"ホリエモン"
こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回は、米エピックゲームズ社の人気ゲーム『フォートナイト』が、ゲーム内に独自の決済システムを作ったことで「アップストア」と「グーグルプレイストア」から削除された問題。前編では、堀江氏が「『フォートナイト』はPCでもプレイできるから、アプリストアの売り上げに依存していないのが大きい」、ひろゆき氏も「スマホアプリだけで稼いでいたら、アップルとグーグルに締め出されたら終わり」と語った。

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ひろ 世界中の開発者やコンテンツプロバイダーは30%の手数料に困っているので、みんな心の中ではエピックを応援しているでしょうからね。

音楽配信サービスの「スポティファイ」もエピックゲームズを支持する声明を発表したようですし、ネットフリックスやアマゾンのキンドルも手数料を回避するためにいろいろ工夫していますから。

ただ、表立って支持を表明すると、今後、いやがらせされるかもしれないので、多くの企業は静観しているという感じじゃないでしょうか。

ホリ 一方で、アップルのほうは手数料を下げるとアプリストアからの収入は減るけれど、アップルの売り上げの中心はマックやiPhone、iPadなわけだよね。

だから、アプリストアでガンガン儲けるよりも、iPhoneを売るために魅力的なアプリをたくさん出してもらえるように戦略的に手数料を下げる可能性もゼロではないと思うよ。グーグルも主力ビジネスはやっぱり広告なわけだし。

ひろ んー。僕はアプリストアの利益は意外と大きい気がしています。確かに売り上げの数字はハードウエアが大きいですけど、利益率は高くない気がします。

それにアプリ市場的には「手数料が高いからアプリを作らない」という人はあまりいないので、手数料が下がったからといってコンテンツが増えるかどうかは微妙かと。ただ、エピックが提訴した裁判はアップルが負ける可能性が高いとは思いますが。

ホリ 独占禁止法に抵触すると。それはコンテンツプロバイダーにとっては素晴らしい状況ではあるよね。手数料が下がれば利益も増えるわけだし。

ひろ ただ、アップルもアプリを審査する期間を妙に長くするとか、変ないやがらせができたりするんですよね。例えば手数料が高いところは優先的に審査をするプレミアムプランを用意して、暗に優遇するなんてこともできるわけです。

ホリ ないとはいえないね。

ひろ だから裁判には勝てると思いますけど、エピックゲームズもまた、ストアを運営しているプラットフォーマーなので絶対的な正義の味方でもないんですよね。

ホリ まあ、すぐには決着つかないだろうけど、これを機に手数料が少しでも安くなってコンテンツプロバイダーの利益が上がれば、開発がどんどん進んでさらにいいコンテンツが出てくるようになるので、個人的にはすてきな世の中になると思うけどね。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『堀江貴文vs.外食の革命的経営者』(ぴあ)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『1%の努力』(ダイヤモンド社)

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