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シャープの新型キャニスター掃除機、コードレス化の着想は調査から

販売戦略

2017/08/12 12:00

 シャープが9月14日に発売する世界最軽量のキャニスター型コードレス掃除機「RACTIVE Air(ラクティブ エア)」は、掃除する際に体に感じる負担を少しでも軽減するため、キャニスター型の強力なパワーを維持しながらコードレス化した。シャープが探り出した掃除機の潜在的な需要に沿って開発したものだ。

 製品発表会で、シャープの健康・環境システム事業本部スモールアプライアンス事業部清潔・健康美容商品企画部の奥田哲也部長は「60年間掃除機を開発し続けているシャープが導き出した理想の掃除機は、軽くて、よく吸う、コードレス」と語った。
 

奥田哲也部長

調査で探る掃除機需要

 シャープの調査によると、2016年度、市場売価4万円以上の高級タイプの掃除機のタイプ別台数構成比率は、コード付きキャニスター型が27.7%、取り回しやすいコードレススティック型が72.3%だった。一方、「次に買いたい掃除機は?」とたずねると、回答したシャープiCLUB会員3810人のうち、約半数の49.6%は、吸引力に信頼のあるキャニスター型と答えている。
 

シャープの調査によると、コードレススティック型の比率が伸びている

 しかし、「電源プラグの抜き差し」をはじめ、「本体が重い」「コードの引き出しが面倒」など、キャニスター型に対する不満も多かった。
 

次に欲しい掃除機はキャニスター型

 この調査結果をもとに、強い吸じん力と取り回しやすさを兼ね備えたコードレスタイプのキャニスター型掃除機「ラクティブ エア」の開発に至ったという。

 シャープは、2013年にもコードレスキャニスター掃除機を発売したが、本体は重く、パワーは弱く、運転時間は短いといった弱点があったため、ヒットには至らなかった。新製品「ラクティブ エア」4機種は、問題点の多かった従来機の弱点を克服し、本格普及を目指す。

 従来機との差が大きく出ているのは、重量だ。メインモーターや電子回路、バッテリなどを約50%軽量化し、本体の重さは3.5kgから1.8kgへ、手元部分も1.3kgから1.1kgへ、大幅に軽くなった。手元荷重の実感重量も、コードレススティック掃除機が約1.8kgに対して、ラクティブ エアの新製品は約0.4kgと、同じコードレスでも体への負担が軽くなっている。

 軽量化に貢献したのは、パイプ部に使用した「ドライカーボン」だ。軽くて強い素材で、航空機やロケットでも採用されている。

 シャープでは、2017年の夏以降、コードレススティックからアジア諸国、台湾や中国などをはじめとした世界展開を計画している。奥田部長は「これからも掃除機の常識を軽く変えていきたい」と話した。