障害や病気を持った兄弟・姉妹がいる子どもたちを「きょうだい児」と呼んで支援する市民の輪が全国に広がりつつあります。障害や病気を抱えた子どもたちに対する支援はおおよそイメージがつきますが、その兄弟・姉妹への支援とは、どのようなことを指すのでしょうか。「きょうだい会SHAMS」の代表・滝島真優さんに話を訊きました。
6月13日（木）のオンエア：『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」（ナビゲーター：グローバー／木曜担当ニュースアドバイザー：堀 潤）
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190613202029
■障害のあるきょうだいが優先になってしまう
「きょうだい児」の「きょうだい」をひらがなで表記する理由は、『きょうだい』は兄・弟・姉・妹のどれを指しても差し支えない言葉であるためです。
滝：欧米では50年くらい前から、きょうだい児の支援が注目されています。日本も同時期くらいから、成人のきょうだいの方たちへの支援が始まってきましたが、子どもの支援はまだまだこれからという部分があります。20年くらい前にアメリカで始まった障害を持つきょうだいの支援プログラム「シブショップ」を基本として、日本でも2000年代くらいからきょうだい支援を行う組織が立ち上がり始め、私たちもそれに倣い、スタートしました。少しずつ機運が高まってきているような気がしています。
滝島さんは、自身の双子の弟が知的障害と自閉症を持っていたことが、「きょうだい児」への支援活動をするきっかけだったと話します。
堀：滝島さんがまさに「きょうだい児」だったわけですね。
滝島：そうですね。「きょうだい児」ならではの思いや経験を通して、非常に精神的に孤独な思いもしました。障害のあるきょうだいが優先になって生活をしてきたこともありました。当時はそれが当たり前でしたが、大人になり、それはきょうだい特有のものであり、当たり前ではなかった、そして、自分ひとりのものではなかったと気づいたときに、自分と向き合えたという経験がありました。
■自分が主役になって楽しむ経験を！
滝島さんが代表を務める「きょうだい会SHAMS」は、どのような活動をしているのでしょうか。
滝島：私も幼少期に弟と一緒に過ごす中で、さまざまな余暇を過ごしてきました。弟と一緒に過ごしていると弟が優先になってしまって、自分の目的を果たせずに自分の余暇を楽しめなかったこともありました。そのため、子どもたちには、自分が主役となって余暇を楽しむ経験をしてもらうための活動を行っています。また、きょうだいならではの経験や思いを分かち合うための「きょうだいワーク」などを年に4、5回くらい活動しています。
堀：みなさんの様子はどうですか。
滝島：最初は恥ずかしい思いで来ている子どももいるんですけど、徐々に居場所を見つけてくれています。「友だちにはなかなか言えないけど、ここなら安心してきょうだいのことが言える」とか、場合によっては親にも罪悪感からなかなか自分の思いが言えない子どもが多い中で「ここだと正直に自分の気持ちが言える」ということで、小学生から中高生になっても続けて来てくれる子もいます。少しでもそういった子どもたちの居場所になっていたらいいなという思いで活動を続けています。
■ひとりの人間として接することが大切
私たちは「きょうだい児」に対してどんな支援ができるのでしょうか。
滝島：まずは「きょうだい児」の立場や思いがあることを知ってもらいたいです。特に学齢期の子どもを一番身近に支援されているのは学校の教職員の方たちだと思うのですが、まだまだこの問題は知られていないので、広めていきたいですね。私自身、「○○くんのお姉さん」ではなく「真優さん」と、ひとりの人間として接してもらえた経験が今に繋がっていると思うので、決して特別なことではなく、「最近どう？」「何か大変なことあった？」と目をかけてあげることが大切だと思います。また、人それぞれの違いにもっと寛容な目を持ってもらえたら、きょうだいはじめ、障害を持つ子どもがいる家族も生きやすくなると感じます。
「きょうだい児」の理解を深めること。それが「きょうだい児」に生きやすさを感じてもらえる第一歩ではないでしょうか。「きょうだい会SHAMS」の今後の活動も注目です。
【この記事の放送回をradikoで聴く（2019年6月20日23時59分）】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」（有料）なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名：『JAM THE WORLD』
