仕事

25歳・松葉ガニ漁師の月給は250万円。出勤日数は月に「たった9日」なのに、稼げる理由

日経平均が一時4万円の大台を突破し、世間は色めきたっているが、賃上げは一部の大企業に限られ、いまだ道半ばだ。ただ思いもよらない理由で、すでに好景気に沸いている業界もある。どんな仕事の給料が爆上げしているのか? 働く人々の暮らしぶりに迫った!

高級品・松葉ガニ漁師は年収1000万円超!

賃上げバブル職業案内

職場の大型底曳き船・第一幸榮丸の前に佇む関龍太さん(25歳)。浜坂港を母港とする底曳き船は13隻と、他港より多い

 東京・豊洲の商業施設「千客万来」で、7000円の海鮮丼を注文する外国人観光客が引きも切らず、“インバウン丼”の名とともに話題になった。今や「生食」は海外にもすっかり浸透した感があるが、そんな生食ブームを受けて、高級な魚介類を捕る漁師の賃金が急上昇している。 「魚の加工工場で働いていた18歳のとき、母親にステージ3のがんが見つかった。でも、手取り18万円の月給では治療費を賄えない……。求人サイトを隅から隅まで探して、漁師として一番給料が高かったのが今の会社です」  こう話すのは、松葉ガニの漁獲量日本一を誇る兵庫県浜坂漁港の水産会社・第一漁業で、昨年5月からカニ漁師として働く関龍太さん(25歳)。最高級とされる松葉ガニだけに、給料も高額だ。

昨年11月の月給は250万円

「年末年始に需要が高まるので、昨年11月の月給は250万円。12月は200万円でした。漁をする隠岐諸島周辺は、日本有数の好漁場なんです」  入社当時、もっとも低い月給は70万円余り。だが、さすがは“冬の味覚の王様”松葉ガニ。近年は不漁だが価格は逆に高騰、インバウンドの生食爆食いという追い風も吹き、関さんの月給は250万円に跳ね上がった。
次のページ
しんどい。でも稼げます
1
2
週刊SPA!3/19・26合併号(3/12発売)

表紙の人/ 川栄李奈

サブスク「MySPA!」なら発売日の1日前からすぐ読める!
プランの詳細はこちらから
おすすめ記事