地上20mのネットによじ登った猫…レスキュー隊出動も救出劇は超難航 一夜明けて再救助、落下も走って逃げ去る

山本 智行 山本 智行

 高知市内の野球場で、地上20mはあろうかというネットによじ登った猫ちゃんの大救出劇が繰り広げられた。この球場、現在はプロ野球のオリックスが秋季キャンプの真っ最中。選手、関係者、観客が心配そうに見守る中、消防署員も出動したが、怯えた猫ちゃんが逃げまくってしまい、作業は困難を極めた。

 最初に“異変”に気付いたのは高知市東部野球場グラウンドキーパーの山本隆一さんだった。8日の朝8時、球場に出るとバックネット中段によじ登っている子猫を発見。優しく「降りてこ~い!」と叫んだが、猫は驚いたのかネットの最上部によじ登ってしまった。

 山本さんによると平成2年のオープン以来初めての出来事。「8時ごろに来た時、ネットの三分の一ぐらいの高さのティー打撃用のワイヤーのところにおった。降ろそうとしたら上がっちゅう(上がってしまう)し…」と困り顔で「(登ったのは)球場周辺の猫。まだ若い」と心配げだった。

 30分後に選手たちが続々とグラウンドに到着。西村監督をはじめ、選手、コーチ、球団関係者も心配そうにネット上の猫を見上げた。10時になって練習が始まったが、猫は一向に降りる気配がない。そもそも高すぎて降りられなくなったようだ。

 ランチタイムに設定されていた11時半を10分ほど過ぎ、ここで球場に3人の消防署員が到着。三連梯子を使って救出を試みることになった。ところが署員が近づくと猫はネット上部を綱渡りのように渡って3塁側に移動。足を滑らして落ちそうになる猫にスタンドはどよめき、「行くなっちゃ!」「早く助けて」といった悲鳴も上がった。

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