ヒトメボ

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ファミコンが流行していたころ、ゲームに夢中で勉強が手に付かなくなったという人も多かったですよね。親は子どもに勉強させるため、いろいろな手段でファミコンをやめさせようとしたものです。今回は、かつて行われた「親によるファミコンの禁止の仕方」について、ヒトメボ読者に聞いてみました。

親の部屋に保管

「ある日学校から帰ったら、ファミコンがなくなっていた。慌てて親に聞くと『勉強しないからお母さんの部屋にしまった』と言われた。親の部屋には鍵が掛かっていて入れなかったので、どうしようもなかった」(茨城県・46歳男性)

「学校から帰ってずっとゲームをしていたら、突然ファミコンを取り上げられ、親の部屋に持っていかれてしまった。その日からしばらく、勉強した後で1時間だけ出してもらって遊ぶというスタイルを強制された」(青森県・45歳男性)

本体を取り上げるというのは、最もオーソドックスなファミコン禁止の方法です。隠されれば子どもは探しますので、どこにファミコンを隠すかは親と子の知恵比べでした。とはいっても、親の部屋に保管され、鍵がかかっていると手が出せません。仕方なく親の出す条件を受け入れて、勉強するはめになった人もいましたね。

ACアダプターを隠す

「ある日ファミコンのACアダプターがなくなっていた。親に聞いたら『知らない』と言われたが、しつこく食い下がって返してもらった。『ゲームばかりしていたらまた隠す』と言われたので、勉強もするようになった」(長崎県・43歳男性)

「うちの親はACアダプターを隠していた。本体やソフトはあまり触りたくなかったみたい。機械には詳しくない親だったけど、ACアダプターがなければ使えないことは理解したと言っていた」(鳥取県・46歳男性)

本体やソフトではなく、ACアダプターを隠す親もいましたね。ACアダプターがなければファミコンは動きませんから、これも効果的な方法でした。本体とソフトはあるのにゲームができないため、本体を隠される以上に悔しかったりもします。

プレイ中に電源を抜いたりリセットを押したりする

「ゲーム中に『勉強しろ』と言われていたのを生返事で聞き流していたら、頭に来た親にACアダプターを引き抜かれた。下手をするとセーブデータが消えることもあるので、全面降伏するしかなかった」(東京都・45歳男性)

「うちの母親はゲームに詳しくなかったが、私がプレイしているのを見ていて『ゲーム中にリセットを押すとまずい』ことを学習していた。言うことを聞いてゲームをやめないと、リセットを押そうと狙ってくるので困った」(愛知県・43歳男性)

ゲームプレイ中に直接的な妨害をしてくる親もいました。突然ACアダプターを抜かれたり、リセットを押されたりして、セーブデータが消えてしまったという人もいるでしょう。子どもにとってプレイ途中のゲームやセーブデータが大事ということは、いくら力説してもなかなか理解してもらえませんでしたね。

RFスイッチを隠す

「ある日学校から帰ったら、RFスイッチがなくなっていた。母親が適当に引っこ抜いて隠したらしく、テレビのアンテナ線も取れていた。父親が帰ってきて直すまでテレビがちゃんと映らなかったので、その日は母親の機嫌が悪かった」(神奈川県・46歳男性)

「いつもどおりゲームをしていたら、怒った母親にRFスイッチを抜かれた。兄弟そろって、母親の怒りが収まるまで黙って見ていることしかできなかった。しかも最終的には抜いたRFスイッチを隠されてしまい、しばらくはゲームができなかった」(京都府・45歳男性)

初期のファミコンをテレビと接続するには、RFスイッチという機器が必要でした。普通は触らないアンテナのケーブルとRFスイッチを繋がないといけないので、お父さんに接続してもらったという人も多かったですね。一度繋ぐと取り外すのにも手間が掛かるので、わざわざRFスイッチを抜いて隠すという親は相当頭に来ていたのかもしれません。

ゲームソフトを没収

「ある日突然、ゲームソフトを没収された。本体に刺さっていたソフトと、収納用の箱に入れてあったソフト全部。1週間ぐらいゲームを禁止された後、家でも毎日勉強することと、家の手伝いをすることを条件に返してもらった」(埼玉県・44歳男性)

「うちではソフトを隠された。親の部屋にあるのは聞いていたが、普段は鍵が掛かっていて入れないので、どうにもならなかった。友達に借りていたソフトもあったので、謝ってそれだけは先に返してもらった」(東京都・39歳男性)

ゲームソフトを隠されたという人もいました。ファミコンのころはデータが消えやすいソフトもありましたので、そのようなソフトを隠されたときは、カセットが乱暴に扱われてデータが消えるのではないかと、ひやひやしたものです。

ファミコンに夢中になった子どもは勉強がおろそかになりがちで、親にとっては「ファミコンを禁止するにはどうすればいいか」は切実な問題だったといえます。子どもからファミコンを取り上げる方法はいろいろありましたが、乱暴に扱われたために本体が壊れたり、ソフトのデータが消えたりして困ったという人もいるでしょう。ただ、元はといえばゲームに夢中になり過ぎたのが原因ですから、自業自得かもしれませんが……。

(藤野晶@dcp)
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ライター

藤野晶@dcp

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