“通常業務”を開始した3台目のメルセデス「S124」。前回は徹底的な納車整備の模様をお伝えしたが、今回は内外装がどんな仕上がりになったかのお話だ。基本的には1号機、2号機から引き継いだものが多いけれども、3号機特有の部分もある。

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    筆者にとって3台目の「S124」となった「E320 ステーションワゴン」。今回は内外装についてのお話(本稿の写真は撮影:原アキラ)

内外装を自分好みに作り上げる愉しみ

滑らかな6気筒自然吸気エンジンの音とフィーリングを楽しませてくれるS124の3号機。回せばそこそこのパワーはあるけれど(225PS/32.3kg-m)、搭載する4速ATは通常のDポジションだと2速発進ということで、車速が乗るまでは本当にゆったりしていて、軽い車体と低速から発生するトルクでピュンピュン走る最新モデルとは大違いなのである。例えば、信号が青になって隣のクルマが先にダッシュしていき、次の信号で待っている頃にやっと追いついて、また青に変わる頃には、こちらはブレーキをかけることなく交差点に侵入できる、といったあんばいである。

さて、3号機の車内を上から撮った写真を見ていただくと、ウォールナットを使用したセンターコンソールやウッドとレザーのコンビステアリング、グレーのファブリックシートなどが見渡せると思う。

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    「S124」3号機の車内を上からご覧ください

リアシートには、頻繁に乗せている孫(1歳11カ月)のためのコンビ社製「ウィゴー ロングムーバーサイドプロテクション エッグショックIJ」という長い名前のチャイルドシートを装着。来年2月には2人目が生まれるので、結構なサイズのシートを2脚並べて装着するのだろうか。そうした“事態”に皆様はどう対処しているのだろう。メーカーの人、いい案があったらお知らせください。そして、今年の夏の猛烈な暑さに対応できない我が3号機の貧弱なエアコン能力を、少しでも補うために取り付けた小型扇風機の姿も見える。

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    オーバーヘッドコンソールには、シートベルトの警告灯やライトスイッチとともに、サンルーフの開閉ボタンがある。ちょっと昔の高級車らしいデザインだ

話が少し外れてしまったが、こんな写真が撮れるのは当然、サンルーフを装備しているからで、これからの季節は開けると気持ちいい青空が楽しめるはずだ。ちなみに、第6回の車歴で紹介したことのあるBMW「525iツーリング」には、前後シートの頭上全てを開放できるダブルサンルーフが装着されていて、開けると筆者の息子達(当時は小学生と2歳ぐらいだった)が大いに喜んでくれたものだ。S124のものはサイズ的にそれには及ばないけれども、きっと孫たちも喜んでくれるに違いない。

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    「E320 ステーションワゴン」のサンルーフ。天井にガラスがあってシェードだけを開閉できるものではなく、屋根そのものが開けられるタイプだ

人を乗せる能力という面では、S124は広大で真っ平らなラゲッジルームの床下にシートを格納している。これをセットすれば、後ろ向きとはいえ大人2人が座れて、もちろん3点式シートベルトを装着できる。つまり、乗車定員は7人だ。

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    広大なラゲッジルームにはシートベルト付きの2座のシートを備えている。後ろ向きではあるが……

また、状態の良いウッドパネルを備えたセンターコンソールの助手席側ダッシュボードには、通常の最終モデルではエアバッグが装着されているはずなのだが、この3号機は前期モデルのようにグローブボックス仕様になっている。筆者もこれまでは、車内の物入れといえばフロントシートの肘掛の下にあるコンソールボックスだけだったので、ちょっと足りないな、と思っていた。そうした不便さを解消するため、前のオーナーは思い切って改造したのだろう。ま、これはこれでとてもありがたい。

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    ダッシュボードの助手席側は、エアバックではなくグローブボックスになっている

カーナビゲーションは、2号機からスワップしたパナソニックのポータブルナビ「ゴリラ CN-G1300VD」2019年モデルを装着。今回はバックカメラを同時に取り付けたので、細くて長いボディーを持つS124の後方確認には重宝する(リバースに入れると自動でカメラに切り替わる)けれども、ナビ自体の性能は1号機に取り付けていた同じゴリラの720VD(2013年製)からそれほど進化している様子もなく、逆にリモコンが使えなくなったり、タッチパネルの反応が遅かったりしていて、ちょっとがっかり。渋滞情報の表示もリアルタイムではないようで、スマホで確認したほうが早くて正確な印象だ。お守り的に装着しているドライブレコーダーは、最新とはいえないものの、今のところはその性能に満足しているユピテル製「DRY-WD300」をそのまま継続使用している。

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  • リアカメラを装着したパナソニック製ポータブルナビ「ゴリラ CN-G1300VD」(左)。ドライブレコーダーはユピテル製「DRY-WD300」をそのままスワップ(右)

オーディオのヘッドユニットは、2号機に取り付けていたナカミチ「CD-400」からさらにステップアップして、当時のアンプ付き最高級モデルだった「CD-500」(同社のトップモデルはアンプレスの「CD-700」)を装着することにした。

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    オーディオはナカミチの「CD-500」にグレードアップ!

500の外部入力として使うAUX端子は、通常音声用とMP-3など圧縮データ用の2系統に対応していて、筆者はエアコン吹き出し口に取り付けたホルダーにセットしたiPhoneの音楽をBluetoothで飛ばして再生する方法をとっている。ヘッドユニットにつないだBluetooth受信機とその電源は、シガーソケットから取り出した配線類が車内で目についていた2号機に対し、今回はダッシュ裏側から直接12Vを取り出してNIKONにもらった小型ポーチで1つにまとめ、コンソール左側のネット部分に入れたのでごちゃごちゃ感が薄らいだ。

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    音楽はiPhoneからBluetoothで飛ばして聞いている

スピーカーは純正のまま。ただ、オーディオのヘッドユニットを変えたことで、音質に違いは出るかという点については、明らかに違うといえる。6気筒エンジンのおかげで車内が静かだという点を割り引いても、CD-500から流れる音楽はボリュームを絞っていても聞きやすく、少し大きめの音量でも耳を圧迫することがないので疲れないのがいい。

フロントグリルには金属製の旧型JAFエンブレム、リアハッチにはドイツのビークルIDというお約束のドレスアップ。ボディ表面はアイディング白濱代表のサービスでコーティングを施してもらったので、しばらくは雨をバッチリと弾いてくれるはずだ。

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  • フロントグリルに取り付けた金属製の旧型JAFエンブレム(左)とリアナンバープレート横に取り付けたドイツのビークルID(右)。定番のドレスアップがはまる

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    コーティングによって雨粒をバッチリ弾く「S124」のボンネット

まずは好調な滑り出しをみせた3号機。でも、この状態がいつまで続くのかがちょっと心配ではある。次回は取材を兼ねた、初のロングドライブのお話です。