「ガラパゴス化していく日本マンガ」(小原篤のアニマゲ丼)

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 刺激的なお話でした。「東京タラレバ娘」「かくかくしかじか」などのマンガ家・東村アキコさんが6月21日、客員教員を務める京都精華大で「ガラパゴス化していく日本マンガ」と題し講演をしました。東村さんは昨年12月から、韓国企業の運営する日本向けウェブマンガサイト「XOY」で新作「偽装不倫」の連載を開始。無料、フルカラー、縦スクロール(1コマ1コマ上から下へ流れていく。スマホで読みやすい)というスタイルになぜ挑戦したのか。その理由と、背景にある危機感について熱く語りました。「そこまで言っちゃうの?!」と驚かされる部分も多かったのですが、東村さんほどの売れっ子でも肌感覚としてはそれだけシビアなのだと受け止めました。それでは、たっぷりとどうぞ。

 「今はiPadでマンガを描いてます。アシスタントもみんなそうです。締め切り日には8~10人くらいアシスタントがいて、仕事はきっちり午前11時から午後7時までで土日は休み。なんだか公務員みたいですけど、そんなやり方で同時に幾つも連載をこなし、ここ10年は月産100ページを切ったことはないと思います。今月は140ページだったかな」

 「何カ月か前に、すごく個人的に衝撃を受けたことがあって、講演に行った福岡の中学校で『いつも読んでる雑誌がある人?』と質問したら、そのクラスで手を挙げたのは3人だけでした。『ジャンプ』が2人、親が買ってくる『まんがくらぶオリジナル』を読んでる子が1人。はやっているマンガは単行本やスマホで読んでるみたいだけど、雑誌って読まれなくなったなと思いました。私、韓国のマンガサイトで連載を始めたんですが、そこで読める韓国の人気作品『外見至上主義』の話をしたら『あー、知ってる!』って手を挙げたんですよ10人くらい! こっちの話の方が反応がよかった。衝撃でした」

 「中1の私の息子は、家にマ…

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