「面倒でも手書きするべき」「ありきたりな趣味はNG」 履歴書の“ルール”が本当なのか専門家に聞いてみた(1/2 ページ)

まことしやかに主張されているけど、その通りにしないと落ちるの?

» 2017年11月25日 11時30分 公開
[マッハ・キショ松ねとらぼ]

 就職活動を始めると耳にする、履歴書の書き方にまつわるうわさ。「『読書』『映画鑑賞』のようなありきたりな趣味、特技は不利」「面倒でも手書きすると好印象」など、さまざまな話を聞きます。

 いまいち理由が分からない情報でも、内定が欲しい一心でとりあえず従っている人が多いのではないでしょうか。筆者も「履歴書って、何でこんなに決まりごとが多いんだろう……」と頭を悩ませた覚えがあります。

 しかし、こういった履歴書のノウハウは、どこまで本当なのでしょうか。就職活動に詳しい就職情報会社ディスコの松本あゆみさんに取材して、真偽を確かめてみました。

松本あゆみ

画像

株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 研究員

新卒採用マーケットを中心に就職・採用に関する調査・分析を実施。新卒就職支援サイト「キャリタス就活」の会員から「就職活動モニター」を組成し、学生の就職活動状況や内定率などを定期調査。また、新卒採用を行う企業を対象とした調査も行う。


履歴書は手書きするのがベター? → ×

 履歴書はパソコンでも作成できますが、よく「手書きした方が良い」といわれます。筆者がネット上で調べた限りでは「新卒の場合は手書きが基本」と断言していたり、「手書き、パソコン作成のどちらを好むかは企業によって異なるから使い分けよう(ただし、そのための企業の見分け方はあいまい)」と書かれていたり、情報がマチマチ。……結局、どうすればいいんですか!


履歴書にまつわる就職活動のうわさって本当? 手書きだと、採用担当者からの評価を良くなるといわれていますが……

 この問題に散々悩んだ挙句、「採用してもらえる可能性が増すなら、手間がかかっても仕方ない」と履歴書を1枚1枚手書きした経験がある人も多いのでは? しかし、実際にはそこまでややこしく考える問題ではなく

  • 企業側が、履歴書のフォーマットを用意していればそれに従う
  • 手書き、パソコン作成に関する指示がない場合は、どちらでもよい

 この2点に気を付ければよいそうです。要するに、頭を悩ませずに、言われたことを言われた通りにやれば問題ないというわけです。

履歴書の「手書き至上主義」は、非効率を尊ぶ日本企業のせい? → △

 「履歴書を手書きする人が多い」という話が「日本企業は労力のかかっているものを尊ぶ傾向がある」と、労働文化のあり方にまで広がることがあります。特に何十社もエントリーするのが当たり前になっている新卒採用では、就職活動が学業の負担になっていると指摘されることも。


履歴書にまつわる就職活動のうわさって本当? 「就活が大変なのは、日本企業がブラックだから」と説明されることも

 しかし、「『手書き至上主義』の原因が全て企業側にあると考えるのは難しい」とのこと。

 「書き文字の方が人となりが分かる」と考える企業は確かに存在。しかし、新卒に関して言えば、そもそも学校指定の履歴書自体が手書きを前提としています。就職支援をしてくれる学校から提供されるツールも、デジタル化が不十分なのです。

 最近では、履歴書の写真をネットでアップロードできるようにしている企業も増えており、さらにデジタル環境が普及すれば、データ処理の都合から履歴書のパソコン作成が一般化する可能性もあるとか。

学歴は新卒なら中学卒業から、転職なら高校卒業から書く? → ×

 うわさでは、学歴を書くときにはいくつかのルールがあり、新卒の場合は中学卒業から記入すべきで、転職の場合は高校卒業から、といわれています。また、実際にそのように記載している人も多いそうです。

 しかし、松本さんによれば「まだ大学を卒業しておらず業務経験がない新卒は、学歴・職歴欄に空白ができやすい。そこで『白いところは少ないほうがいいのではないか』という心理から、学歴を長く書いているだけではないか」とのこと。面接する側にとって重要なのはその人の経歴(この場合は通った学校、留年、浪人の有無など)のため、新卒が高校卒業から書いても問題ないそうです。

 ちなみに、履歴書には新卒用、転職用があり、校章などが入っている学校指定のものは新卒用。学歴・職歴欄が小さめにできており、そもそも空白ができにくいつくりになっているとか。

2級以上の英検、漢検は書くと絶対にプラスになる? → ×

 一般的に「2級以上の英検、漢検は資格欄に書くと、プラスに評価される」といわれていますが、これはどこまで正しいのでしょうか。

 両資格とも2級は高校卒業以上の難易度で、松本さんによれば業務内容によっては不十分な能力とのこと。英語をバリバリ使う外資系企業を受ける際に、英検2級と書いてしまうと「その語学力では使えない」とかえって落とされる可能性があるそうです。