放送日時：月・火・水・木曜 19時－21時
オフィシャルサイト：https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
6月13日（木）のオンエア：『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」（ナビゲーター：グローバー／木曜担当ニュースアドバイザー：堀 潤）
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■障害のあるきょうだいが優先になってしまう
「きょうだい児」の「きょうだい」をひらがなで表記する理由は、『きょうだい』は兄・弟・姉・妹のどれを指しても差し支えない言葉であるためです。
滝：欧米では50年くらい前から、きょうだい児の支援が注目されています。日本も同時期くらいから、成人のきょうだいの方たちへの支援が始まってきましたが、子どもの支援はまだまだこれからという部分があります。20年くらい前にアメリカで始まった障害を持つきょうだいの支援プログラム「シブショップ」を基本として、日本でも2000年代くらいからきょうだい支援を行う組織が立ち上がり始め、私たちもそれに倣い、スタートしました。少しずつ機運が高まってきているような気がしています。
滝島さんは、自身の双子の弟が知的障害と自閉症を持っていたことが、「きょうだい児」への支援活動をするきっかけだったと話します。
堀：滝島さんがまさに「きょうだい児」だったわけですね。
滝島：そうですね。「きょうだい児」ならではの思いや経験を通して、非常に精神的に孤独な思いもしました。障害のあるきょうだいが優先になって生活をしてきたこともありました。当時はそれが当たり前でしたが、大人になり、それはきょうだい特有のものであり、当たり前ではなかった、そして、自分ひとりのものではなかったと気づいたときに、自分と向き合えたという経験がありました。
■自分が主役になって楽しむ経験を！
滝島さんが代表を務める「きょうだい会SHAMS」は、どのような活動をしているのでしょうか。
滝島：私も幼少期に弟と一緒に過ごす中で、さまざまな余暇を過ごしてきました。弟と一緒に過ごしていると弟が優先になってしまって、自分の目的を果たせずに自分の余暇を楽しめなかったこともありました。そのため、子どもたちには、自分が主役となって余暇を楽しむ経験をしてもらうための活動を行っています。また、きょうだいならではの経験や思いを分かち合うための「きょうだいワーク」などを年に4、5回くらい活動しています。
堀：みなさんの様子はどうですか。
滝島：最初は恥ずかしい思いで来ている子どももいるんですけど、徐々に居場所を見つけてくれています。「友だちにはなかなか言えないけど、ここなら安心してきょうだいのことが言える」とか、場合によっては親にも罪悪感からなかなか自分の思いが言えない子どもが多い中で「ここだと正直に自分の気持ちが言える」ということで、小学生から中高生になっても続けて来てくれる子もいます。少しでもそういった子どもたちの居場所になっていたらいいなという思いで活動を続けています。
■ひとりの人間として接することが大切
私たちは「きょうだい児」に対してどんな支援ができるのでしょうか。
滝島：まずは「きょうだい児」の立場や思いがあることを知ってもらいたいです。特に学齢期の子どもを一番身近に支援されているのは学校の教職員の方たちだと思うのですが、まだまだこの問題は知られていないので、広めていきたいですね。私自身、「○○くんのお姉さん」ではなく「真優さん」と、ひとりの人間として接してもらえた経験が今に繋がっていると思うので、決して特別なことではなく、「最近どう？」「何か大変なことあった？」と目をかけてあげることが大切だと思います。また、人それぞれの違いにもっと寛容な目を持ってもらえたら、きょうだいはじめ、障害を持つ子どもがいる家族も生きやすくなると感じます。
「きょうだい児」の理解を深めること。それが「きょうだい児」に生きやすさを感じてもらえる第一歩ではないでしょうか。「きょうだい会SHAMS」の今後の活動も注目です。
【この記事の放送回をradikoで聴く（2019年6月20日23時59分）】
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番組名：『JAM THE WORLD』
放送日時：月・火・水・木曜 19時－21時
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