「私は約3年前、お風呂を覗かれました。すぐに110番通報しましたが、犯人が誰なのかいまだにわからない。本当に怖かったです」

 と30代主婦は振り返る。

逮捕は3度目

 主婦宅周辺では、わいせつ事件が断続的に発生し、多くの住民女性が眠れぬ夜を過ごしてきた。風呂場覗き、住居侵入、付きまとい、強制わいせつ強姦……。男が逮捕されて平穏を取り戻したと感じている住民は少なくない。

 埼玉県警捜査一課と西入間署の合同捜査班は12日、家族と寝ていた30代女性宅の無施錠の掃き出し窓から侵入し、女性の上着を刃物で切って胸を触ったとして、同県鶴ヶ島市の建築業・藤井勇被告(27)=強姦、強制わいせつなどで起訴=を準強制わいせつ容疑で再逮捕した。冒頭の主婦宅近くのアパートでひとり暮らしをしていた。

 県警によると、「侵入したが、身体は触っていない」と一部否認している。女性が目を覚まし声を出すと逃げたという。

 逮捕は3度目。最初の逮捕案件は、深夜にアパート2階の無施錠のドアから居宅内に押し入り、30代女性に刃物を突きつけて外に連れ出して暴行した。2件目はスーパー銭湯の駐車場で20代カップルを脅し、離れた場所に女性を連れていきわいせつ行為を強いた。

「ムラムラしてやった」などといずれも容疑を認めている。

「車中でイチャつくカップルを見つけ、ジャージーに六分丈パンツ姿で警察官を名乗り、“条例違反だが見逃してあげることもできる。10数万円の罰金を払うか、性行為をするか”と迫った。怪しむカップルから警察手帳を見せてほしいと言われて“休日出勤だから持っていない!”とすごんでいる」と捜査関係者。

 近隣住民によると、藤井被告は米国産の大型四輪駆動車に乗り、スーパー銭湯に無断駐車を続けていたという。

 鶴ヶ島市内では2012年以降、類似事件が20数件発生している。藤井被告は余罪をほのめかしており、県警が関与を調べている。