見たりしてモチベーションを上げる。
先輩たちが楽しんでいるのを目標に頑張る。春休みにいっぱい遊ぶことを想像する」(りんご・国公立文系志望・兵庫県)
一度勉強から離れて、それぞれに合った方法で気持ちを切り替えたり、モチベーションを上げたりしているんだね。

スタサプコーチからもメッセージをもらったよ。
 
「今年はさまざまな変化が起こっていますが、その変化に臨機応変に対応できた受験生が、合格をつかめるのではないかと思います。

不安を抱えているのはみんな同じなので、そのなかでも、気持ちを大きくもつことを意識しましょう。

これまでの成功体験を思い出し、それを糧に自信をもって入試に臨んでください。応援しています!」(うっくんコーチ)
しんどいときも、大学入学後の自分を思い描き、一歩一歩進んでいけるといいね!

最後に、神﨑先生にもモチベーションを維持するための心のもちようをアドバイスしてもらったよ。
大学で学びたいことや、やりたいことを思い描いてやる気を出す・モチベーションを上げるのが、おすすめの方法かなと思います。

大学って、本来、専門的なことを学び、世の中にある問題を解決したり、解き明かされていない謎を解き明かしたりするために行くもので、合格するために行くところではないと思うんです。

と考えると、今、皆さんが一生懸命勉強しているのは、大学やその先の自分に対して期待をかけているから、と考えられないでしょうか。

周りが気になったり、周りの人を妬む自分が嫌になったりすることもあると思いますが、その気持ちは素直な自分の気持ちとして受け止め、そのうえで、どう前向きに受験と向き合うかを考えていきましょう。

そのときの助けになるのが「大学でこんなことを学びたい、やりたい」という思いです。

1日1日の努力が未来をつくるんだという希望をもって、受験を乗り切ってください! 」(神﨑先生)

勉強方法からモチベーションの保ち方まで、みんながいろいろな工夫をしてこれから入試本番まで頑張ろうとしていることがわかったね!

焦りや不安を覚えたときは、みんなの方法や神﨑先生・スタサプコーチのアドバイスをぜひ思い出してほしい!

笑顔で春を迎えられるよう、息抜きをしつつ、みんなで頑張ろう!
取材・文/浅田有香 デザイン/ロンディーネ 監修/神﨑史彦 構成/寺崎彩乃(本誌)
※本調査は2020年9月にスタサプ編集部にて、全国の高校3年生221人を対象にアンケートを実施
 
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