AMDが次世代GPU「Radeon RX 5000」ファミリーを7月投入COMPUTEX TAIPEI 2019(1/2 ページ)

» 2019年05月29日 07時00分 公開
[本間文ITmedia]

 5月27日、台湾国際会議中心において「COMPUTEX TAIPEI 2019」のオープニングイベントとなる「COMPUTEX International Press Conference & CEO Keynote」が開かれた。そこでAMDのリサ・スー社長兼CEOが登壇し、次世代グラフィックスチップを紹介した。

20億人のゲーマーに応える次世代GPU「NAVI」

 スー氏は、同社のRadeonグラフィックスがPCやWindowsノートPCのみならず、Apple製品、ゲームコンソール、そしてGoogleが2019年3月に発表したクラウドゲーミングプラットフォームにも採用されるなど、幅広く市場に浸透しているとアピールした。

 既に同社は、現行のVEGA GPUアーキテクチャでRadeon INSITINCT MI60とRadeon VIIで7nmプロセス技術を採用した製品を投入しているが、20億人のゲーマーの要望に応えるべく、グラフィックスのさらなる強化を図るとした。

AMD Ryzen 3 RadeonはPCのみならず、コンソールやクラウドゲーミングプラットフォームにも浸透している

 新しいGPUアーキテクチャを採用するNAVIは、ソニーが次世代プレイステーションにおいて、NAVIベースのGPUとZen 2コアを採用したCPUのカスタムチップを搭載することを明らかにしているように、特にゲーミングに特化した製品になると説明。その単体グラフィックス成因となるNAVIは、下記のような特徴を持つ。

  • RDNAアーキテクチャ
  • より高速なクロックスピードと省電力性
  • 世界初のPCI Express 4.0対応

 現行のGCNアーキテクチャから一新されるRDNAアーキテクチャは、GPU演算の核となるCOMPUTE UNITの設計を一新して電力効率とIPCを向上させる。また、マルチレベルキャッシュ階層の採用により、レイテンシの低減、高帯域と省電力性の実現を図る。加えて、グラフィックスパイプラインの見直しにより、より高クロックで動作できるようにするとともに、クロックあたりのパフォーマンスも引き上げる。

 これにより、NAVIではゲーム性能を大幅に引き上げられ、VEGAの現行GCNアーキテクチャに比べ、クロックあたりのパフォーマンスは1.25倍、消費電力あたりのパフォーマンスは1.5倍の向上を果たす。そして、このNAVIベースのGPUがRadeon RX 5000ファミリーとして市場に投入される。

AMD Ryzen 3 Radeon INSITINCT MI60とRadeon VIIで7nmプロセス技術を採用した製品を投入
AMD Ryzen 3 NAVIはゲーミングに特化した製品へ
AMD Ryzen 3 次世代プレイステーションでは、NAVIベースのGPUとZen 2コアを備えたCPUを採用したカスタムチップを搭載する
AMD Ryzen 3 NAVIの特徴
AMD Ryzen 3 RDNAの特徴
AMD Ryzen 3 現行のGCNアーキテクチャに比べ、クロックあたりのパフォーマンスは1.25倍、消費電力あたりのパフォーマンスは1.5倍の向上を果たす
AMD Ryzen 3 NAVIの単体GPUは、Radeon RX 5000ファミリーと名付けられた
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月11日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  3. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  4. Minisforum、Intel N100を搭載したスティック型ミニPC「Minisforum S100」の国内販売を開始 (2024年05月10日)
  5. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. ASRock、容量約2Lの小型ボディーを採用したSocket AM5対応ミニベアボーンPCキット (2024年05月10日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  10. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー