2歳から博物館に通いつめて琵琶湖の魚を研究 湖魚50種の絵本を描いた中学生「画伯」が話題に

京都新聞社 京都新聞社

 滋賀県大津市の男子中学生が琵琶湖の魚を描いた絵本「はじめてのびわこの魚」が、7月に出版された。琵琶湖で釣り上げた魚などを観察して一匹ずつ色鉛筆で鮮やかに描き上げた。「湖魚の特徴や生態を知ってほしい」と、子どもにも分かりやすい解説も添えている。

 志賀中3年の黒川琉伊(るい)さん(14)。2歳の頃から母親に連れられて草津市の県立琵琶湖博物館に通い始め、幼少期はほぼ毎日通った。分からないことがあれば図鑑を調べたり、時には漁師から直接話を聞いたりして湖魚の研究を続けてきた。琵琶湖の固有種17種のうち半数の生態がいまだ解明されていないことを知り、謎に包まれた湖魚を紹介しようと制作した。

 長浜市の出版社能美舎の堀江昌史さん(36)が、2~3年前に漁師から「面白い子がいる」と紹介されたのが黒川さんだった。鮮やかに描く琵琶湖の魚に感銘を受けた堀江さんが、黒川さんに絵本づくりを呼びかけた。

 絵本では、琵琶湖淀川水系に生息する50種類の魚を200色の色鉛筆を使い、色鮮やかに描く。魚の特徴や生態、食べ方などを豊富な知識で紹介。子どもが想像しやすいように、「目が小さめ」「大きい背びれ」などと分かりやすく説明した。

 コイ科の「オイカワ」が産卵期にうろこが固くなるなどの豆知識や、読者がコピーして使える絵日記のひな型を巻末に盛り込むなど、親子で楽しめる工夫を凝らしている。

 黒川さんは「子どもたちに琵琶湖の知識を深めてもらえたら」と話し、「他の魚や鳥など、琵琶湖に来る生き物たちの図鑑を作りたい」と早くも次の構想を温めている。

 7月1日の「びわ湖の日」に合わせて発売。能美舎刊、1650円。

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