冬のタイツの破れ予防に「親指カバー」が話題沸騰、中の人に聞く開発秘話「元々メンズの企画」「生産には大変な手間」

山本 明 山本 明

 「せっかく買った、タイツを親指の爪でダメにしたことがある人は、今年の冬は、この親指カバーをどうぞご検討ください。1号」

 一風変わった小さなソックスの画像がSNSで注目を集めました。足の親指のみを覆う黒いソックスの写真を投稿したのは、Tabio(大阪市浪速区)靴下屋の公式アカウント(@Tabio_JP)。このミニサイズの靴下を着用し、さらにこの上からタイツをはくことで足親指の爪が直接あたらず、タイツの爪先に穴があきにくくなるのだといいます。

 投稿には「あああああああこれは私が求めていたもの。」「そう!親指からツピッとスジ入っていくんだよ、今年の冬はぜひ試してみたい」などとタイツの破れ問題に悩む女性たちから共感の声が集まりました。

 このユニークかつ実用的な「親指カバー」の制作秘話をアカウントの「中の人」である「1号」さんに聞きました。

――これぞ「この発想はなかった」という商品です。開発の経緯を教えてください。

 こちらのアイテムは元々、弊社にお客様から「靴下が親指だけが破れてしまう。どうにかして欲しい」というお問い合わせがあり、それを見た会長が、「ほなら、親指のカバーを作ってあげなさい!」と言って、そのお客様のために作ったのが始まりです。そのお客様にお送りした後は、少数制作したものが、何年か店舗の片隅にポツンと置かれていたような状態でした。それを2年ほど前、同様のお悩みをお持ちの方に勧めるために、社員が関係各所に働きかけて、限られた量だけですが復活させることができました(元々はメンズのみでした)。

――とても小さなパーツソックスです、制作にはどんなこだわりが?

 こだわりとしては、こんな小さなアイテムなのですが、「ホールガーメント」という特殊な横編機を使っています。素材も「デオセル」という高機能消臭糸をはじめ、弊社のスポーツソックスで使用しているのと同じものを採用しているため、スポーツソックスの指先とほぼ同じフィット感と耐久性があります。

 ただそのため、物凄く小さいのですが、手間はスポーツソックスと同じようにかかっており、大変生産効率が悪いという側面も…。そのため生産担当者からは、「売れるのは嬉しいけど、増産は無理だからね!?」と口酸っぱく言われています。

――投稿に反響がありました、感想はいかがですか。

 今回、実感したのは「みんな、同じ悩みで悲しい思いをしたことがあるんだな…!」ということです。以前から折を見てご紹介してたのですが、その時は靴下とのご提案でした。しかし、今回はタイツでその時以上の反響があったため、より「自分ごと」として感じていただけたのだと思います。

――共感のコメントがいくつも寄せられていましたね。

 特に嬉しかったのは、「靴下専門店らしい」というようなご意見でした。弊社は全国で靴下専門店を展開していますが、靴下の専門店としての存在感を感じて頂けたのかなと思いました。

――こちらの商品のお薦めの履き方やまた今後の展開につい聞かせてください。

 今回反響があったのはこの親指靴下ですが、先ほども申しましたとおり、製造の関係であまり広く販売ができないものとなっています。ですが、つま先五本指というアイテムや、つま先靴下など、同様に爪による破れの予防ができる靴下を全国の店舗で販売していますので、ぜひ試していただきたいと思います。そちらは、指の間の汗も吸いますので、消臭対策やムレ予防にも効果的です。

   ◇   ◇

 また、「ちなみに、元々メンズの企画ですので、男性用の親指靴下もあります。男性の方も是非お試しください」とも話す1号さん。親指による靴下の破れ問題に悩む、世の男性諸氏もぜひ使用を検討してみてはいかがでしょう。

▽【WEB限定】レディースデオセル親指サック
https://tabio.com/jp/detail/011191119/

▽【WEB限定】メンズデオセル親指サック
https://tabio.com/jp/detail/062190025/

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