「壁に貼った『ひらがなひょう』や『日本地図』などの学習ポスターが好きです。子どもたちが毎日見て自然に知識を習得する、望ましい形でしょう」――バイドゥ日本法人の子会社でソフトウェア開発を手掛けるpopIn(ポップイン)のテイ・トウ社長が熱を込めて語った。シーリングライトにDLPプロジェクターとスピーカーを内蔵し、壁にさまざまなコンテンツを映し出せるAndroidベースのIoTデバイス「popIn Aladdin」。3児の父親でもあるトウ氏が考案し、会社に提案した力作だった。
「子ども達が毎日、自然に接触できる情報空間を実現したいと思いました。当初はプロジェクターに注目しましたが、求めている環境は実現できません。課題は3つ。給電方法、設置場所、そして何よりも大事な子どもとの接触頻度です」
課題を解決したのは、天井にある引っ掛けシーリングだった。JIS規格のため形状は基本的に共通(種類は複数あり)。5キロまでの重量に耐え、電源があるためプロジェクターにケーブルはいらない。特に小さな子どものいる家庭にとって電源ケーブルはできれば増やしたくないものの1つだ。一方で照明器具の場所を占拠するため、popIn Aladdinには8畳から12畳の部屋に適したLED照明も付けた。調光や調色にも対応する。
接触頻度については、寝室に設置してタイマーで起動することで、起床時や就寝前の時間に使うことを提案している。内蔵コンテンツやネット経由で取得するコンテンツは子どもたちの興味をそそる「世界のふしぎ」や「YouTube Kids」、朝に適した「目覚まし風景」などシチュエーションに合わせて選択。昼間は写真立て代わりに家族写真を表示するなど「朝から夜まで、毎日使えるデバイスを目指した」(テイ氏)という。
昨年秋の「CEATEC JAPAN 2017」で参考展示され、popIn Aladdinは子どもを持つビジネスマンたちの関心を引いた。当時の試作機は400(直径)×250(高さ)ミリと厚かったが、製品版は476(直径)×169(高さ)ミリと幅を広げながら薄くなった。広げたのはLED照明の光を隅まで届かせるためで、薄くしたのは「見た目はシーリングライトにしたい」と考えたからだ。
一方で必要な機能には妥協せず、厚くなることは承知でプロジェクター部にモーター駆動の角度調整レンズを設けた。「天井が高い家もあれば低い家もあります。角度調整レンズは0度から18.2度の幅で映像を上下に移動できるので、幅広い環境で使えます」(トウ氏)
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