「辺野古、完成の可能性低い」 米有力シンクタンク報告

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国吉美香
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 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設について、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が2020年11月の報告書で「完成する可能性は低い」と指摘した。執筆担当者が朝日新聞の取材に応じ、理由について「7万1千本も杭を打たなければならない(軟弱)地盤は明らかに不安定」と説明した。

 日米関係に詳しい識者は「辺野古の基地に対し、沖縄だけでなく、米国内でも完成を疑問視する動きが出てきている。『辺野古が唯一』と固執する日本政府の姿勢は、実情にそぐわなくなっている」とみる。

 CSISは、外交や安全保障について共和、民主両党の歴代米国政府に政策提言などを行ってきた専門家集団。国際的な知名度も高い。執筆は、国際安全保障などが専門の元海兵隊大佐、マーク・カンシアン上級顧問が担当した。

 報告書は、現在進められている米海兵隊の戦略見直しについて分析したもの。その中で移設計画について「困難な状況が続いていて、完成期日は2030年まで延び、費用が急騰している。完成する可能性は低い」と記した。

 カンシアン氏は軍事戦略について分析した報告書を例年発表しており、19年10月公表の報告書では移設計画について「地元の反発もありながらゆっくりと進んでいる」と記述した。

 最新の報告書で完成を疑問視する表現となったことについて、朝日新聞はメールでカンシアン氏に取材した。

 カンシアン氏は取材に対し…

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