迷子の兄弟救ったペルー人 片言の日本語、車止め声かけ

山崎輝史
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 群馬県大泉町で5月、ペルー国籍の契約社員ゴンザレス・ロドリゲス・セニア・フアナさん(27)=同町=が、迷子の日本人兄弟を助けた。大泉署は11日、ゴンザレスさんにスペイン語の感謝状を贈った。同町の外国人比率は約18%で全国有数とはいえ、外国語の感謝状は「確認する限り初めて」という。受け取ったゴンザレスさんは「ありがとうございます。日本が大好きです」と日本語ではにかんだ。

 署や本人によると、5月30日午後6時ごろ、ゴンザレスさんは車で帰宅途中に同町坂田1丁目で幼い兄弟を見つけた。心配になり車を止め、声をかけた。

 日本語は片言だが「お母さんはどこ? 2人だけなの?」。兄弟は「大丈夫。お姉さん優しいね」と元気そうだったが、付近は交通量が多い。手をつないで、110番通報し、警察官に引き渡した。ゴンザレスさんが発見する5分ほど前、兄弟の母から「6歳と3歳の子が行方不明だ」と110番通報が入っていた。

 署は「母国語の方が感謝の意が伝わる」と、署員がスペイン語で感謝状を作った。読み上げた荒船和男署長は「何度も練習しました。今後も外国人と日本人が助け合いの気持ちで共生してほしい」。ゴンザレスさんは「最近は幼い子どもが被害に遭う事件事故が多い。自分も母親なので、兄弟の母親の立場で行動できた」と話した。(山崎輝史)

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