履歴書にまつわる就職活動のうわさって本当? 漢検2級は「常用漢字が全て読み書き活用できるレベル」。高校卒業でもこの水準に該当(Webサイトより)


履歴書にまつわる就職活動のうわさって本当? 英検2級の難易度も「高校卒業程度」。ちなみに、日本英語検定協会によれば、準1級まで行くと「実際に使える英語力」として評価されるそうです(Webサイトより)

資格はたくさん書いたほうがいい? → ×

 「資格はとにかく持っているだけ全て書いた方がいい」という意見と「絞ったほうがいい」という意見がありますが、この点についてはどうなのでしょうか。

 資格をいくつも書いていると、かえって「自分に自信がない」「数で面接を有利に進めようとしている」と見られ、マイナス評価になってしまう可能性があるとか。級の高いもの、業務に関係のあるものに絞るのが良いそうです。

 「資格マニアの場合はどうしたらいいんですか?」と質問してみたところ、趣味・特技欄でアピールするべきとのこと。「資格取得」と書き、面接の際に「雑学が好きで、資格を取得しました」など資格マニアになった理由を話すなどすれば、自分をアピールできるといいます。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/31/news026.jpg 【今日の計算】「1+2−3+4」を計算せよ
  2. /nl/articles/2405/31/news017.jpg 沖縄の川で異常繁殖した外来種の捕獲作戦を決行 大量の外来種と意外な魚の存在に「大きさにびっくり」「日本は大丈夫か!?」と150万再生
  3. /nl/articles/2405/31/news186.jpg 有名ハリウッド俳優の“天使過ぎる”美形息子の現在が話題 『GANTZ』作者「立派な女性に成長していて……」
  4. /nl/articles/2405/31/news174.jpg 光上せあら、子の“公園水道遊び”が「迷惑行為」と批判も…… 語気荒げ猛反論「子供は国で育てる!」「これが日本に必要な姿なんだよ!」
  5. /nl/articles/2406/01/news031.jpg “高2女子”がメンズカットしたら…… 驚きの大変身に「似合いすぎ」「なんやねんこの完璧さ」と反響
  6. /nl/articles/2406/01/news010.jpg 本当に同じ物件なの!? 築54年のアパートを魔改造→“まさかの姿”に激変 「カッコよい!」「普通に住みたい」
  7. /nl/articles/2405/31/news115.jpg 絶対目立つな! 浜崎あゆみ、“超高級外車”で子どもの授業参観へ ブランドで固めた強オーラに「お母さん可愛すぎ」「大パニック起きます」
  8. /nl/articles/2405/31/news172.jpg とにかく明るい安村、今度はアメリカで大ウケ オーディション番組で喝采を浴びる「この男を好きにならずにいられない」
  9. /nl/articles/2406/01/news027.jpg 4カ月赤ちゃん、寝る前におしゃぶりを差し出すと…… ママを見つめる天使の笑顔にとろけてしまった「もうすぐ羽根が生える頃かなぁ」
  10. /nl/articles/2405/31/news138.jpg 「絶対、逆写真詐欺だろ!」 コメダ、新作サンド「具沢山」名乗り戦々恐々 「ボリュームすごそうで怖い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「これを見つけたら緊急事態」 農家が恐れる“生えると危険な雑草”の繁殖力に「悪いやつだったんですね」「よく食べてました」
  2. 「虎に翼」、ヒロインの弟役が初登場 演じた人物のギャップに驚き「同一人物なのか?」「朝ドラにも出るの凄いな」
  3. 【今日の計算】「9−9×9+9」を計算せよ
  4. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  5. YUKI、大胆なスリット入った近影に驚きの声 「52歳なの意味わからんな」「ここまで変わらないって本当凄い」
  6. 誰にも懐かないボス犬を、1歳娘が散歩へ連れて行くと…… 従えて歩く驚きの光景に「あの狂犬が…」「凄い…凄すぎる」
  7. 晩酌中、ふと机の下をのぞいたら…… 背筋が凍える光景に反響続々「皆様は覗かないようにしてくださいね」
  8. 小林麻耶&國光吟、600万円超する“新型外国車”購入に「中古で売る時の値段は考えてません」 高額iPadもゲットで生活フルエンジョイ
  9. 真田広之の俳優息子、母・手塚理美と“超大物司会者”に対面 最新ショットに「ご立派な息子さん」「似てる雰囲気」
  10. 「トップバリュを甘く見てた」 ジョブチューンで審査員大絶賛の“マストバイ商品5選”に反響 「買ってみよ」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
  2. 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  3. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 同情せざるを得ない衝撃の光景に「私でも笑ってしまう」「こんなん見たら仕事できない」
  4. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  7. 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
  8. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  9. JR東のネット銀行「JRE BANK」、申し込み殺到でメール遅延、初日分の申込受付を終了
  10. サーティワンが“よくばりフェス”の「カップの品切れ」謝罪…… 連日大人気で「予想を大幅に上回る販売」