米Intelのパット・ゲルシンガーCEOは3月23日(現地時間)、米アリゾナ州チャンドラーに2つの新たな半導体工場を建設するために200億ドル(約2兆1726億円)を投じると発表した。「Intel Unleashed: Engineering the Future」と題する動画で発表した新たな戦略「IDM 2.0」の一環だ。
IDMはIntegrated Device Manufacturing(統合型デバイス製造)を表す。ゲルシンガー氏は「Intelは、プロセス技術の主要開発者であり、半導体の主要メーカーであり、シリコンの世界的大手プロバイダーであり続ける」と意気込みを語った。
プロセッサの設計だけでなく、ファウンドリとしての役割を強化する。新たなファウンドリ部門Intel Foundry Servicesを設立し、サプライチェーンを統括してきたランディール・タークル上級副社長が率いる。
ファウンドリ事業は、x86だけでなくArmおよびRISC-Vを含む世界クラスのIPポートフォリオで競合ファウンドリと差別化できるとしている。
イベント動画では、Amazon.com、Google、Microsoft、Qualcommなどが顧客になる可能性があると説明した。米Microsoftのサティア・ナデラCEOと米IBMのアービンド・クリシュナCEOも登場した。IntelはIBMとのパッケージング提携も発表し、クリシュナ氏はIntelのファウンドリは「米国の競争力を強化する」と語った。
自動車業界からの需要急増などで半導体供給が世界的に不足する中、ジョー・バイデン米大統領は2月、米国の半導体製造が製作の優先事項の1つであると語った。今回の発表はこれを受けた形だ。
ゲルシンガー氏はまた、大幅に遅れている7nmプロセス製造の「Meteor Lake」が第2四半期(4〜6月)に実現する見込みだとも語った。
ゲルシンガー氏は今年2月、ボブ・スワン前CEOの退任でこの職に就いた。10nmプロセスの大幅な遅れやモバイルプロセッサ市場でのシェア激減、米Appleのオリジナルプロセッサへの移行などの問題が山積する中での就任だった。
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