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熊本地震の本震から16日で2年。2度目の最大震度7を観測した本震は、2日前の前震を体験した被災者が日常を取り戻そうとした矢先の激震だった。ともに自宅で眠りにつくも生死を分けた家族。あの日を呼び起こす自宅跡地で再建を決意するか、断念するか。遺族が揺れている。
母の記憶 胸が苦しい
熊本県益城町の会社員、島崎浩さん(58)の母京子さん(当時79歳)は倒壊した自宅の下敷きとなり、亡くなった。島崎さんは隣室で寝ており、わずかな距離が2人の生死を分けた。「自宅跡に近づくとあの日を思い出してしまう」。島崎さんは自宅跡地での再建を断念し、復興住宅への入居を申し込んだ。
2016年4月15日夜、前震の片付けを終えて電気も戻るなどしたことで、両親と3人で自宅で寝ることにした。京子さんは余震が怖いからと玄関に一番近い部屋に布団を敷いた。隣室の島崎さんはふすまを開け、京子さんが見える位置へ自分の布団をずらした。それが運命を変えた。
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